株のボラティリティとは?
株の価格は、上がったり下がったりしますよね。
大きく値上がりする銘柄もあれば、小さくしか値上がりしない銘柄もありますし、これとは反対に、大きく値下がりする銘柄もあれば、小さくしか値下がりしない銘柄もあります。
このように、どの程度値動きに変動があるかというのは、その時々で大きな差があるわけです。
この価格変動のことを、ボラティリティと言います。
ボラティリティの基礎知識があるかどうかというのは、投資方針や投資成績にも関わってくるため、ぜひ知っておいた方がいいと思います。
みなさんは株価が大きく上昇することがあるけど、大きく下降する場合もある銘柄と、小さくしか上昇しないけど、下降する場合も小さい銘柄のどちらで取引したいでしょうか。
これは人によって違うわけで、どちらが良いとか、どちらが悪いとかいうものではありません。
一般的に、大きく値上がりするけど、下落する時も大きく値下がりする銘柄の方を、ボラティリティが大きい(高い)といい、小さく値上がりし、下落するときも小さく値下がりする方をボラティリティが小さい(低い)と言います。
要するにボラティリティというのは、値動きの激しさだと思っておけば良いのではないでしょうか。
ボラティリティは大きいほうがいい?小さいほうがいい?
株取引をするにあたって、ボラティリティの大きい銘柄と小さい銘柄のどちらが良いのかという正解はありませんが、投資方針などによっては、銘柄選びに活用した方が有利に働くことがあります。
例えば、デイトレードをする投資家であれば、1日で売買するわけですので、ある程度の値動きがないと利益を出しにくいわけです。
そう考えると、ボラティリティの大きい銘柄の方が取引しやすいと言えるのかもしれません。
デイトレードをするときに、投資家によっては、値動きの激しい時間帯である、寄り付きから30分程度で取引を終了する場合もありますよね。
値動きの大きさを意識した売買と言えるのではないでしょうか。
逆に、長期投資で考えている人が、ボラティリティーの大きい銘柄にすると、値動きが激しすぎて株価に一喜一憂してしまい、薄利での売却や最悪の場合には不必要な損切りをしてしまうかもしれません。
そう考えると、長期保有を考えているのであれば、ボラティリティーの小さな銘柄の方が取引しやすいと考えることもできます。
短期的に急騰した銘柄であれば、その後の利益確定売りや空売りなどによって、大きく値を下げることもあります。
あまりにも値動きが激しくなると、含み損を抱えた投資家も多数でてくることから、やれやれ売りなどによって、なかなか株価が上昇しにくくなることもありますので、売買の判断は気を付けないといけませんね。
また別の意味で考えると、値動きの激しい銘柄だけ保有したり、値動きの穏やかな銘柄だけ保有したりするのではなく、自分の投資方針に合わせてボラティリティのバランスを取るのが良いのではないでしょうか。
保有株の半分はボラティリティの大きな銘柄で、トレンドが良い時の値上がりを積極的に狙い、利益を大きく増やすための株を保有する。
保有株の残り半分は、多少トレンドが悪くなったとしても、ある程度の値下がりで済むだろうと考えられる、ボラティリティの小さな銘柄で、大幅下落を避けるための株を保有するなどして、資金をバランスよく割り振るというのも良いのかもしれません。
バランスの割合はあなたの投資方針次第です。
ボラティリティの計算は?
それでは各銘柄のボラティリティはどう計算するのかということですが、現実的な活用方法として計算している人がどの程度いるのだろうかと思います。
私自身、これを計算することはありません。
調べ方としては、証券会社の情報を活用したり、ネット情報などを活用していますので、知りたい銘柄があったとしても、わざわざ計算はしていません。
もちろん、どうしても計算方法が知りたいという方がいるのであれば、ネットで検索すれば出てくるとは思いますけど・・・
一般的に使わないような期間で計算する場合には、自分でしないといけないかもしれませんね。
ちなみに、計算結果で気をつけてもらいたいのは、どの程度の期間に対してのボラティリティなのかということです。
期間が短いほど直近ということになりますので、その答えが「どの期間に対しての価格変動なのか」というのは意識していた方がいいと思います。
株価チャートで値動きを確認
それでは具体的に、ボラティリティの大きい銘柄と小さい銘柄で、株価の値動きにどのような違いがあるのかを見てみたいと思います。
下のチャートは2019年2月から4月の石川製作所の株価推移です。
実際の計算方法ではなく、非常にざっくりと見るための説明をしたいと思います。
この期間中で言えば、一番安い株価が約1100円であり、一番高い株価が約2100円です。
この間に約1000円の株価の値動きがあったわけです。
1000円台の銘柄の、高値と安値の差が約1000円あるというのは、値動きが激しいと感覚的にわかるのではないでしょうか。
下のチャートは、2019年2月から4月のカゴメの株価推移です。
こちらも非常にざっくりと見るための説明です。
この期間中で言えば、一番安い株価が約2800円であり、一番高い株価が約3150円です。
この間に、約350円の株価の値動きがあったわけです。
約3000円の銘柄の、高値と安値の差が約350円ですので、値動きが穏やかというのが感覚的に分かるのではないでしょうか。
ちなみにボラティリティを計算すると、石川製作所の方がこの期間であれば高くなります。
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このようにボラティリティについて知っていると、これまでとは銘柄の探し方も変わってくるでしょうし、利益の狙い方も変わってくるかもしれません。
大きく値下がりした市場全体の相場から、トレンド転換が期待できるのであれば、ボラティリティの大きな銘柄を買うというやり方もあるかもしれません。
逆に、市場全体が値下がり傾向になるかもしれないということであれば、現金にするか、保有する場合でもボラティリティの小さな銘柄にするというやり方もあるかもしれません。
知っていると何かと便利な価格変動に対する指標ですので、いろいろな銘柄で見てみてはいかがでしょうか。