狼狽売り・パニック売り・ナイアガラが起こる理由
今回も初心者が陥りやすい投資の罠について話をしてみたいと思います。
これまでの私のブログを読んでいただいている方は、私が初心者の頃いろいろな失敗をしてきたというのが既にわかっているかもしれませんが、実は今回話をする狼狽売りについては、私はあまり引っかかったことがありません。
なぜかというと私は保有している現物株を買い増したいからからもう少し値下がりしてくれないかなぁ~と思ったりすることがあるので、株価が下落することについてそこまでリスクを感じにくいのかもしれません。
周りからはちょっと変わっているといわれたりもしますが、これに引っかかる人は結構いるようですので、今回はこの狼狽売りをテーマに書いてみたいと思います。
下の図はチャートを簡略化したものですが、A地点からB地点まで順調に株価が上昇しているとします。
このようなチャートの場合、この間に良い 材料のIR (投資家向け広報)が出たり業績などが良かったりして値上がりしているのですが、そのような、株価にとって良い状況であるにも関わらず、ある日突然急激に株価が値下がりすることがあります。
図を見てもらうとわかるように、A地点からB地点まで上昇するのにかかった期間と比べるとB地点からC地点まで下降するのにかかった期間は短期間です。
これは私が作った図ではありますが、チャートを見ていても、数日かけて上がった株価が、それより短期間で急落することは割とあります。
何らかの悪い材料が出た場合などは、これまで株価が急激に上がっていればいるほど、その下落の仕方も急激になりやすいです。
悪い材料が出たのであれば、下落するのもわかりやすいのですが、特に材料も出ていないのに大陰線のような強烈な下落になることもあります。
これは、逆指値売りを設定していることや、投資家の握力などの影響によって、次から次に売りの連鎖が起こったりすることによって生じることもあります。
例えば、購入した株の値段が1000円になるまでは耐えられる握力の保有者がいたとしても、株価が1000円より下がれば、この人は仕方なく売ってしまうことになります。
この人が売却してしまうことでさらに株価が下がり、握力が998円までの人がいたとしても、その人もまた売却してしまうことになります。
さらに株価が下がって995円になればその価格で売りの逆指値を入れていた投資家の売却も執行されるため、握力が995円の人も売却してしまうことになっていくわけです。
つまり、次から次に売りが出て、売りが売りを呼ぶ悪循環になり、株価が急激に下落するので保有している投資家が早く現金化しないと、さらに下落して損失が膨らみ大損するという心理になりパニック的に売却していく状態になります。
こうなると値動きが下方向に動きやすくなり、狼狽売りやパニック売り、ナイアガラなどといわれる状況になります。
テクニカルとしては短期的に急激な下降トレンドになっている可能性もあり、買い方が多少いるぐらいでは値上がりすることが難しい場合もあります。
そうなると、評価額はあっという間に下がり、最悪の場合はマイナスになります。
急激な値下がりに対処するための5つの方法
それではこの狼狽売り、パニック売りに引っかからないために個人投資家はどのような対策を立てればいいのかというと実は難しい対策は必要ありません。
これから狼狽売りしないための対策を5つ紹介したいと思います。
1つ目は、精神論なのですが狼狽しないパニックにならないということです。
株は上がりもすれば下がりもするわけですので下落した場合に「ドキッ!」とするのは分かるのですが、とりあえずその状況を冷静に見て、まずは深呼吸をして落ち着くということです。
最初は精神論です。
精神論で心を落ち着かせた後に 技術的な行動に移っていくことになります。
2つ目は、その企業のホームページを見てIR(投資家向け広報)を確認することです。
あなたが保有している銘柄の価格が落ちているのであれば、会社から何らかのよくない発表があった可能性がありますので、まずはこの情報を見るのが優先です。
もし値下がりする材料になりそうなIRが何も発表されていなくて、ファンダメンタルズにも変化がないのであれば次の行動に移ります。
3つ目は、その銘柄の掲示板を見るということです。
自分ではその銘柄が下落する理由を見つけられなかったとしても、その銘柄を保有している他の投資家が何らかの情報を知っている場合もありますので、掲示板などで確認してみることが良いです。
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そこでも何の情報も得られなかった場合は次の確認をします。
4つ目は、あなたの保有銘柄の同業他社の株価を確認してみることです。
具体的には、もし自動車株を保有し運用しているのであれば、他の自動車株の株価を確認し、銀行株を保有し運用しているのであれば他の銀行株の株価を確認してみるということです。
これはどういうことかというと、あなたが保有している企業の銘柄にマイナス的な要因はなくても、その業種に影響の大きい株にマイナスな材料があるなどして株価が値下がりしたり、同業種の他の銘柄が何らかの原因で下落したことで、同業種であることから「連れ安(つれ安)」により株価に影響が出たということも考えられるからです。
もし同業種も特に下落していなかったり下落する原因がないのであれば次の確認をします。
5つ目は、日経平均株価(日経225)と東証株価指数(TOPIX)を確認してみることです。
これは、あなたが保有している銘柄がどうということではなくて、政治問題や地政学的な問題などの要因によって全体の相場環境が一時的に下降トレンドになっている 可能性があるからです。
もしもあなたが日経225銘柄を保有しているのであれば、日経平均株価を確認する方がいいですし、それ以外の銘柄であれば東証株価指数(TOPIX)を確認するのが良いのではないでしょうか。
急激な値下がり後に元の株価以上になることもよくある
株式投資を始めた初心者に多いのですが、株取引をするにあたって自分が保有している銘柄しか確認しないで売買する人たちがいます。
それだと本当は売らなくてもいいような場合でも、狼狽売りや パニック売りをしてしまう可能性が高くなりますので、自分が保有している銘柄以外も確認しておくというのは大切なことです。
簡単に損切りするのではなく、まずは落ち着くというのが最も大切です。
落ち着いた後、上に書いたような方法で確認をしていけばメリットが大きいですし、この仕掛けに引っかかることはそう多くないはずです。
もちろん会社のIRを見て悪い情報が出ていたり、今後の業績見通しが悪くなり早期に売ったほうがリスクが小さいということであれば確認できた時点で速やかに売るということもまた必要なことです。
しかしながら、急激な値下がり後に結果的に元の株価まで戻ってくることやそれ以上に値上がりすることもよくあることですので何も確認しない段階で株価が下落しているから早く売らなきゃいけないという考えだけは持たないようにしましょう。
勝ち方や必勝法(あるとは思えませんが・・・)の基礎知識も必要ですが、負けにくい方法、リスクを避ける方法を知っておくことや情報の探し方も株を売り買いするうえでは同じように大事なことです。
特にあまり人気がなく注目されていないような銘柄(出来高が少ない)は流動性が低いので、値上がりするときには一気に値上がりし、儲かる可能性のある狙い目の一つではあるのですが、狼狽売りのようなナイアガラが起こると流動性の高い銘柄より、はるかに下落する値幅が大きくなり、売るタイミングの判断が難しく、安い価格でしか売ることができなくなる可能性もありますのでその点は注意が必要です。
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まず落ち着いて、次に確認してから売却するなり、そのまま持ち続ける(放置)か判断することが大きな損失を防ぐためのおすすめのテクニックです。
ナイアガラのような急落は前触れもなく突然やってきますので、特に初心者の人は保有銘柄がこのような急落にあったときの対処のやり方を学ぶために事前に掲示板やブログ、サイトなどからためになるツールを探して、必要な情報を検索する練習をするとともに、チャートや板の見方に早く慣れておくことが利益を増やすコツであり儲かることにつながります。
未来にわたって楽しい株式投資をするためにもパニックになって狼狽売りをしないようにしましょう。
本日のまとめ
- 株価が値下がりしても冷静になり狼狽しない、パニックにならないこと
- 企業のIR情報を確認する
- 保有銘柄の掲示板などの情報を確認する
- 同業他社の株価を確認する
- 日経平均株価と東証株価指数を確認する
- 自分が保有する銘柄だけでなく相場全体的な動きも確認しておく
- 急激な値下がり後に元の株価以上に値上がりすることもあり得る
- 流動性の低い銘柄はハイリスクハイリターンであるので注意が必要