国立大学の合格最低点は思っているよりも低い
国立大学への進学を考えている普通科高校生や工業高校、商業高校、農業高校など専門高校の一部の生徒は、一般入試で大学受験を考えていると思います。
多くの受験生が一般入試で大学に合格するのは難しいと考えているかもしれませんが、合格しさえすればその順位は問わない、つまり最下位であれ、合格できればいいと考えるのであれば、全国どこの大学も合格するための点数の難易度は一気に下がる可能性があります。
簡単にいうと、一般的に言われている点数よりも低い可能性が出てきます。
例えば、A大学が一般的に大学入学共通テスト(以前でいう大学入試センター試験)で8割ぐらいで合格だと言われていても、合格最低点は7割5分ぐらいになっていることもあり得るということです。
もちろん二次試験を含んだ総合点での合否判定になりますので、総合点で平均点と最低点にはそれなりの差(1割前後の差)が出ている可能性があるということです
なぜこのようなことになるのかというと、今のA大学でいえば、共通テスト8割で合格と言われても、この8割が意味するものが合格最低点数を表しているのではないと考えられる可能性があるからです。
例えばあなたが、B高校に通っているとして、他の人から「B高校って5教科で何点ぐらいで合格できる?」と聞かれた時に、その人に何と伝えるでしょうか。
この質問の時に合格最低点数を伝える人はまずいないでしょう。
高校の合格最低点数は公表されていないところがほとんどでしょうから。
平均点ぐらいのレベルを伝える人は結構多いと思いますね。
大学の場合も同じでしょう。
合格には何点必要ですかと聞かれたら、合格最低点を伝える人は多くないと思います。
なぜかというと、そもそも平均点ぐらいのレベルを伝える人が多いと予想されることと、もし自分が在籍している大学を聞かれた場合や自分が卒業した大学を聞かれた場合には、人間ですのでどうしても高く評価したい人が多い可能性があることから、多少点数を盛って言うことはあっても、わざわざ合格最低点数を言う人は少ないと思うからです。
そもそも合格最低点数を知らない可能性もありますし・・・
ある旧帝大に在籍している学生が、その大学に合格するためには何点必要か聞かれて、他の人が言っているほど高い点数ではないと話しているのを見て、非常にしっかりした人だと感じました。
合格者の平均点と最低点は10%以上違うことも
さて、データを見るとよくわかるのですが、合格者の平均と合格者の最低点数は10%以上違うこともあります。
私の勝手な予想としては、難易度の高い大学や学部・学科になると、合格者の平均点と最低点の差は縮まる傾向があるのではないかと思います。
理由としては似たような学力層の人たちが受験していて、不合格ギリギリの人でもある程度高い成績が取れるからだと思います。
それでも平均点と最低点との差は5%前後あるのではないかと考えています。
一方で、平均的な地方国立大学であれば、平均点と最低点の差は10%を超えたり、15%を超えたりすることもあると思います。
5教科7科目900点満点で、例えば、C大学の平均点が630点(70%)だったとすると、合格者の最低点数は、560点(62%)ぐらいということは普通にあり得る可能性があるということです。
もし、このC大学に合格するためには70%は必要だと言われていても、それが平均点を表すイメージであれば、実際にはもっと低い点数でも合格しているわけです。
先ほども言いましたが、実際には共通テストだけではなく、二次試験を含めた合計点数で考える必要があります。
共通テストの点数が低かった場合には、二次試験で頑張らなければなりません。
まぁ~それでも合格者の平均点と最低点にはそれなりの差があるのですが・・・
ただし、気を付けてもらいたいのは、合格者の平均点と最低点の差が毎年度同じぐらいになるとは限らないということです。
当然ですが、年度によって受験者も試験問題も違うわけですので、合格者の平均点と最低点の差にも年度による違いは出るわけです。
だからこそ、どの程度の差があるのか、過去を遡ってみる必要があるのではないでしょうか。
さて、次回はもう少し具体的に考えていきたいと思います。