決算前と決算後のどちらで株を売る?
株式投資において決算前に株を売るのか決算後に株を売るのかというのは重要なポイントの一つです。
つまり、決算の持ち越しをするかどうかということですね。
デイトレードやスイングトレードなどのような短期売買での取引であれば特に意識しないことの方が多いと思いますが、数ヶ月単位での保有であれば注意しておかなければならないポイントの一つです。
長期保有を考えている人については、デイトレーダーやスイングトレーダーと同じように、それほど意識しないかもしれません。
長期投資する人にとっては、長い期間の中での一つのイベントに過ぎませんから。
さて、決算またぎを一番意識しておかなければならない人たちは、数ヶ月単位での売り買いを考えている人たちだと思います。
このような投資家は、ある程度のプラスになったら利益確定売りを考えるわけですので、長期保有の投資家とはちょっと考えが違います。
つまり、決算内容が投資家にとって好ましいものであれば株価が上昇するでしょうから、そのまま持ち続ける選択をするでしょうし、決算内容が投資家にとって良くなければ価格が下がるわけですので、早めに売却したいと考えるのが一般的ではないでしょうか。
しかしながら、決算が発表されるまでどういった内容であるかは分からないわけですので、悩むことになります。
決算前に株を買うかそれとも売るか
決算発表の日の株価チャートを見ていると大引けにかけて独特な値動きをすることもあります。
決算前に株を買う、つまり決算狙いの人もいます。
決算発表内容に期待する投資家がいることで、決算前に株価が上がることもあれば、逆に売るタイミングを決算前にする人もいます。
安全策を考えて決算発表の持ち越しをせずに売りに出す人が多いと、大きな売りが出て出来高の少ない銘柄によっては一気に急落することもあります。
そうなると、決算発表前に株価が下がることになります。
これは投資家の方針次第とも言えますね。
決算またぎをするかどうかの私の考え
決算発表を持ち越すか持ち越さないのかは、投資家にとっての悩みの一つですが、私のやり方についてお話ししたいと思います。
基本的に私は、ある程度の期間ホールドする予定であれば、当然決算またぎになるため持ち越しになりますが、数ヶ月程度の売買で考えているのであれば、基本的には決算前に売却する選択をします。
しっかりと利確し、損失を出さないという狙いです。
利益を出すということはどんなに少額であれ、その売り買いに対しては失敗ではないわけですからね。
しかしながら決算前の売りは、「基本的には」ということであって、絶対にというわけではありません。
条件によっては決算発表をまたいで保有することもあります。
先日、私が保有していた銘柄も決算発表を迎えました。
この銘柄は2Q(第2四半期)が非常に好業績で今回は3Q(第3四半期)でした。
2Q(第2四半期)が好業績だったので、今回も良い決算発表になるだろうと思って持ち越したのかと言うと、そういうことではありません。
決算後の株価が上がるか下がるかは、好業績かどうかというのとは直接的な関係性はないと思っています。
なぜなら、前期の進捗と比べて進捗率が良かったり、売上高や利益が良かったとしても、決算発表によって株価が下落することは当たり前のようにあるからです。
逆に、前年同期比で業績が悪いのに、株価が上昇することもあります。
なぜこうなるのかと言うと、私の中で決算発表によって株価が上昇するのか下降するのかというのは、投資家に対してのサプライズがあるのかどうかにかかっていると思うからです。
決算後の株価の下落に耐えられる含み益があるかどうか
銘柄によって非常に重要になってくるのはコンセンサスですね。
いくら業績が良い結果だったとしても、すでにその業績が織り込み済みになっている場合もありますので、そうなってしまうと良いも悪いも投資家にとってサプライズにならない可能性があるわけです。
そのようなことから、決算跨ぎはコンセンサスを理解しておく必要があるのではないかと思います。
コンセンサスについてはこちらに書いていますので、詳しくはコンセンサスとは?決算発表の業績が良いのに株価が値下がりする理由をご覧下さい。
さて、そのようなことから、今回私が持ち越した理由としては、3Q(第三四半期)も業績が良いだろうという理由からではありません。
ある程度は上方修正のタイミングなのではないかと思っていましたが、上方修正銘柄へ投資しようという意味ではありません。
それではなぜ私が決算発表をまたいだのかと言うと、理由としては実は簡単です。
それは決算前に含み益があったからです。
私の中で、決算発表を跨ぐかどうかの重要なポイントの一つが含み益であるかどうかです。
例えば、購入株価が1000円の時に、決算発表直前の株価が1030円だったとしたら、含み益ですよね。
そうであれば、発表まで持ち越すのかと言うと、そういうことではありません。
私の中での、「含み益であれば持ち越す」という考え方は、決算発表によって株価がある程度大きな急落があったとしても、含み益になっているということが条件です。
先ほどの例であれば、3%の含み益ですので、この程度のプラスであれば発表内容が投資家にとってマイナスの影響を与えるようなものであれば、決算後にあっという間に含み損になることもあります。
重要なことは、下がったとしても含み益をキープできているということです。
どの程度の含み益が必要?
それでは、下がった場合でもプラスをキープすることができる含み益とは一体どれぐらいかということになりますね。
残念ながら、これは銘柄によって違います。
出来高によっても大きく変わってきますので、一概にどの程度の含み益ということは言えませんが、私としては一つの目安として、10%程度の含み益を考えています。
5%程度だとちょっと不安ですね。
もちろんストップ安になるような決算であれば、10%でも含み損になるでしょうが・・・
ちなみに、先日私が持ち越した銘柄で言えば、その時点で12%弱の含み益がありましたので、もし大きな下落になったとしても、ザラ場中になんとかプラスで売却はできるだろうと思って持ち越すことにしました。
さて、結果的にどうだったのかと言うと、決算発表は非常に良い内容(上方修正)であり、持ち越して正解だったということになります。
もちろんこれは結果論でしか分からないことですので、まぁ~運が良かったということです。
今回は発表内容が良かったため株価が値上がりしたわけですが、場合によっては値下がりするリスクもあるわけです。
決算後に売却するか持ち続けるか
決算発表の持ち越しに耐えられるだけの含み益があれば、基本的には二つの選択肢を取ることができると思います。
一つは、決算後に株価が下がった時点で、含み益のまま売却するということです。
とりあえず利益を確保しようとするやり方ですね。
場合によっては、寄り付いてから大きく値下がりする可能性もあるので、始値で売る選択肢もありますし、寄り付いてからの値動きを見て売却する判断もあるかもしれません。
もう一つの選択肢としては、株価が値下がりしても、一定の含み益が残っているのであれば、そのまま持ち続けるというパターンです。
これは、例えばコンセンサスに未達などの理由で急落した場合によくあるパターンですが、コンセンサスに未達ではあるものの、決算発表の実際の数字で見ると、前期と比べて非常に良いものであることも多いです。
そのような場合には、銘柄によっては決算後の最初の取引やその後数日間が株価の底であり、再び上昇していくこともあります。
購入したい人が多い場合には、始値が底値である場合もけっこうあります。
もし下落したとしても、そのような値動きになるのであれば、そのまま持ち続けていることで、決算前の株価を上回ることもあります。
なぜなら、次の決算は基本的に3ヶ月後ですので、買いたい投資家が多ければ、その間に株価が上昇していく可能性もあるからです。
もちろん市場全体のトレンドに影響を受けることは間違いありませんが・・・
この辺りが決算またぎをした後の悩みの一つでもありますね。
どこで底を打つのかというのがポイントになると思います。
含み益があるのであれば、持ち越した後も、ある程度動向を見ることができるのではないでしょうか。
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決算発表をまたぐのかどうかは、それなりにハイリスクハイリターンになりますので、間違っても含み損にならないような対応はしておきたいというのが私の取引手法です。
みなさんはどう考えるでしょうか。
発表内容によって株価の値動きが大きくなる可能性がありますので、持ち越すか持ち越さないかは慎重に判断した上で対応することが必要になるのではないでしょうか。