株で損しにくい買い方のコツは?
株で損しにくい買い方のコツというのはあるのでしょうか。
みなさんもそうなのだと思いますが、やはり経験を積めば積むほど、損失を減らし利益を増やすことができるようになってくるのではないでしょうか。
つまり、初心者の頃と経験がある現在とでは何かが違うということです。
個人的に何が違うのだろうと考えると、その候補になるものはいくつかあるわけですが、今回はその中の一つを紹介したいと思います。
それは何かと言うと、特に難しいことでもなんでもなく単純なことですが、「待つ」ということです。
コツの一つは飛び乗らずに待つこと
待っているだけですので、複雑な計算式を解かないといけないとか、何かの理論を勉強しないといけないということではないのですが、私の経験上で言っても待てるかどうかで投資成績はかなり違ってきました。
投資経験の浅い初心者の頃や、取引成績が悪く、なかなか損益をプラスに持っていけない頃は、上昇している銘柄を見ると、この流れに乗って買った方がいいのではないかと思いよく購入していました。
連日陽線をつけて値上がりする銘柄や、ボリンジャーバンドが+3σに到達するほど上昇している銘柄、窓を開けて上昇している銘柄など見かけると、とりあえず買ってみようと思うことが多かったです。
しかしながら、気づいた時にはすでに高値圏ということも多かったです。
それでもとりあえず板を見ながら、もしかすると値下がりするかもしれないと思って、現在の値段よりある程度低い価格で指値注文などしたりするわけですが、勢いのある銘柄であればどんどん上昇していき、「さっきの価格で買っていればよかった」、「下の価格で指していてもどんどん株価が上昇するかも」と思ってしまい、結局その時の株価で購入することが多かったです。
今考えると、そんなことしてたら損益をプラスに持っていくことは難しく、マイナスになってしまう可能性が高まってしまうと分かるのですが、その当時の私は、いわゆる「飛び乗り」が多かったのだと思います。
今現在の私の投資方針としては、それなりの理由がない限り、基本的には「飛び乗る」ことはありません。
今現在の私の中で、買い方のポイントにしている一つが、自分が納得できる株価になるまで「待つ」ということです。
待つということ自体は、先ほども言いましたが特に難しいことではありません。
しかしながら、難しくないからといって簡単ではないわけです。
気づいた時には短期的な天井が近いことも
毎日のように上昇している銘柄を見ると、明日も上昇するのではないか、明後日も上昇するのではないかという気持ちが出てしまい、今買った方が儲かるのではないか、もしかすると大きな利益が得られるのではないかと考えてしまいがちです。
しかしながら私の経験上で言えば、そんなに上がり続ける銘柄というのはそうあるものではありません。
自分が欲しいと思っているということは、他の多くの人も欲しいと思っている可能性があるわけですので、その時点が短期的な天井になってしまうこともあり得るということです。
早い段階で仕込んだ投資家はピークを見極めようとしています。
多くの人たちが買ってしまえば、短期的にはそれ以降の株価の上昇が弱まってしまい、逆に株価が下降トレンドに転じる可能性もあるわけです。
早い段階で購入できていれば、大きな利益も得られるわけですが、早い段階で仕込むというのは相当色々な銘柄をチェックしていなければ、なかなか難しい面があります。
この銘柄はすごく勢いがあり、連日株価が上昇しているというような、「みんなが知る状態」になった時には、すでに短期的な天井が近づいていると考える方が無難だと私は思っています。
そのようなことから、私としては急騰している銘柄を見つけても、移動平均線からの乖離も大きいため、まずは静観します。
過去の経験上、残念ながら飛び乗ってしまったことで失敗したことが何度かありますからね。
ただし飛び乗った瞬間に、すぐに損失になるということもそれほどなかったと記憶しています。
少しは含み益になる時間や期間はあるのですが、翌営業日の寄り付きで大きな売りが出て、一気に含み損になるというようなこともよくあります。
待つことで希望価格に近づくことも多い
結果論で言えば、日経平均株価の急落などもあり、待つことで多くの銘柄は、自分が購入する上で納得できる株価や希望している株価よりもさらに安くで買うことができたわけです。
私としては待っているだけで、いずれは自分の納得できる価格になることが多いと感じています。
もちろん期間の長短はありますが・・・
これは短期的であれ、長期的であれ同じです。
デイトレードのような短期であれば、例えば始値が300円で、すぐに上昇し305円、308円、310円と、どんどん値上がりして行ったとします。
株価が310円になった段階で、少しでも安い価格で購入しようと305円で指値注文をしていたものの、さらに株価が上昇し313円、315円、318円、325円と、どんどん値段が上がっていくようなことを経験したことがあるのではないでしょうか。
このような状態になってしまうと、まだまだ株価が上がるだろうと思い、305円では買えないことから、その時の現在値で購入してしまうことが結構あると思います。
しかしながらこのような値動きになると、現在値とVWAP(ブイワップ)が相当乖離していることから、時間が経つと結果的に急上昇からの急落でVWAPに近づき、結果的にはそもそも自分が買おうと考えていた305円程度で購入できることもよくある話です。
なお、VWAPについてはデイトレードで1日に数万円失って知った利益を得やすい指標とは?をご覧ください。
これは期間が長くなっても基本的には同じだと考えています。
もちろんどの価格まで落ちてくるかの程度は、銘柄によって違ってきますが・・・
株価の動向を日足チャートで確認
例えばデイトレードより、もう少し期間の長いチャートで考えてみたいと思います。
下のチャートは、クイックの2019年3月から5月の日足チャートです。
3月中旬から長い陽線で株価が大きく上昇しているのが分かると思います。
連日このような状況になると、今後もどんどん株価が上昇するのではないかと思い、このトレンドに乗って買いたいと思う人も多く出てくると思います。
しかしながら数日間上昇した後、株価は右肩下がりで下降し始めました。
結果論で言えば、3月中旬の上昇が始まった時の株価まで、5月には下落してしまいました。
トレンドに乗りたいのか、その銘柄が欲しいのかで向き不向きがある
今回の記事では、損しにくい買い方のコツということでお話ししており、その中で私としては急激に上昇したからといってすぐに飛び乗るのではなく待つことが大切だという話をしてきました。
株を買う場合に投資家としては、二つの考え方があるのではないかと思っています。
一つは今勢いがあるからこのトレンドに乗って利益を得ようという考え方の人。
もう一つは急激なトレンドには乗らなくていいものの「この銘柄が欲しい」という考え方の人。
待つという戦略が向いているのは圧倒的に後者です。
要するに大きなトレンドに乗るということは、急落のリスクもあるということですので、そのようなトレンドに乗るのよりも、コツコツと株価が上昇していくような銘柄を狙いたいというタイプの人です。
待っていれば結構株価は落ちることもあります。
もちろん昔500円だった銘柄が、現在3000円になったからといって、昔の500円に戻るまで待つというのは、かなり難しい場合もありますので、程々のところで購入する必要性はありますが・・・
一方で、この銘柄が欲しいというわけではなく、このトレンドに乗って儲けようという考えの人であれば、待つというのはなかなか難しい面がある場合もあります。
しかしながら、既に株価が大きく上昇しているのであれば、そこから飛び乗ったとしても、得られる利益よりも失う損失の方が大きくなってしまう可能性もありますので、損しないために飛び乗らずに待つ(見送る)というのも大切なのだと思います。
もちろんまだ上昇の初動や、早い段階でその銘柄に気づいたのであれば、リスクとリターンを総合的に考えた上で、待たずに飛び乗るという選択肢もありだとは思います。
最終的にはあなたがその銘柄に気づいたタイミングが早い段階なのか、遅い段階なのかにかかってくるのだと思います。
待っても株価が下がらなかったら
この記事を見ているみなさんの中には、待っていれば株価が少しずつ落ちてきたり、場合によっては急落したりするかもしれないけど、そのまま上昇してしまうこともあるんじゃないのと思っている人もいるかもしれません。
一言で言うならば確かにその通りです。
いくら待っていたって落ちてこないものは落ちてきません。
場合によっては押し目をつけることなく、びっくりするぐらい株価が上昇していくこともあります。
さて、そのような場合にはどうするのかと言うと、どうすることもできませんので、縁がなかったと思って諦めます。
儲かる可能性のある銘柄は他にもあるわけですから。
株取引を長くしている人であればあるほどよく分かると思いますが、ずっと上昇するような銘柄にはそう簡単に出会えません。
むしろ飛び乗ってしまい、含み損が出て損切りのタイミングを逃し、結果的に塩漬けになってしまったり、大きな損失になってしまうことの方が多いと思います。
待たずにそのトレンドに飛び乗るのであれば、しっかりとした利益確定ラインと損切りラインを決めて入らなければ、大きな失敗をしてしまうかもしれません。
私はあまり急上昇銘柄に飛び乗ることはありませんので、待つという戦略が向いているのだと思います。
待つというやり方もあまり欲張らない方がいい
私としては、追いかけると高値づかみになってしまう可能性があるので、落ちるのを待って購入するのが損しにくい買い方のコツなのだと思っています。
興味がある方は、いろいろな銘柄の日足・週足・月足のチャートを見てみると良いのではないでしょうか。
上昇していた株価が、なんだかんだでそれなりの価格まで値下がりする銘柄を見かけると思います。
買い時・急落・値下がり・安値 関連記事
もし待っていた方が良いのではないかと思うのであれば、納得できる株価になるまで、しっかりとひきつけてから買ってみてはいかがでしょうか。
ただし私の経験上で言えば、自分の理想とする株価になるまで落ちるのを待っていると、相当な期間が必要(機会損失の可能性も)になることもあり、結果的にある程度下落したところで、再び反発し株価が上昇してしまうこともあります。
そのようなことから、理想の株価まで下落するのを待つというのもいいのですが、買えない可能性もありますので、あまり欲張らずに程々のところで買うというのも一つの手ですので、それについても意識しておくと良いのではないでしょうか。