投資方法

株の売買で前場の寄り付き(始値)や後場の大引け(終値)は有利か?

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始値と終値は有利な価格?

みなさん株は前場の寄り付き(始値)で買うのと、後場の大引け(終値)で買うのと、どちらが有利だと思いますか。

 

一般的に、始値付近の時間帯は値動きが激しいと言われていますね。

 

また、終値付近の時間帯は、その日の最終的な株価に向かうため、ザラ場中に上げ下げはあったものの、その日に売買したの投資家の意見が集約された価格になるとも言われています。

 

また、他の見方としては、始値は個人投資家が多いとも言われることがあります。

 

それはなぜかと言うと、会社員などの方でザラ場中にチャートや板を確認できない人が、前場の寄り付き前(9時前)に成り行き注文や指値注文を出してから、出かけるからというのが一つの理由です。

 

そのようなことから始値付近は値動きが荒くなりやすく、株取引をするのには適さないという考え方をする人もいるようです。

 

本日は、始値終値で株を購入するのは、投資家にとって有利なのかどうかについてをテーマに話をしたいと思います。

 

 

私の始値と終値の考え

先に、私の話をすると、私はあまり始値で株を購入することはありません。

 

それはなぜかと言うと、イメージとして高値掴みになってしまう可能性が結構高いんじゃないかなと思っているからです。

 

逆に、終値で購入することは割とよくあります。

 

こちらはなぜかと言うと、1日の最終的な値段であるため、それほど荒い価格にはなりにくく、その日の安い値段で買うことはできなくても、高い値段で買ってしまうこともないからです。

 

また終値ですので、手数料分以外で含み損になることがなく、その日を引けることができるわけですので・・・

 

購入してその日のうちにいきなり大きな含み損になるのはなんとなく嫌ですからね。

 

まぁ~終値で買う意味としてはその程度で、それほど深い意味はありませんけど・・・

 

みなさんの始値と終値のイメージというのはどのようなものでしょうか。

 

出来高を見ると始値にかなり集中する銘柄もありますし、 始値と終値の両方に集中する銘柄もありますね。

 

出来高から考えると、始値や終値で売り買いするのは、購入するポイントとしてはそれほど悪くないという考え方を持っている人が多いのだと思います。

 

 

 

日経平均株価の月足チャート

四本値で言うと、始値・高値・安値・終値があるわけですが、そもそも始値や終値というのは安値と高値の間の、どの程度の位置にあると思いますか。

 

それがわかれば、始値や終値で売買することが良いのかどうかが見えてくると思います。

 

下のチャートは、日経平均株価の2013年から2018年までの月足チャートです。

 

月足チャートで見ると、結構きれいな右肩上がりの上昇トレンドを形成していますね。

 

それでは、始値と終値は買い時や売り時なのでしょうか。

 

 

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始値と終値の位置は?

この期間の各日の始値と終値が、安値から高値のどの位置にあたるのかを計算してみることにしました。

 

なお、図は各年とも1年間の平均を取っています。

 

例えば、ある日の日経平均株価の始値が20500円で、安値が20000円、高値が21000円とします。

 

始値は、安値20000円から高値21000円のちょうど中央の価格ですので、50%となります。

 

次の日の日経平均株価の始値が20700円で、安値が20500円、高値が21000円とします。

 

始値は、安値20500円から高値21000円の、安値側から言うと40%の位置ですので、40%となります。

 

つまり、この二日間で言うと、最初の日が50%で次の日が40%ですので、平均して45%ということになります。

 

このようにして2013年から2018年までの始値と終値を計算したものが以下の図です。

縦軸は30%から70%で表していますが、これは始値と終値が安値側から見て何パーセントかということを表しています。

 

つまり、数値が低いほど始値や終値が安値側に近く、数値が高いほど始値や終値が高値側に近いということです。

 

図を見てわかるとおり、始値も終値もどの年を見ても50%近辺に位置しているのがわかるのではないでしょうか。

 

このことからわかることは、2013年から2018年の日経平均株価の平均値で言えば、始値で買っても終値で買っても安値から高値のちょうど中央辺りの金額になっていました。

 

購入する日によっては、始値が安値であったり、逆に高値であったりと違いはあるのですが、1年間をまとめて平均してみると、始値で売り買いしても、終値で売り買いしても、安い位置でもなければ高い位置でもないということでした。

 

つまり、有利でも不利でもない平均的な価格ということだと思います。

 

もちろん個別銘柄で考えると、頻繁に売り買いするということはあまりないでしょうから、買うタイミングも売るタイミングも、しっかりと見定めなければなりません。

 

もし日経平均株価などの指数に連動するインデックス投資をすると考えると、少額で割と頻繁に買う人もいますので、そのような場合にあまりチャートや板を確認することが難しいのであれば、始値や終値で定期的に買い続けたとしても、2013年から2018年の過去のデータで言えば、それほど悪い価格帯ではないと考えることもできるのではないでしょうか。

 

もちろん過去のデータであることから、未来がどうなるのかはわかりませんが、このようなことを基礎知識として知っておくと役に立つこともあるのではないでしょうか。

 

 

 

始値の方が終値よりも安い?

ちなみに、今回の図でもう一つわかることは、どちらかというと始値の価格の方が終値の価格よりも安いということがいえます。

 

データの期間が6年間という短い期間だったので、データ数が少ないのかもしれませんが、私としては始値が終値より比較的低い理由として、日経平均株価のチャートの形状が関係していると思っています。

 

先ほど見ていただいた通り、この期間の日経平均株価は、年によっては多少値下がりしているものの、おおむね右肩上がりの上昇トレンドを継続しています。

 

右肩上がりの上昇トレンドということは、株価が値上がりしているということですので、そう考えると始値の方が低くて、終値の方が高い結果が出ても何ら不思議ではありません。

 

つまり、株価が上がっていくということは、基本的には陰線よりも陽線の方が多いということです。

 

実は、私としてはこの記事を書くまで、始値で買うと平均より高い値段になってしまうんじゃないかと思っていましたが、この結果を見ると上昇トレンドであったからということもあるのでしょうが、それほど高値づかみにはならないんだなぁ~ということがわかりました。

 

東証株価指数(TOPIX)については今回検証していませんが、基本的に日経平均株価と東証株価指数(TOPIX)は同じような形状をしていますので、似たような結果になるのかなぁ~と思っていますが、検証していないので何とも言えません。

 

気になる方は調べてみてはいかがでしょうか。

 

毎回毎回、安値でうまく購入することはできないわけですので、定期的に株を購入するのであれば、平均的な価格帯を狙うというのも一つの手かもしれませんね。

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