プラスもマイナスもリスク
株式投資を行う投資家であればできるだけ投資のリスクは背負いたくないというのが本音ではないでしょうか。
しかしながら、投資であるわけですので元本の保証はなく、場合によっては大きな損失を被ることも当然あるわけです。
だからこそ投資は余裕資金で取引しなければならないということなのでしょう。
そもそも株のリスクと言うと、マイナスなイメージが多いと思いますが、投資においてリスクという言葉は、振れ幅を表す意味で使われることもあるため、プラスになることもマイナスになることも、どちらもリスクであると考える場合もあるようです。
そのような意味で考えれば、リスクが小さいということは、プラスになろうがマイナスになろうが振れ幅が小さいということであり、リスクが大きいということは、プラスになろうがマイナスになろうが振れ幅が大きいということなのではないでしょうか。
とはいえ、一般的にはリスクといえばマイナス側をさす言葉として使っている人が多いと思いますので、今回の記事はマイナス側の意味で使いたいと思います。
本日は、株取引でリスクを減らせる可能性のある投資方法についてをテーマに話をしたいと思います。
長期投資の方がリスクを減らしやすい?
先に結論を書くと、短期投資よりも長期投資の方がリスクを減らしやすい可能性はあるのではないかと思います。
好業績であったり成長性のある銘柄だとしても、短期間で見ると業績などには関係なく値下がりしてしまう可能性はあるわけですので、そのような買値より下がった時に売ってしまうと損が確定してしまうことから、長期投資よりも短期投資の取引は難しいといえるのではないでしょうか。
もちろん、企業業績と株価が必ず比例するわけではありませんが、ある程度の影響はあると考えることができるのではないでしょうか。
保有期間が短ければ短いほど、損切りを徹底する人が多いでしょうから、好調な業績であるにも関わらず、一時的な値下がりで損切りしてしまうことはあるわけです。
株は上昇する場合でも、上げ下げを繰り返しながら推移していくのが一般的です。
しっかりと企業業績や将来性を見た上で購入することで、短期間では値下がりしたとしても、長期保有することでリターンを狙える可能性はあります。
また、長期保有にするメリットとしては、配当金や株主優待などのインカムゲインが得られる銘柄もたくさんあるという点があります。
例えば、配当金利回りが2%だったとします。
10万円の株を購入した場合だと、年間に2000円の配当金が得られることになります。
実際には、売買手数料や税金がかかるわけですが、計算が複雑になるので、今回の記事では手数料と税金については考慮しません。
もし、この株を10年間保有したとすると、年間2000円の配当が10年続いた場合には、配当金だけで2万円を得ていることになります。
そうなると、購入した時点の10万円から株価が値下がりし、8万円になったとしても損失分を配当金で補うことができているわけです。
もし10年後に株価が変わらず、10万円のままだったとしても、すでに配当金を2万円得ているわけですので、その時点で売却したとしても損益としてはプラスになるわけです。
もし企業業績が当初見込んだ通りに上向いてくれば、株の値段も上昇する可能性がありますし、配当金も好調な業績に応じて増配の可能性もあります。
もちろん投資ですのでそうはならない場合もあり、株価が値下がりし、業績が悪く減配や場合によっては無配になる可能性もありますので、長期投資をしたからといって絶対に損益がプラスになるということは言えませんので、その点は気をつけておかなければなりません。
ただし、短期投資を繰り返すと売買金額によっては、手数料がかさみますので、その分については違いが出る可能性は高いです。
また、経済活動は成長を目指す方向に進むのが一般的であると言われますので、その点で考えても長期投資の方がリスクは小さいのかもしれません。
さらに、精神的なリスクを考えても、長期投資の方が良い面が多いのではないでしょうか。
短期的に値下がりしようが、長期保有することを前提にしているため、それほど精神的な負担を感じにくいかもしれません。
また、一般的には長期投資の方が短期投資よりも損益がプラスになりやすいとも言われています。
もちろん、私自身でそのような統計を取ったことはありませんので、断言はできませんが、一般的にはそのように言われているようです・・・
では、長期投資の期間としてはどれぐらいがいいのかというと、これは人それぞれですし、含み益なのか含み損なのか、含み損だとしても配当金や株主優待を考えればプラスなのかによっても違います。
これは私の感覚的なものですが、長期投資ですので、少なくとも5年や10年以上保有している人が多いのではないでしょうか。
だからといって、長く持てばいいということでもなく、いずれ売却するのであれば、利益が乗っている段階で売ることも当然考えなければなりません。
これは非常に重要なことですが、なぜそう思うのかについては長期保有は意外と難しいのが有名企業の月足チャートを見るとわかるに詳しく書いていますのでよかったらご覧ください。
長期投資と短期投資を組み合わせる
長期投資について話をしてきましたが、短期投資にメリットがないわけではありません。
短期投資には長期投資にはない、短期間で利益を得られる可能性があるというメリットがあります。
リスクを減らすことを考えながらリターンを狙うことも考えるのであれば、長期投資と短期投資を組み合わせた投資方法で取引するのも一つの手法だと思います。
具体的には、長期投資で保有する銘柄を選定します。
その銘柄を購入し、もし短期間で株価が想定以上に値上がりした場合には、利益確定売りで売却します。
つまり、長期保有することを考えていたものの、短期的に株価が想定以上に上昇したため、短期保有に切り替えて売るということです。
これは、株価の短期間での値動きの振れ幅を利用するということです。
短期間で値上がりした株は、短期間で値下がりしやすいので、本来は長期投資で考えていた銘柄であることから、売却益を得た後で、改めてその銘柄を購入する意思があれば買えばいいわけです。
もしかすると、短期保有に切り替えて売却した後に、さらに値上がりしてしまう可能性もあります。
そうなると、短期間で売って損した、やっぱり長期投資で保有しておけばよかったと思うかもしれません。
しかしながら、利益を得ているわけですので、損をしているわけではありません。
長期投資としては、その銘柄に縁がなかったと思って、次の銘柄に切り替えた方がいいと思います。
むしろ、そのような値上がりをする銘柄選びができたわけですので、ポジティブに捉えることもできるのではないでしょうか。
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基本的には長期投資で考えながら、自分が納得できる利益が出ている場合には、短期投資に切り替えて取引するということで、リスクを抑えながら、リターンも狙いやすくなる可能性があります。
どのような取引をするにしてもメリット・デメリットはありますので、自分の中でメリットとデメリット、リスクとリターンを総合的に判断してどのような取引をするのか検討してみてはいかがでしょうか。