株の年間利回りはどれくらいとれればいい?
株式投資を始める段階では、自分は結構利益をあげられるのではないかと思って始める人がほとんどです。
もちろん私もその中の一人です。
しかしながら、現実の株式投資としては、株取引を始める前に思っていたほどは「儲けられない人がほとんど」だと思います。
初心者の方など、1年で2倍ぐらい儲けられると思っている人もいるようなのですが、そのような値上がりはまずありえないと思っていた方がいいです。
個人投資家の現実的な利回りで考えると、年間30%取れれば、それはすごいレベルですし、20%でも他の投資家からうらやましがられるレベルですし、10%でも十分なレベルだと言えるのかもしれません。
なぜなら個人投資家の多くが、儲かるどころか損する人の方が多いからです。
なぜ個人投資家は損する人の方が多いのかと考えると、その理由の一つとして、頻繁に売り買いするからというのがあるのだと思います。
株価が上昇しているから、このトレンドに乗って利益を取ろうと思い、その銘柄を購入したとしても、買った頃には短期的な高値圏にあり、そのまま値下がりし含み損になり、塩漬けか損切りに追い込まれることもよくある話です。
逆に、保有株が値下がりし、もうこれ以上損失を大きくすることはできないと思い、耐えられなくなり損切りしたものの、自分の損切り後に株価がどんどん値上がりしていくというのもよくある話です。
売却益ではなく配当金や株主優待を意識してみては?
そもそも株が値上がりするか値下がりするかというのは、誰にも分からないわけです。
特に期間が短くなればなるほど、さらに分からなくなります。
中長期間でみて、非常に好業績な銘柄であったとしても、数日や数週間、場合によっては数ヶ月間で見た場合に、株価が値下がりすることもあるわけです。
そのようなことから、あまりにも頻繁な売買をしていると、プラスになるはずの銘柄だったのに、マイナスになることも当然出てくるわけです。
また、頻繁に売り買いをこなすということは、テクニカル分析がしっかりと出来ている人でなければ、利益を上げることが難しいと考えることもできます。
株式投資をしている人の中には、テクニカル分析が苦手という人も多いと思います。
そのような人が無理して短期売買をしてしまうと、投資成績が悪くなってしまうのは想像しやすいと思います。
もしこれまでの投資成績で、マイナスの年が多いということであれば、数日から数週間、数ヶ月程度の短期売買をしないというのも一つの手です。
そもそも損失が多いのであれば、まずは年間損益率をプラスに持っていくことを意識してみてはいかがでしょうか。
そのやり方の一つとして、売却益であるキャピタルゲインを狙うのではなく、配当金や株主優待などのインカムゲインを狙うというやり方があります。
株式投資で利回り4~5%を狙う一つのやり方
配当金は、大した金額にならないと思っている人も多いと思います。
しかしながら、個人投資家の多くが損失を抱えている現状の中、配当金で年間利回りを4~5%に持っていっている人もいますので、そこには十分な価値があるのではないでしょうか。
頻繁に売り買いしてマイナスが多いのであれば、基本的にはバイアンドホールドで、配当金や株主優待などをもらって、年間利回りをプラスに持っていくというやり方です。
仮に年間利回りが5%だったとしても、100万円の場合5万円ということになります。
この金額を少ないと思うのか、十分だと思うのかは、投資家によって違いがあると思いますが、毎年のようにマイナスになっている人であれば、プラスになるだけで価値があると思う人も多いと思います。
そもそも配当金利回りが4~5%の銘柄があるのかと言うと、それはもちろんあります。
高配当銘柄であれば、配当利回りが6%を超えてくるものもあります(もちろん4~5%でも高配当ですが・・・)。
高配当銘柄の注意点
ただし注意しないといけないのは、必ずしも利回りが高ければ良いというわけではありません。
利回りが高いということは、単純に株価が下落し続けている可能性もあるということです。
例えば、株価1000円で1単元100株単位であれば、購入金額は10万円です。
この時、配当金が年間5000円であれば、年間配当利回りは5%です。
この銘柄の年間配当金の5000円が変わらず、株価が500円にまで値下がりしてしまうと、購入金額は5万円ですので、年間配当利回りは10%ということになります。
このように、配当金が減配などなく、変わらなかったと仮定すると、株価が値下がりすることで、配当金利回りは上昇することになります。
しかしながら、年間配当利回りが高い銘柄は、全て株価が値下がりしているのかと言うと、そういうことではありません。
しっかりと好業績なのに配当利回りが高かったり、企業によっては増配しているところもあります。
要するに、しっかりと銘柄選びをすることが大切だということです。
インカムゲインは長期的な視点で取引する
仮に配当利回り5%の銘柄を購入した場合、税引き後に4%弱の手取りということになります(2019年7月11日現在)。
配当利回り6%の銘柄であれば、税引き後に5%弱の手取りということになります。
株の売り買いで売却益を狙ったとしても、年間損益率で5%のプラスを出せない人が非常に多いわけですので、保有していることで4~5%の利益も狙えるインカムゲインは意識した方がいいポイントなのかもしれません。
ただし、気をつけないといけないこともあります。
これぐらいの利回りを狙うことできるわけですが、元本が含み損になる可能性ももちろんあるということです。
株価1000円(1単元100株単位)で購入、配当金が5000円だったとします。
権利付き最終日までしっかりと持ち続けることで、配当金5000円を得たものの、その頃には株価が値下がりし、株価1000円が900円になった場合、保有資産が1万円下がっているので、トータルで見ると含み損になるわけです。
売却益(キャピタルゲイン)を狙い目にするのではなく、配当金や株主優待などのインカムゲインを狙い目にするのあれば、長期的な視点に立つことが大切だということです。
もしこのまま5年間配当金をもらい続けとすると、配当金に増配・減配・無配などがなければ、5年間で25000円の配当金です。
その時株価が購入した時の1000円から900円に値下がりしていたとしても、トータルで見るとプラスになるわけです。
そのようなことから、インカムゲインを狙うのであれば長期間で考えないと、かえって損をしてしまうことにもなりかねないということです。
リスク回避のために時間分散も大切
高配当銘柄が安いと思ったとしても、一度に大量に購入するのではなく、時間的に分散して買うほうが良いのではないでしょうか。
今が安いと思っても、本当に安値かどうかは、その先の株価を見てみないと分かりません。
つまり結果論です。
もしかすると、本当にそのタイミングが一番いい買い時であった可能性もありますので、自分の勘を信じて、その買い時で「ある程度の数量」を買うようにし、残りは期間をあけて買うほうが、全体的なリスクは減らしやすくなるのかもしれません。
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資金的に余裕があるのであれば、株価が下落した場合、ある程度は買い下がっていくことも検討すべきかもしれません。
そのためには、その銘柄の業績がどのようであるのかも、しっかり調べておく必要があります。
ナンピン買いは積極的にはおすすめできませんが、最初から計画的に、例えば5単元買うと決めておき、株価の動向を見ながら、状況に応じて買い下がっていくというのも選択肢としてはありなのだと思います。
配当利回りについては、証券会社が出すランキングやネット情報などにも色々と出ていますので、興味がある方はご覧になってはいかがでしょうか。
ちなみに、ランキングによってはETFやREIT(リート)など(分配金)が除外されている場合がありますので、その点も注意してください。