逆指値買いは、おすすめできる買い方の一つ
みなさんは株取引で逆指値を使っているでしょうか。
指値や成行を使うことはよくあると思います。
しかしながら、特に初心者の方や投資経験の浅い人などは、あまり逆指値を使っていないのではないでしょうか。
もし、逆指値を使っているとしても買い方側で考えると、株価がパニック売りや狼狽売りなどで、ナイアガラ的な値下がりをした時のために、逆指値の売りで設定していたりする人が多いのではないでしょうか。
しかしながら、逆指値は売り方だけに使えるのではなく、買い方にも非常に有効に使うことができます。
本日は、株を売り買いする時の中でも買うタイミング、つまり逆指値買いを使う方法についてをテーマに話をしたいと思います。
日経平均株価の下落
なぜ、今回この記事を書こうと思ったのかというと、実は一昨日(2018年10月11日)、日経平均株価が今年3番目といわれる下落をしました。
下のチャートは、日経平均株価の2018年6月から10月の推移を表したものです。
2018年10月11日に大きく下落していますよね。
当然多くの銘柄が下落し、その下落率も非常に激しいものでした。
急落したので何かの銘柄を買おうと思い、とりあえず東海カーボンを買うことにしました。
東海カーボンの下落はそこまで激しいものではなかったのですが、総合的に評価して悪くはないなと思ったので購入しました。
逆指値買いの設定し忘れ
下のチャートは、東海カーボンの2018年6月から10月の株価推移です。
残念なことに、他の銘柄をいろいろと見ていて購入する時に逆指値を入れるのをすっかり忘れていましたので備忘録として今回の記事を書くことにしました。
前場で買うつもりはなかったので、後場に買う予定で板やチャートを見ていました。
前場後半が1990円台であり、後場が始まって1980円台まで値下がりしました。
もう少し安くなってから買おうと思っていて、1970円台まで突入するんじゃないかなと思っていましたが、1980円台で上がったり下がったりを繰り返しながらの値動きでしたので、とりあえず様子見をしていました。
もう少し下がるんじゃないかという欲が出てしまい、1980円台で購入できずに結局そのまま上昇して1990円台まで値上がりしてきました。
最終的に私が買ったのは1993円という値段でした。
まぁ~悪い価格ではないんですけど、買った後にしまった!と思ってしまって・・・
あまりにも値下がり銘柄が多くてどの銘柄を買おうかといろいろ検索していたら、 いざ買う段階になって逆指値の買いを入れるのをすっかり忘れていたんですよね~・・・残念!
価格がどこまで値下がりするかというのはだれにもわかりませんよね。
今回の東海カーボンの場合でも、後場に1970円台まで下がるかなと思っていたのですが、もしかすると1980円台から上昇するかもしれないと考えて、1980円台の後半ぐらいに逆指値の買いを入れておけばよかったなあと思いました。
実際1993円で買いましたので、1988円ぐらいに逆指値の買いを入れておけば、500円安く買うことができたということです。
500円ぐらいだったので大きな損失ではないですけど・・・
逆指値買いのやり方
この逆指値の買いは非常に便利でして、今回の東海カーボンでいうと、もし後場に1970円台まで値下がりし、さらに下落が止まらなかったとします。
価格が下がっていくぶんには、例えば「市場価格が1988円以上になれば執行」という注文をいれれば、現在の値段が1988円より低いためこの逆指値の買いは執行されないということです。
つまり、注文している1988円で買ってしまうことはないということです。
価格が1970円台や1960円台まで下がっていけば、そのぶん逆指値の買いを値下げしていけばいいだけですので、株価が下がるとともに、逆指値の買いも下げていくということです。
簡単にいうと、安値(底値)を追いかけていくというやり方です。
株価がどこで反発するかというのはなかなかわかりませんよね。
だからこそ値下がりしていく株価に対して、逆指値の買いを入れて追いかけていけば、けっこういい価格で約定できたりします。
具体的には下の図をご覧ください。
株価が値下がりしている途中で購入すると、さらに下落するリスクがありますので、現在値よりある程度上の価格に逆指値買い(赤丸A)を入れます。
もし株価がさらに値下がりすれば、赤丸Aの注文を訂正または取消して、逆指値買いの執行条件をさらに引き下げます(赤丸B)
株価がある程度下がっていくたびに逆指値買いの値下げを繰り返します。
なお、逆指値の設定価格をいくらにすればいいのかということですが、これは銘柄によって違うので一概にはいえません。
銘柄によっては、出来高も少なく値動きが1ティックずつ動く株もありますし、反対にボラティリティーも大きく値動きが激しければ、一気に5ティック以上や大口の買いが入るような銘柄であれば10ティック以上動く株もありますので、あなたが購入したい銘柄の板の動きをよくみたうえで、どの程度上に設定すればいいのか判断しましょう。
逆指値の執行条件は指値と成行がありますので、どちらを選択するのかによっても少し違ってきます。
執行する値段によっては、指値であればすぐに約定しない可能性もありますが、成り行きであれば基本的にはすぐに約定します。
どちらを選ぶかはあなた次第です。
また、逆指値が執行され約定した後に株価が値下がりする可能性も、もちろんあります。
まぁ~その場合は仕方がないと思うしかありませんが、あなたの損切りラインを下回るような値段になる場合には、大損を避けるために損切りも検討しなければならないのではないでしょうか。
VWAPと逆指値買いを組み合わせる
この逆指値買いは、全ての投資家にとって有効なやり方なのですが、最も役に立つのがデイトレードやスイングトレードで取引している投資家です。
正直なところ、中長期保有をしている投資家にとっては、1ティック 高かったからといってどうということはありませんし、人によっては10ティックや20ティックの 違いでも何とも思わない人もいます。
数ティック安く買おうと思って板に張り付いておくよりも、銘柄選定に時間をかけたほうが結果的に良い成績を残せると思っている投資家も多いからです。
これは投資期間が長いからという理由ですね。
デイトレードやスイングトレードを主な取引としている投資家であれば、VWAP(ブイワップ)を使って取引をしている人も多いのではないでしょうか。
この VWAPに逆指値買いを合わせて使うことで取引をしやすくすることができます。
VWAPとは、出来高加重平均価格のことであり、具体的には売買金額を出来高で加重平均するということです。
このブイワップは多くの証券会社で使うことができると思いますので、あなたが使っている証券会社にVWAPがあるかどうか確認してみてください。
多くのデイトレーダーが使っている指標ですので、非常に役に立つと思います。
VWAPとの組み合わせ方
それでは、この出来高加重平均価格と逆指値買いをどのように組み合わせるのかということですが、具体的には下の図をご覧ください。
株価がブイワップより高い価格を推移していますが、売り圧力が強くなったり、買い圧力が弱くなることで出来高加重平均価格を下回ることもよくあります。
この時に株価が下からVWAPを上抜けることができれば再び買いのトレンドが強くなったということで勢いがつきさらなる上昇の 可能性があります。
しかしながら現時点でVWAPより下にあるのであれば、下落している株を拾うのはかなりリスクを伴うこともあり、この場合はどこで株価が反発するのか判断が難しい面があります。
ある程度のリスクを背負える投資家であれば、VWAPより下にあったとしても株価が反発した時点で購入する人もいるのですが、私としてはできるだけリスクを冒したくないので、逆指値買いを入れて株価が上昇しブイワップをブレイクするのを待っています。
なぜかというと、VWAPより下で反発したとしてもVWAPを超えることなく、そのまま値下がりしていく可能性がありますので、それを避けるために確実にVWAPを超えるのを待ちます。
具体的には下のチャートを簡略化した図をご覧ください。
現在ブイワップが1000円の時に、株価がブイワップを下回って950円で反発したとします。
950円で反発したものの、本当にそのまま値上がりしていくのかどうかはわからない面があります。
VWAPを下回っているということは、売りのエネルギーの方が強いということですので、私であればこの時点では購入しません。
もちろんこの時点で購入して、ここから値上がりしていけば、安値で買うことができるため利益も大きくなるのですが、VWAPを下回っているのでリスクがあります。
この場合であれば、私だったら買いのエネルギーの方が強くなる、VWAPより上の価格で購入します。
VWAPを上回ってくると必ずではありませんが、買いの勢いが強くなってきたと考えられますので、今回の例であれば例えば1005円ぐらい(赤丸A)に逆指値買いを注文しておきます。
つまり、市場価格が1005円を上回った場合に買い注文が発注されるということです。
もしかすると株価がさらに値下がりし、940円や930円まで値下がりするかもしれません。
そうなると、VWAPも1000円から値下がりして行くことになります。
例えばVWAPが980円になれば、逆指値買いの注文を訂正したり取り消したりして、VWAPより少し上の価格、例えば990円ぐらい(赤丸B)に逆指値買いの注文を入れるというようにして、値段が下がればそれをどんどん追っていくようにします。
購入するのは必ずVWAPより上ですので、一般的にいう買いのエネルギーが強くなってからということになります。
設定した価格に届かなければ当然買えないということになりますが、逆にいえば設定した価格まで上昇させるだけの人気がなく、買いの力も弱かったといえるので、買わなくてよかったと考えることもできます。
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あなたの株取引にとって役に立つかもしれない投資方法や取引の知識を書いていますので、気になる方はこちらの投資方法からご覧ください。
損切りの検討は必要
一般的にいえば、株は安く買えた方がいいので990円で買うよりも、930円で買ったほうがいいと思うかもしれませんが、デイトレードの場合はちょっと違います。
デイトレードの場合には、その日に手仕舞いますので、その日に買い圧力の弱い930円で買うよりも、費用は高くつきますが、買い圧力が高くなってから990円で買う方が良い結果につながることも割とよくあります。
また、VWAPを上回ったからといって必ず株価が上昇していくというわけではありませんので、その点は気をつけてください。
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今回の例でいうと、990円で逆指値で買えたとしても再び値下がりし、VWAPを下回る可能性もありますので、損切りは徹底するようにしましょう。
なお、VWAPについて詳しく知りたい方はデイトレードで1日に数万円失って知った利益を得やすい指標とは?をご覧ください。
買い方側で考えると、売買をするときに逆指値は売りで使っている投資家は多いのですが、買いで使っている投資家は売りで使っている投資家よりも少ないのではないでしょうか。
実際にはかなり便利な方法ですので、現在値のどれぐらい上に設定するのかコツをつかんでいただき、指値買い、成行買いと同じように逆指値買いも買いのテクニックの一つと考えて、まずは逆指値買いの基礎知識を学んでみてはいかがでしょうか。
それでは本日のまとめです。
本日のまとめ
- 買い方側にとって逆指値買いは非常におすすめである
- 逆指値買いの条件に合わない限りは執行されない
- 株価が下がるとともに逆指値買いも下げる
- 逆指値は指値か成行を指定する
- どの程度上に設定するかは銘柄の値動きによって異なる
- 大損を避けるために損切りも検討する
- VWAPと合わせて使うことで取引をしやすくする
- VWAPより上の価格に逆指値買いを設定する