短期投資とは
短期投資の期間については、本やブログ・サイトなどによってその投資期間がどれぐらいを指すのかというのはバラバラであり明確な基準はないのですが、今回は2、3ヶ月ぐらいの短期投資をテーマに話をしたいと思います。
私はこの2、3ヶ月ぐらいの短期投資をよく使う取引手法としています。
なぜ、この2、3ヶ月ぐらいの短期投資をよく使うのかというと、それは決算をうまく利用することでこの取引が利益を出しやすいからです。
決算は1Q(第1四半期)・2Q(中間決算、第2四半期)・3Q(第3四半期)・4Q(本決算、第4四半期)と3か月ごとに行われます。
これを有効利用することで短期投資は非常に利益を出しやすくなります。
いくら2、3ヶ月で取引しようと思っても、買うタイミングを何も考えずに購入したとしてもなかなか儲かることはできません。
具体的に決算を絡めて取引をする方法を説明したいと思います。
決算後株価が上昇した場合
簡単にいうと決算後には大きく分けると株価が、「値上がりする」、「変わらない」、「値下がりする」の3つのパターンのどれかになります。
今回狙い目とするのは株価が値上がりした銘柄と値下がりした銘柄です。
株価が値上がりした銘柄というのは決算内容がよく、ファンダメンタルズが良好であるため価格が上昇したというのが想像できます。
青色線が株価の推移を表しているチャートを簡略化した下の図をご覧ください。
決算前は株価が小刻みに上下を繰り返していますが、決算内容が良かったため決算発表後急激に株価が上昇しています。
2、3ヶ月程度の短期投資の買い時はこのように株価が急上昇しているタイミングではありません。
株価が急上昇した後、そこから一旦利益確定売りに押されて値下がりすることが多いことに気を付けなければなりません。
株価の底で買うのは難しいので、短期的に急落して値幅調整をした後に反転し再度上昇するタイミング、つまり図の赤丸あたりで買うと利益を出しやすいです。
決算内容が好業績であったことから株価が値下がりしたとしても、下がったところで購入しようと思っている投資家は多いため、短期的な底を打つとそこから再び右肩上がりの上昇トレンドに乗って行く銘柄をよく見ます。
決算後に急上昇したタイミングでは、機関投資家や大口投資家、ヘッジファンド、外資などが好業績な銘柄を安い価格で多く集めたいことから売りを仕掛けて強引に値下がりさせることがありますので、急上昇中には高値掴みにならないようにすぐに飛びつかないことが大切です。
本当にみんなが注目している買いたい銘柄であれば、一度下がったとしても再び上がってきますのでそこを狙い目にすべきです。
もし決算発表後に株価が下がることなくずっと上がり続けていく場合、すでに相当上がっているのであればその時点からの購入は「ハシゴ」を外されてしまって急落し大きな含み損から損切りもあり得るため手を出さないことが無難です。
儲かることは大切ですが、それ以上に大損するかもしれないようなリスクを回避することのほうがもっと大切です。
こちらの記事もどうぞ
こちらの記事もどうぞ
あなたの株取引にとって役に立つかもしれない投資方法や取引の知識を書いていますので、気になる方はこちらの投資方法からご覧ください。
決算後株価が下落した場合
2、3ヶ月程度の短期投資での狙い目のもう一つは決算発表後に値下がりしている銘柄です。
これは業績が悪いから価格が下落しているという銘柄もあるのですが、実は好業績なのに売り込まれてしまって値段が下がっている銘柄も結構多いです。
なぜ好業績なのに売り込まれるのかというと、それは先ほどと同じで機関投資家や大口投資家、ヘッジファンド、外資などが短期や中期投資で利益が取れるという予想が立ったため、できるだけ安い価格帯で株を保有したいので空売りなども含めてなんとか価格を下げさせようとしていることなどが理由です。
ここで握力のない投資家などは、こんなに決算内容がいいのに株価が値下がりするんだったら、こんな銘柄持っておいても意味がないと思い、失望売りに繋がってしまい、場合によっては狼狽売り・パニック売りになりナイアガラ的に株価が下がることもあります。
青色線が価格の推移を表しているチャートを簡略化した下の図をご覧下さい。
決算発表前は上がったり下がったりを繰り返していますが、決算発表後で急落しています。
とはいえ、業績が良い場合には数日間で株価の下落が下げ止まり、そこからは再度上昇に転じることも多いです。
株価の底で購入することは極めて難しいので、狙い目としては図の赤丸の部分です。
株価が急落した段階で売ってしまった投資家は再度上昇したときに悔やむことになりますので、決算発表後に株価が値下がりしている場合には、なぜその銘柄が下落しているのか、その理由を知るというのは大変重要なことです。
何もないのに値下がりしているということは誰かが意図的に売っている可能性がありますので、その戦略に乗ってしまわないように注意した取引をする必要があります。
なお、気を付けてもらいたいのは、あくまでも好業績であったもののコンセンサスを下回り売り込まれた銘柄を狙うのであって、企業が発表するIRの決算短信で業績がそもそも悪く値下がりした銘柄を狙うのではありませんので注意してください。
また、決算発表後の株価にはコンセンサスが非常に大きな影響をもたらします、詳しくはコンセンサスとは?決算発表の業績が良いのに株価が値下がりする理由をご覧ください。
今話をした2つのパターンで購入した場合に2、3ヶ月程度の短期投資であれば売り時は一体いつになるのかというのが問題ですが、売るタイミングも決算発表を利用して取引することになります。
私が思う2、3ヶ月程度の短期投資であれば売り買いはどの銘柄であっても、基本的には決算から決算で考えるということです。
この2パターンで購入してその銘柄の次の決算までに必ず売却するということです。
もちろん持ち続ければさらに上がる可能性もありますが、反対に下がる可能性もありますので発表前にはこれぐらいの期間の短期投資であれば売ることが大切だと思います。
なぜかというと発表内容が良かったため購入されているので、少なくともその3ヶ月間については上がったり下がったりはあるものの大きな目で捉えると上昇トレンドを維持できる可能性が高いと期待できるからです。
未来のことはわかりませんからね。
だからこそ2、3ヶ月程度の短期投資であれば、その期間で売り買いを済ませることが大切ですし、そうすることで利益を取りやすくなります。
大儲けはできないかもしれませんが、地合いが悪くない限り大きな損失が出るような取引になることはそれほど多くはないのではないでしょうか。
ただし注意してもらいたいのは、その銘柄のこれまでのチャートの動きです。
例えば、直近数ヶ月間にわたって株価が下降している場合には発表内容が良く株価が上昇して行く場合でも、相当多くの「やれやれ売り」が出てきますので、価格の頭が押さえつけられてなかなか上昇しない可能性もあります。
このやれやれ売りは、もし1、2ヶ月前が現在の価格より高かったすると株価が上昇していく過程で、やれやれと思って売って来る人たちがいるわけですが、その当時の出来高より現在の出来高の方が多く、そのやれやれ売りを吸収しながら上昇するだけの力があれば特に問題にはなりません。
こちらの記事もどうぞ
この2パターンでも株価が下落することはあるわけですが、それはこの短期投資のデメリットやリスクということではなく、どのような投資であっても値動きが下降トレンドにはならないまでも、値下がりすることはありますので、この取引の場合はデメリットよりもメリットのほうが大きいと個人的には感じていますので、初心者でもそれほど難しい取引だとは思いません。
短期的に好業績の銘柄のトレンドに乗って運用していくということです。
この短期投資をする場合には 決算内容とともに、やれやれ売りがどの程度でるか予想するため最低半年できれば1年程度の株価のチャートを見て取引方針の決定をすることをおすすめします。
うまく株価のトレンドに乗っていくことができれば、このやり方は非常にメリットが大きいです。
その場になってから注目銘柄を検索するのではなく、前もって狙い目の株を探しておくことがコツですので、このやり方があなたに合うか検討してみてはいかがでしょうか。
なお、小さい利益でもいいのでもっと短期間での取引をしたいという人もいるかもしれません、銘柄によってできるできないはありますが、詳しく知りたい方は株を決算前に購入せず決算発表の時間を利用して取引し利益を狙う方法をご覧ください。
それでは本日のまとめです。
本日のまとめ
- 短期投資は決算を利用することで利益を出しやすい
- 短期投資は決算発表で値上がりした銘柄と値下がりした銘柄が狙い目
- 値上がりした銘柄は短期的に急落して再度上昇する時を狙う
- 好業績なのに売り込まれている銘柄もある
- 値下がりした銘柄は下落が止まり再度上昇した時を狙う
- 2,3ヶ月の短期投資は次の決算までに売却する
- どの程度のやれやれ売りが出るのか予想することが大切
- 前もって狙い目の株は探しておくことが大切