株式投資にPTS取引を活用していますか?
株取引をしている投資家のみなさんは、多くが東京証券取引所を経由して売買されているのではないでしょうか。
私もほとんどの取引は、東証に対して注文し執行されています。
しかしながら、証券会社によっては東京などの証券取引所だけではなく、PTS取引を使った注文も可能です。
なぜPTS取引を使うのかと言うと、このPTS取引を使うと、少しだけ有利に取引できたりすることもありますし、万が一の場合に早い段階で、リスクを軽減できたりすることができる可能性もあるからです。
そのようなことから、基礎知識として知っておいて損はないと思います。
PTS取引とは?
PTS取引は、証券取引所を経由しない取引のことであり、「私設取引システム」のことを言います。
この取引であれば、証券取引所の時間外であっても売買することができるため、サラリーマンの方など日中の取引が難しい投資家でも時間的に取引しやすいというメリットがあります。
ただし、私設取引システムであるため、出来高が極端に少なくなり、自分が思っているような値段での売り買いが難しいというデメリットもありますが・・・
とはいえ、証券取引所の時間外に取引できるという利点は大きいと考えられるのではないでしょうか。
例えば、決算発表を3時以降にする会社も多いわけですが、PTS取引であれば、3時以降も取引できるため、決算発表の内容を確認した上で、売り買いすることもできます。
証券取引所であれば、翌営業日まで待たなければならないわけですが、PTS取引の場合には、遅くまで取引可能なので、翌営業日まで待たずに早い段階で売り買いすることもできます。
また、証券取引所の時間外に、株価にとって悪いニュースが出た場合にも、 PTS取引であれば、早い段階で売却することもできるため、リスクを抑えることができる場合もあります。
ただし先ほども言いましたが、私設取引であるため、注文数量も少なく、板が薄い状態になっている場合が多いと思っていた方がいいです。
また、全ての銘柄に注文があるわけでもありません・・・
なお、PTSの価格が高いから、あるいは低いからといって、 翌営業日の証券取引所での取引が、PTSでの取引と同じようになるとは限らないです。
例えば、決算発表での業績が良く、PTSで株価が10%値上がりしていたとしても、翌営業日の取引所の値段では、5%ぐらいしか値上がりしていないこともあり得るということです。
また反対に、決算発表での業績が悪く、PTSで大きく売り込まれ、10%値下がりしていたとしても、翌営業日の取引所の値段では、5%ぐらいしか値下がりしていないこともあり得るということです。
夜間取引(PTS)での価格から、翌営業日がどのような値動きになるのかを予想しながら、どちらで取引するのが自分にとって利益があるのか考えて、売り買いするかどうか判断するのが良いのではないでしょうか。
呼び値が細かい
またPTSだと呼び値が細かいという特徴もあります。
例えば、通常の取引だと10円単位の銘柄が、PTSだと1円単位になったり、通常が1円単位の銘柄がPTSだと0.1円単位になったりするというような感じです。
PTSを見ていると、東京証券取引所での売りの最安値注文価格よりも、0.1円安い注文価格になっている銘柄というのも見かけることができると思います。
要するに、この場合だと東京証券取引所で買うよりも、PTSで買った方が少しだけ得をするということです。
ただし、PTS取引の方がいつも得をするということではありません。
逆に、損をすることもあり得ます・・・
SOR注文にしていれば、最良価格を自動で選んでくれるので便利だと思います。
このように呼値が細かいことから、早く売りたいと考えている投資家が、証券取引所よりほんの少しだけ安い価格で売り注文を出すこともあるということです。
どの証券会社でPTS取引ができる?
なおPTSは、取引できる証券会社が限られていますので、その点は注意が必要です。
ちなみに私は、全ての証券会社でPTSをしているわけではありませんので、全てを把握しているわけではありませんが、 PTSについては証券会社によって、どこに取り次ぐのかや、取引時間、手数料などが若干違うのだと思います。
夜遅くだと、23時59分まで取引できるわけですので、興味がある方は、PTS取引についても検討してみてはいかがでしょうか。
なお、PTS取引ができる証券会社が限られていますので、証券会社を選ぶこと自体は、それほど悩まないのではないでしょうか。
そのような理由から、今回の記事では、「どこの証券会社がおすすめですよ」ということは書きませんでした。
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ちなみに、2019年6月8日時点で、PTS取引が可能な証券会社は、SBI証券・楽天証券・松井証券の3社です。
なお、2019年6月(予定)からマネックス証券もPTS取引サービスを開始するようです。
PTS取引をしたい方は、ご自分で取引している証券会社や興味のある証券会社を確認してみてはいかがでしょうか。
あ!言い忘れていましたが、PTS取引の場合、配当金や株主優待の権利落ち日については十分に気をつけてください。