買い時は一番底より二番底や三番底
株式投資をしていると良い時だけではなく悪い時も訪れますよね。
2018年10月に入ってから、日経平均株価は暴落ともいえる大きな値下がりを続けています。
買い方側の投資家にとっては、1日も早く株価が値上がりしてほしいと思っているでしょうし、売り方側の投資家にとっては、この勢いで一気に日経平均株価2万円割れを目標にしているかもしれません。
2015年以降でいうと、2017年だけは割りと順調に株価が上昇していきましたが、それ以外の年ではけっこう大きな下落もあります。
買い方側の投資家にとっては、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)が大幅に下落(暴落)した時に、どのような買い方をするのか、どのタイミングを買い時とするのかというのが悩むところだと思います。
私のこれまでの経験( 浅いかもしれませんけど・・・)で考えると、最初に急落した段階で株を買うというのはあまり良い結果が望めないんじゃないかな~と思うようになってきています。
過去数年間のチャートを見ても、1番底で買うというのはあまりおすすめできないんじゃないのかなーと思っています。
私としては大幅値下がりしたのであれば、一番底ではなく二番底か三番底で購入するのがいいのではないかと思うようになってきました。
本日は、日経平均株価の大幅値下がり時には、一番底ではなく二番底か三番底で購入した方が利益を得られる可能性があるということをテーマに話をしたいと思います。
一番底をおすすめしない理由
先に結論から話をしたいと思いますが、なぜ私が一番底で株を買わない方がいいのではないかと思っているのかと言うと、株を購入する時点では一番底がどこかわかっていない可能性が高いからです。
つまり、値下がりする目途(目標)にするべき価格がわからないからです。
先にチャートを見てもらった方がわかりやすいかもしれませんね。
下のチャートは、2018年9月から10月18日までの日経平均株価の推移です。
2018年10月に入ってから日経平均株価が暴落しているのがわかりますね。
10月2日の高値24448円7銭が、わずか数日間で22261円92銭まで値下がりしてきました。
数日間で2000円以上の大幅値下がりです。
しかしながら、9月7日につけた22172円90銭を割ることはなく、株価が上昇し始めたので、ここが底だろうと思った投資家も多かったと思います。
2018年10月18日時点でのチャートを見ると、とりあえず一番底を打ってある程度まで株価が値上がりし始めるかなと思い、多くの銘柄がかなり値下がりしていたためラッキーだと考え、購入した方も多かったと思います。
実際、7月以降の日経平均株価は安値を切り上げていましたので、その点で考えても10月15日に付けた、22261円92銭をとりあえずの底だと考えやすかったかもしれません。
私もその中の一人といえば一人ですけど・・・
しかしながら現実は甘くありませんでした。
この10月15日が一番底かと思いきや、そこからさらに大きな値下がりになりました。
値下がりの途中で短期的に反発することはよくある
下のチャートは、2018年8月から10月25日までの日経平均株価の推移です。
先ほどの10月15日あたりの株価は、10月25日までで考えると、まだ下落の途中であるということがわかります。
私が一番底で買わない方がいいのではないかという理由は、チャートを見てもらうとわかるとおり、一番底が結果論でしかわからないということが大きいです。
もちろん二番底、三番底も結果論でしかわからないのですが、その意味合いが一番底とはちょっと違います。
これは後ほど説明します。
過去の大幅値下がり時のチャートを見てみても、値下がりしている途中で短期的に反発し、値上がりするということはよくあります。
その値上がりを見て、底を打ったと考えていると、ひどい目にあうことがあります。
そのような値上がりは、本当に一時的なものであり、そこからさらに値下がりしたというのがよくあります。
今回の2018年10月の値下がりパターンもそれですね。
一番底が確定するまで様子見
値下がり時に株を買うと失敗しやすいので、リスクをできるだけ減らすのであれば一番底が確定するまでは様子見が無難なのではないでしょうか。
では、どうやって一番底が確定するのかということですが、その時々で異なるものの過去の経験上、高値から大きく下落し安値で反発すると、半値戻し程度には上昇するというのがよくあるパターンです。
つまり、チャートを見ないと判断できないため結果論でしかわからないということです。
10月15日が、もし一番底であるためには、株価でいうと高値24448円7銭から安値22261円92銭の半値戻しである、23355円程度まで(もちろんもう少し低くてもOKですが・・・)株価が戻れば、一番底だったんじゃないかと言えるのですが、10月17日につけた高値が22959円41銭ですので、この値上がりは一番底を模索する途中での短期的な戻しにすぎなかったと考えています。
そして、この底の模索は、本日2018年10月26日現在でも続いています。
だからこそ、一番底が確定するまでは様子見がいいんじゃないかなと思うようになってきました。
底というのは、結局投資家の合意による面がありますので、高値から下落し安値で反発し、半値戻しすることなく1/3戻しだったとしても、多くの投資家がその価格を一番底だと考えれば、そのポイントが一番底になるわけです。
例えていうなら、下のチャートの22261円92銭が1番底だといえるのかということです。
ネット上では、この22261円92銭を一番底だったといっている記事もありますので、その判断は投資家それぞれで考えるべきでしょう。
まぁ~見方は人それぞれですからね。
このような理由から私は買い方側の投資家であれば、一番底を模索している一時的な反発での購入は避けた方がいいと思います。
やれやれ売りも多い
やれやれ売りも多いことから多少日経平均株価が上がるぐらいでは、大した値幅をとれない可能性もあります。
みなさん保有銘柄が含み損になっていて、やっと株価が上がってくれば「やれやれ」と思いながら売ることがありませんか。
私だったら当然売ります。
含み損でホールドしている人が多いので、個別銘柄の値段を上げるためには相当な買い圧力が必要ですが、大幅値下がり時には買い圧力などほぼなく、売り圧力ですので、株価の上昇にはそれなりの期間を必要とし、短期的に多少戻すことはあっても大きな上昇はかなり難しいです。
もう一つチャートを見ていただきたいと思います。
下のチャートは、2018年1月から5月の日経平均株価のチャートです。
赤丸の一番底から株価が上昇し、青丸まで値上がりしました。
この青丸が2018年1月の高値(緑丸)と安値(赤丸:一番底)のほぼ半値という価格ですので、半値戻ししたといえ一番底が確定したことがわかります。
それでは、この一番底から青丸までの間で株を買うのはどうなのかというと、私としてはあまりおすすめしません。
先ほどと同じになりますが、株価が青丸まで戻してきたことで、一番底が確定しました。
もしかすると、赤丸から少し上昇してすぐに急落する可能性もあったわけです。
そうなると、この一番底は一番底ではなく、値下がりの途中であり、さらに底があるということになるかもしれなかったわけです。
二番底や三番底が購入におすすめな理由
二番底は、一番底を目標に株価が値下がりしていきますので目途にすべき株価がわかりやすいというメリットがあります。
これが最初に言った、二番底や三番底などは一番底と意味合いが違うという理由です。
一番底は目標になる株価の判断が難しいのでデメリットがあるといえます。
もちろん、二番底が一番底より価格が高い場合もあれば、低い場合もありますので、あくまでも一番底近辺ぐらいまでは下がるだろうというレベルでの目標です。
しかしながら、全く目途のない一番底と違って、二番底は一番底という目標があるため、その点だけでもすごく取引がしやすくなります。
もし一番底の値段よりも二番底の値段の方が高ければ、二番底から反発した時点で株を購入するというのは一つの手です。
一番底という目途になる株価があるため、購入後もしすぐに値下がりしたとしても、一番底より株価が下がったら損切りするとかいう判断もしやすくなるというメリットはあります。
しかしながら、高値をブレイクできなければ三番底を確認する可能性も考えていたほうがいいです。
なぜかというと、相当含み損(評価損)になっている投資家が多いため、少しでも株価が値上がりすると、我先にと売ってくる投資家が多いからです。
特に一番底より二番底の株価の方が低ければその傾向は強いです。
複数回底を確認する
2018年1月から5月のチャートを見てください。
ちょっと分かりにくいのですが一番底よりも二番底の方が株価が低いです。
二番底から株価が反発したのですが、株価が大きく上がることはなく、1000円程度上がっているぐらいでしょうか。
二番底からの戻しがトレンド転換に至らなかったため、三番底の確認に来ることになってしまいました。
二番底だろうという予想で株を買っても、値上がり幅はそれほど大きいものではなく、もし二番底だろうと予想していたところが、二番底でなくさらに下落した時の損失の方が大きくなる可能性があるため、一番底よりも二番底の株価の方が下回った場合には、買うタイミングは特に慎重に判断すべきです。
利益を得ようと思っていたにもかかわらず大損してしまう可能性もあります。
他のチャートも同じような傾向を示しています。
下のチャートは、2015年11月から2016年4月の日経平均株価の推移です。
一番底より二番底が低かったため、三番底の確認に来ました。
二番底から三番底までは一ヶ月以上の間を開けています。
下のチャートは、2015年8月から11月の日経平均株価の推移です。
こちらも一番底より二番底の方が低かったため三番底の確認に来ました。
株価の値動きは多くの要因が絡むことから必ずとまでは言えませんが、大きな下落があったときは複数回底を確認に来る可能性が高いということです。
そして1番底より2番底、2番底より3番底からからの上昇のほうが本格的な右肩上がりの上昇トレンドになりやすいのかな~と私としては思っています。
つまり一回の底でトレンド転換するということは、アルファベットでいうV字回復、2回の底でトレンド転換するということは、アルファベットでいうW字回復、三回の底でトレンド転換するということは、アルファベットでいうVVV字回復?、VW字回復?とでもいうのでしょうか。
大幅下落時には買い方側としても、これ以上値下がりしないというしっかりとした価格帯が必要になるため、複数回にわたって値固め(底値の確認)をするということなのではないでしょうか。
損切りの徹底
一番底より二番底が低ければ、三番底が来るだろうなというのは想定していた方がいいですし、二番底より三番底が高ければ、三番底と予想されるところで株を買うのも一つの手です。
二番底という目標になる株価があるため、もし三番底と想定される株価から反発したところで、株を買い値下がりしたとしても、損切りラインを二番底にしておけば大きな損失は防ぎやすくなります。
もし三番底から本格的な右肩上がりの上昇トレンドに転換することができれば、大きな利益を上げることができます。
下のチャートは、2015年11月から2016年4月の日経平均株価の推移です。
一番底より二番底が低く、二番底より三番底が高いという形をしています。
三番底と予想されるところ(結果的に本当の三番底)から反発したところで購入していれば、日経平均株価で2000円程度の上昇があったため、個別銘柄でいうとかなりの利益になったと思います。
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プラスを増やすよりもマイナスを減らす
2018年1月から5月のチャートと2015年8月から11月のチャートは三番底から株価が大きく上昇しています。
チャートの形もすごく似ていますね。
必ず三番底で株価が上昇し始めるということではありませんが、大幅値下がりがあった時には、複数回底を確認に来る可能性が高いですので、一番底より二番底が低ければ特に三番底に気をつけておくというのは暴落時のテクニックでありコツです。
一番底で買おうとすると目標にすべき株価(底値)がわからないため対応が難しいです。
そうであれば一番底を目標の株価にして二番底で買うとか、二番底を目標にして三番底で買うとかいう取引をした方が損失を防ぎやすくなるとともに、利益も得やすいのではないでしょうか。
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例えば三番底まであったとすると、VVV字なので空売りができるとすれば、空売り・買い・空売り・買い・空売り・買いと6回儲かる可能性は確かにあるのですが、あまりにも欲張りすぎると利益を得るどころか失敗するもとになりますので、ほどほどにするのがいいのではないでしょうか。
大幅値下がり時はプラスを増やすことよりも、できるだけマイナスを減らすという行動をとったほうがいいのかな~と思います。
なお、日経平均株価が急落したときに下がりやすい可能性のある銘柄かどうかは基礎知識として知っていたほうがいいと思います。
詳しくは日経平均株価の急落時に値下がりしやすい銘柄かを知る目安の一つとはをご覧ください。
それでは本日のまとめです。
本日のまとめ
- 日経平均株価が急落した最初の段階で株を買うのはあまりおすすめできない
- 一番底ではなく二番底、三番底で購入したほうがいい
- 一番底は値下がりする目途がわかりにくい
- 値下がりしている途中で短期的に反発し、さらに下落することはよくある
- 一番底が確定するまでは様子見が無難
- 二番底や三番底は目標になる株価(一番底)があるのがメリット
- 損切りの判断も必要
- 大幅下落時には複数回にわたって底値の確認があることが多い