逆張りとは
今日も前回に引き続きどのような手法で株を買うかというのがテーマです。
前回お伝えしたとおり株の投資方法には大きくわけると順張りと逆張り、それからボックス相場があるのですが、今回は逆張りについて話をしたいと思います。
基本的に日本人は順張り投資よりも逆張り投資をしている人が多いということのようですので、これまでこの手法で取引していた人も再確認の意味でご覧いただけるとうれしいです。
このやり方にもいつものようにメリットデメリットがありますので是非それを理解した上で取引していただきたいと思います。
まずは右肩下がりの下降トレンドの見方について説明します。
下のチャートを簡略化した図をご覧ください。
青色線は株価のチャートを示しているとします。
図を見てわかるとおり短期間で見ると値下がりしたり値上がりしたりしていますが、ある程度の長期間で見ると全体的に灰色の矢印が示すように右肩下がりの下降トレンドであることがわかると思います。
右肩下がりの下降トレンドの確認方法として、まずわかりやすいのは見た目です。
前回話をしたとおり、見た目でわかるというのは右肩上がりの上昇トレンドも同じですよね。
まぁ~見た目だけでもわかるのですが、上値と下値の値動きから確認することもできます。
つまり上値1>上値2>上値3>上値4となり、上値1~上値4は徐々に値段が下がっていますよね。
同様に下値1>下値2>下値3>下値4となり、下値1~下値4も徐々に値段が下がっていますよね。
このように上値も下値もともに株価が切り下がるチャートが右肩下がりの下降トレンドであり、そのトレンドの転換を狙い目とした取引をするのが逆張りです。
つまり相場のトレンドに逆らった投資方法といえます。
なお、上げ相場の時に売るのも逆張りですが、それはまた別の機会のテーマにしたいと思います。
逆張りのメリット
逆張りのメリットは購入価格が順張りと比べると安いということです。
逆張りですので右肩下がりの下降トレンドの時に買うので、どんどん株価は値下がりします。
その下がった価格で買うので安い価格帯で株を仕込むことができるということです。
またうまく株価が上昇する転換点を捉えられなかった場合さらに株価が下落(特に流動性が低く出来高が少ない場合は激しい)しますので、もし買い増しをする場合には平均取得単価を下げることができるメリットもあります。
具体的には、1000円(100株購入)で株価が上昇に転じると予想していたもののそれが外れて900円になった場合に、買い増しのメリットとしては、単価でいうと当初は1000円が900円に下落したので100円の含み損(評価損)×100株ですが、さらに安い価格で購入できるため900円の時に100株を買い増しした結果、1000円と900円の平均取得単価である950円で200株を保有していることになります。
つまり単価でいうと50円の含み損(評価損)×200株になることから、全体の評価額(この場合1万円の含み損)は変わらなくても、現在の株価900円との差が買い増し前は100円だったものが50円差になることで株価としてのマイナスを小さくすることができます。
また下降トレンドであるため、現物で転換を狙う以外にも信用売り(空売り)で利益を得ようとしている投資家が多いため、かなり多くの信用売り残がある銘柄も多く、うまく株価が上昇する転換点を捉えることができれば、空売りをしていた投資家たちの踏み上げ相場が始まり短期間で株価が一気に上昇することもあるため、上昇トレンドよりも急激な値上がりになる可能性もあります。
実は数ヶ月前、私が逆張りで購入しようと注目していた狙い目の銘柄があったのですが、その当時の株価が700円程度で買いやすい価格帯だったので購入するか悩んだのですが、結局その時は購入しませんでした。
その銘柄は信用売り残が多いため大きく上がる可能性はあるんだけどなーと思いながら、2ヶ月半ほど経った現在の株価が950円程度になっていますので、この2ヶ月半ぐらいの間で株価が40%弱上昇したことになります。
あの時買ってればよかったなぁ~失敗した~と、あとから一瞬悔やむのですが、悔やんだとしても過去に戻ることができませんのでいい勉強をしたと思って、これからも総合的に判断した上で上昇する可能性が高いと思えば、次こそは購入したいと思います。
このように逆張りの場合は上手くいけば短期間で、空売りをしている投資家の損失覚悟の踏み上げ相場になることもありますので、大儲けの可能性も夢ではありません。
その銘柄の本来の価格より売られすぎている面もありますので、順張りとは反対に逆張りの場合は株価を大きく上げるポテンシャルがあるといえます。
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逆張りのデメリット
もちろんメリットばかりだけでなく当然デメリットもあります。
逆張りの最大のデメリットは買い増ししながら平均取得単価をどんどん下げていき、保有株数を増やしたとしても売り方の下げ圧力が買い方の上げ圧力以上に強い場合にはさらに下降しますので、テクニカル的に短期的な調整での上昇はあってもトレンドを変えるほどに株価が上昇することがなければ、長期的な塩漬け状態になるか最悪の場合は下手なナンピンで損失が大きく膨らみ大損になり、損切りしなければならないことになります。
そもそも右肩下がりの下降トレンドであることから、その銘柄はさらに下落すると考えている投資家が多いので売られているのだと考えると、その銘柄が再度上昇するには相当なエネルギーが必要になりますし、転換点をうまく捉えるというのはなかなか難しいといえます。
株価が割安だと思って買ったものの上昇しない場合にはストレスにもなりますし、精神的に耐えられない人もいますので負担に感じるようであれば早い段階で損切りし現金化することも考えなければなりません。
株の値上がり値下がりは短期的、中期的、長期的にサイクルがありますので購入資金に余裕があるのであれば銘柄によっては配当金や株主優待をもらえればいいやという考えで安い価格で仕込み、中長期保有で利益をあげられればいいという考えで持ち続ける(放置する)ことができれば利益も出やすいと思います。
短期的な利益を狙うのであれば右肩下がりの下降トレンドではなくても決算発表後やよくない材料のIR(投資家向け広報)でファンダメンタルズが悪くなり一時的にアルゴリズムを絡めた自動売りなどでナイアガラ的な狼狽売りやパニック売りがあった場合に急激な値下がりをすることがありますので、そのような下げ過ぎた価格帯をピンポイントで狙っていくというのもひとつの逆張りのコツではあります。
ただしこの場合にも、その後この銘柄が確実に上がるという裏付けが必要ですので、買い時と売り時はそれなりの投資経験と基礎知識がないとその判断も難しいですし、初心者にとってはなかなかわからない部分だと思いますので逆張りについては、初心者にとってリスクが多いことから私としては積極的におすすめできる簡単な勝ち方とはあまり思えません。
相場の流れに逆らった投資方法を使いこなせるようになるのは相当難しいと思いますが、あなたが逆張りに向く投資家かどうかは実際にやってみないとわからないわけです。
もちろん投資経験がある人であれば狙う価値のあるやり方ではあると思います。
日本人の多くが逆張りをしていることから人気の取引であることは間違いないので、この取引を始めることを検討している人はブログやサイトなどの情報から、いいやり方をさらに探し是非安い価格帯の銘柄で売り買いの練習をしてテクニックを磨いたうえで、自分にとってメリットとデメリットのどちらが大きいのか、また、運用方法の一つとして使えるのか確認してください。
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自分なりの必勝法を見つけられれば株式投資も非常に楽しいと思いますので、いろいろと研究してみるといいのではないでしょうか。
なお、儲かることも大事ですが予想が外れて大損しないためにも短期投資で逆張りをするのであれば中長期投資よりも損切りのラインはしっかりとしたルールを持っておくことをおすすめします。
この逆張りは、理想的には短期保有よりも中長期保有の方が向いている投資方法だと思います。
中長期投資で考えていて、もし短期的に株価が上昇したときには企業の業績や相場環境等を考慮したうえで、利益確定売りを行うかさらに保有し続けるかの検討をすればいいのではないでしょうか。
本日のまとめ
- 日本人は逆張り投資家が多い
- 相場のトレンドに逆らった投資が逆張り投資
- 逆張りは安い価格で株を仕込める
- 逆張りは買い増しすることで平均取得単価を下げることができる
- 空売りの踏み上げ相場も期待できる
- 下手なナンピンで損失が膨らみ大損の可能性もある
- 短期保有よりも中長期保有に向く
- 短期の場合は特に損切りの明確なルールが必要