恐怖指数と呼ばれる日経平均VIとは
株取引をするにあたって投資家が最も気をつけていることの一つが急落に備えるということではないでしょうか。
投資をしている以上、ある程度の値下がりというのは仕方がないことですし、多くの人たちがこれぐらいまでは値下がりしても株を持ち続けることができるという許容範囲があると思います。
しこし、この許容範囲を大きく超えてくる下落に巻き込まれるのは投資家としては避けたいですよね。
だからこそ中長期投資をするのではなく、短期投資の中のデイトレードをするトレーダーも多いわけです。
この大きく株価が下落するタイミングが前もってわかれば、大きな損失を回避することがある程度可能になってきます。
それでは、そのような暴落が前もってわかるものが何かあるのかというのがポイントですね。
実はありがたいことに暴落するかもしれないというのがなんとなくわかる指標というのがあります。
私も毎日その指標をチェックしています。
この指標は何という名前かというと、日経平均ボラティリティーインデックスという名称で、略して日経平均VIと呼ばれています。
また、この指標は別名「恐怖指数」ともいわれています。
本日は、日経平均株価と恐怖指数である日経平均VIの関係についてをテーマに書いてみたいと思います。
この恐怖指数である日経平均VIは、将来の日経平均株価の変動の大きさを推測した指数です。
日経VIは多くの投資家に利用されている指標の一つであり、毎日チェックすべき指標の一つです。
デイトレードをしている投資家にとっては関係がないと思われるかもしれませんが、実はそのようなことはありません。
デイトレードの場合は取引終了後の暴落リスクは避けられますが、ザラ場でのリスクは中長期投資などと同様に避けることはできません。
ザラ場で日経VIが大きく上昇し、急激な値下がりになることがありますので、デイトレードやスイングトレード、短期投資や中長期投資に関わらず、毎日日経VIは確認をすることをおすすめします。
日経VIの確認方法
それでは具体的な確認方法について書いていきたいと思います。
といっても、確認方法は簡単で恐怖指数でも日経平均VIでもいいのでネットで検索して、その時の数値を見るだけです。
10秒もかかりません。
なお、日経VI以外にも米国VIX恐怖指数、欧州恐怖指数などありますので間違えないようにしましょう。
それぞれ平常時の数値もちょっとずつ違います。
これらの指数も日本の株価と密接にかかわっていますので合わせて見ておくといいのではないでしょうか。
日経VIを感覚的に捉えるのであれば、数値が小さいほど将来的に振れ幅は小さくなりますし、数字が大きいほど将来的に振れ幅が大きくなるという感じで考えておけばなんとなくいいのかな~って思います。
「何言ってんのかわかんないよ!」という声が聞こえてきそうですが・・・
数値が大きくなるということは、投資家の相場の先行きに対する不透明感が大きいということですので、大きく値下がりする可能性もありますよ!というざっくりした捉え方でもいいのかもしれません。
日経平均ボラティリティーインデックスですので、数値が大きいということは変動が大きい、つまり乱高下がきついことが考えられます。
日経VIが20以下ぐらいであれば、まあ問題がないレベルだといわれたりもしますが、2018年の日経VIの数値で見ると安全なレベルというのは、もう少し低い値であると個人的には思います。
2018年でいうと、大体14から16ぐらいだと概ね安全という数値ではないでしょうか。
17から18ぐらいになってくると、その時の株価にもよりますがちょっと怪しくなってきます。
このように書くと初心者や投資経験の浅い投資家などが、その数値だけを注目してしまうのですが、実はこの数値だけに注目しているのはよくありません。
重要なのは徐々にであれ、上がっているのか・下がっているのかということも大きなポイントです。
例えば、暴落する前にはこの数値は18や20などと、だんだん上昇していくのですが、株価の底の時の日経VIのピークが40だったとすると株価が値を戻して上昇するごとに日経VIは35や30とだんだん小さくなっていきます。
つまり数字だけに注目しておくと35や30といった数値が20よりも大きいことから悪い数字だと思ってしまうかもしれませんが、実際には大きく上がった恐怖指数の日経VIがだんだん元の平常時の数値に戻る途中であるため35という数字だったとしてもその数値だけを見て悪いとは言えないということです。
だからこそ注目してもらいたいのは、数字そのものももちろん大事なのですが、ここ数日や数週間でどうなっているのか、また1日の中でも恐怖指数が上がってきているのか、下がってきているのか、大きくは変わらないのかということを知ることが暴落に備えるための大切なポイントです。
恐怖指数と日経平均株価の関係
それでは、日経平均株価のチャートを見ながら、具体的に恐怖指数である日経平均VIと比べてみたいと思います。
下のチャートは、2017年10月から12月の日経平均株価のチャートです。
2017年10月から11月の初めまで株価は大きな上昇を示しています。
この時期の日経VIは大体14から17です。
つまり、不透明感のない安定した状態だということです。
ところが11月9日になると17程度で始まった日経VIがザラ場で一気に24を超える直になりました。
この日の日経平均株価は、高値が23382円・安値が22522円であり、高値と安値で800円以上の差がでた乱高下の激しい一日でした。
大きく上昇した株価が大きく下落したことで、先行きに対する不透明感が大きくなり、日経VIも17から24を超えるような恐怖の1日になりました。
それでは、日経平均VIから考えてこの急落を予見できたのかというと、正直なところ、この日に急落するというところまで完璧に当てるということは難しかったのかもしれません。
しかしながら、投資に長けた人であれば近日中に暴落の可能性があるというレベルであればある程度予想はついたのではないでしょうか。
私は残念ながらまだまだその域に達していませんが・・・
9日でいうと、前日が17で終わっており9日も開始からどんどん日経VIが上がっていく流れでしたので、頻繁に日経VIを見ていた人は上昇の仕方が急激すぎるということで利益確定売りや大幅な値下がりを避けるために損失覚悟の損切りをした人も多かったのではないでしょうか。
この状況になると気づく人が多くなります。
もう一つ押さえておいた方が良いポイントとしては、日経平均株価としては11月9日の方が11月20日前後より高いのですが、日経VIとしては11月9日の方が高いということです。
これを見てもわかるとおり、日経平均株価が高ければ日経VIが低く、日経平均株価が低ければ日経VIが高いということには必ずしもならないということです。
この指数はボラティリティインデックスですので、変動を表しているということです。
日経VIが大きく下がった11月の上旬でしたが、11月の中旬以降から12月にかけて、また徐々に日経平均株価が回復していますので、日経VIの数値も 21から13ぐらいの値を示しています。
つまり一度大きく下がったことで、これ以上は大きく下がらないだろうという投資家の心理が働き恐怖感が薄らいだという考えができるのではないでしょうか。
また2018年1月の日経VIも興味深いです。
下のチャートは2018年1月から8月の日経平均株価の推移です。
年末年始休暇で日本の市場は取引がなかったわけですが、先に開いた外国市場が好調であったことから、日本の 株価も年明けに大きく上昇します。
しかしながら、あまりにも連日値上がりし、25日移動平均線との乖離も大きくなってきたことから、逆に上がり過ぎであり近いうちに暴落するのではないかという考えが 投資家の中に出てきました。
それが日経VIにもあらわれており、年明け15ぐらいで始まった日経 VI が徐々に上昇し、1月後半には18まで上昇しています。
普通は20ぐらいであれば大丈夫ということなのですが、まあ相場状況によるのかもしれませんが、2018年を見る限りもう少し低い数値が 安全な範囲だと考えていた方が無難だと思います。
ザラ場で2月2日に18を越え、2月5日に20を越え、2月6日に30を超える数値になり一気に上昇します。
上手な投資家であれば、2月2日にザラ場で18を超えた時点で手仕舞いしていた投資家もいたと思います。
2月から3月にかけては、日経VIは概ね20台から30台ぐらいの数値で推移しています。
この時期は多くの投資家が株価がどのように動くか不安な時期であったため、それが数値によくあらわれていると思います。
日経平均株価は、4月以降順調に上昇し始め、日経VIも 20台から 14ぐらいまで値が下がっていきます。
また、6月後半から7月にかけての日経平均株価の値下がりに対しても、日経VIは18ぐらいから23ぐらいまで上昇しています。
このように日経平均株価と日経VIの関係を見てきましたが、特に1日の高値から安値までの差が激しくなると日経VIも大きくなることは覚えていた方がいいと思います。
それだけ将来に対する不透明感が大きく価格変動も大きいということですからね。
重要なポイントは、日経VIが上昇しているのか下降しているのかということです。
買い時・急落・値下がり・安値 関連記事
こちらの記事もどうぞ
あなたの株取引にとって役に立つかもしれない投資方法や取引の知識を書いていますので、気になる方はこちらの投資方法からご覧ください。
日経VIは毎日チェックしょう
2018年の場合は18ぐらいまで上昇すると、ある程度大きな値下がりがある前触れのようですが、必ずしもその数値になったからといって大きな値下がりが起こるとは限りません。
ここが難しいところですが、18ぐらいまで上がった後にまた数値が下がっていくことも当然あります。
とはいえ、これぐらいの数値になってきたときには十分な注意を払いながら取引をするべきですし、日経VIがいくら以上になれば購入は控えるといった自分自身のルールを作ることが大切です。
もし本当に値下がりしたら、いきなりある程度大きめの含み損(評価損)になるかもしれませんし、損切りして大損するかもしれません。
逆に日経VIが上がってきているからもう少しで急落するかもしれないと考えて、待っていることで安い値段で株を保有できるかもしれません。
2017年10月から2018年1月にかけての相場のように、あまりにも値幅調整や日柄調整が少なく長期間にわたって上昇していくと、どこかで大きな調整が来るだろうという不安感を抱えた取引になり、一度大きく値を崩すと売りが売りを呼び、日経VIが大きく上昇し、日経VIを売り買いの指標にしている投資家からの大きな売り注文も合わさって、さらなる値下がりになり株価は急落します。
このように長期間にわたって上昇しているときの日経VIは特に注意しておくことが大切だと思います。
こちらの記事もどうぞ
できれば、1日2回ぐらいは確認しておくことが理想的ですが、せめて1日に1回は見るように心がけておくのがいいのではないでしょうか。
日経平均株価が急に下がったときにはすぐに確認するようにしておくのもいいですね。
恐怖指数である日経VIが重要な指標であるとあなたが考えるのであれば、日経VIによる売り買いのルールを作っておけば大暴落に巻き込まれるような大きな失敗を防ぎやすいかもしれませんね。
それでは本日のまとめです。
本日のまとめ
- 投資家は暴落に備えることが大切である
- 将来の日経平均株価の変動の大きさを推測する日経VIという指標がある
- 日経VIは恐怖指数とも呼ばれる
- 数値が大きいと投資家の相場に対する先行きへの不透明感が大きい
- 数値だけに注目するのではなく上がっているのか下がっているのかも重要
- 20より大きいかどうかがポイントになるが2018年は安定しているときはもう少し小さい値になっている
- 1日に1回は日経VIを確認するようにする
- 日経VIによる売り買いのルールを作っておくと大暴落に巻き込まれにくい