売るタイミングはセルインメイ?
みなさんはセルインメイという言葉をご存知でしょうか。
株取引をある程度やってきた人であれば、聞いたことはもちろんあると思います。
セルインメイというのは、意味としては「株は5月に売れ」ということなのでしょうが、これはアメリカについての話であり、直接的に日本のことを言っているわけではありません。
英語(Sell in May)だから当然日本じゃないでしょうね・・・
しかしながら、米国相場に影響が出れば、当然日本にも影響が出るわけですので、本当にセルインメイは売るタイミングとして最適なのか、気にはなりますよね。
セルインメイについて、もう一つ注意しておかなければならないことは、5月に株価が下がるということを言っているわけではなく、要するに「5月以降の夏場の相場はいまいちですよ、だから9月ごろまで戻ってくるな」ということを言っているのだと思います。
ちなみに、この三年間で5月だけの日経平均株価を見ると、特に悪いというチャートではなく、どちらかと言うと、右肩上がりの上昇トレンドを示しています。
特にここ数年については、5月の途中までは決算に対する期待感もあって、上がりやすいという面もあったのかもしれませんね。
「5月に株を売れ」を日経平均株価チャートで検証
それでは実際に、ここ数年間で日経平均株価の場合、セルインメイは本当に当てはまったのかというのを見ていきたいと思います。
下のチャートは、2018年の日経平均株価の推移です。
5月以降の値動きとしては、9月中旬まで5月の高値を超えられないというチャートを示しました。
そういう意味で考えると、なんとなくセルインメイという感じではあると思います。
特に7月上旬には、株価がかなり下落していますので、5月以降の株価は、良い値動きというよりも、上昇下降を繰り返しながら、いまいちな展開になってしまいました。
下のチャートは、2017年の日経平均株価の推移です。
5月以降の値動きとしては、6月と7月に5月の高値より、多少値上がりする値動きを見せましたが、基本的に横ばいを保っており、株価が上昇し始めたのは9月中旬からでした。
5月以降、夏場はいまいちな展開になりやすいという点で考えると、なんとなくセルインメイという感じではあると思いますが、6月と7月の方が株価が高いので、「本当にセルインメイ?」とも思えます。
結果的には8月が値下がりしたので、まぁまぁという感じなのでしょうか・・・
下のチャートは2016年の日経平均株価の推移です。
5月の高値を超えるのは10月以降までかかり、夏場はいまいちな相場でした。
つまり、売るタイミングとしてはよかったと言えるのかもしれませんね。
日本でもセルインメイは当てはまる?
それでは、この2016年から2018年の3年間の株価の変動を見たときに、はたして日本でもセルインメイは言えるのかということが問題ですね。
この3年で言えば、2018年と2016年は5月の高値を夏場に超えられず、株価が上向いてくるのが秋頃であるということで考えると、それらしい値動きをしているようにも見えます。
2017年については、8月に株価が値下がりし、9月中旬に再び上昇し始めたということを考えると、セルインメイに見えなくもないのですが、5月よりも6月7月の方が株価が高い日が多いわけですので、ちょっと微妙な気もします。
しかしながら、もう少し遡って2015年を見ると、5月の高値を6月も7月も8月も上回っていますし、8月には世界同時株安が起こり、秋頃にもその影響が残りました。
また2014年では、5月中旬の安値から上昇し、9月末まで基本的には右肩上がりの上昇トレンドを形成しました。
そのように考えると、ここ3年ではそれらしく見えるのですが、その前2年で言うと、セルインメイとは言えないような値動きになっています。
例えば、5月の高値と翌月以降の安値を比べれば、5月の高値の方が株価が上であることが多いわけです。
だからセルインメイは正しく、5月に株を売れというのが成り立つかと言うとそういうことではないと思います。
ある月の高値と翌月以降の安値を比べれば、いろいろな月で高値のほうが株価が上であるという状況が出てくると思います。
例えばここ3年(2016年~2018年)で見ても、7月の高値の方が8月の安値よりも株価は上であるわけです。
そうであるならば、株は7月に売れというようなことが言えるかというと、言えないわけです。
つまり、高値と安値で比べてはいけないということなのでしょう。
買い時・急落・値下がり・安値 関連記事
そうであるならば、平均株価などで比べるしかないのでしょうが、平均株価で見ても、ここ数年で言えば、必ずしも5月の平均株価の方が、夏場の平均株価よりも高いとまでは言えません。
年によってバラバラといった感じです。
まぁ~そんな簡単にアノマリー通りにはならないということなのでしょう。
やっぱり売るタイミングにとって大切なのは、その時のトレンドをいかに見抜けるかということではないでしょうか。