投資方法

窓開け窓埋めの定義と株価チャートが値下がりし埋めやすい窓とは?

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窓開けと窓埋め(窓閉め)の定義

みなさんは株価チャートのというのをご存知でしょうか。

 

家の窓を開けたら必ず閉めますよね。

 

それと同じように多くの投資家が株価チャートに窓がある場合には、埋める(閉める)のではないかと意識し始めます。

 

買い方側で考えると、窓を埋める(閉める)というのは、簡単に言えば、ある一定の株価まで、価格が下がるということです。

 

この窓は投資家を悩ませるものでもあり、株価が下がる要因にもなったり、株価の上昇に弾みをつけるものにもなったりします。

 

なぜ悩ませるのかというと、窓が閉まらないこともあるからです。

 

この窓は「閉まるのか・閉まらないのか」、「今買っていいのか・まだ買わない方がいいのか」といった感じで悩みます。

 

つまり、この窓を知っているのかどうかで、取引の幅も広がる可能性があるのではないでしょうか。

 

本日は、株価の窓についてをテーマに話をしたいと思います。

 

まず株価チャートの窓について説明をしたいと思います。

 

投資家によって窓の考え方が「ひげ」と「実体」で違うようですので、とりあえず2通り説明します。

 

まず1つ目は、「ひげ」まで考慮したパターンです。

 

ちなみに私の窓の考え方はこのパターンです。

 

例えばある日の高値が1000円で、翌日の安値が1030円だったとします。

 

そうすると下の図の赤丸で示す価格のように取引がなかった空白地帯が出てくることになります。

 

このように値がつかなかった価格では、チャートがすきまを開けて飛んだ形になりますので、この部分を窓と言います。

 

 

図で示すと下のようになります。

 

この1つ目の考え方は、高値と安値の間に空白地帯があれば窓と呼ぶ考え方です。

 

つまり、実体(箱の部分)が重なっていなかったとしても、ひげ同士であれ重なって(接して)いれば窓は開いていないという捉え方をします。

 

なお、上の図でいうと高値1000円から窓を開けて上昇した株価が値下がりし、ひげであれ開けていた窓を埋めることができれば窓埋め完了になります。

 

2つ目は「実体」で考えるというパターンです。

 

例えば、ある日が陽線で終値が1000円、翌日も陽線で始値が1030円だったとします。

 

この考え方の場合は、1つ目の考え方のように上ひげや下ひげが重なっていたとしても窓を埋めた(閉めた)とは考えずに、ローソク足の実体で窓が開いたのかどうか確認するということになります。

 

下の図をご覧ください。

 

ある日の高値が1020円で、翌日の安値が1010円だったとすると上髭と下髭で考えると重なっているのですが、「実体」で窓を判断する投資家の場合は、実体(箱の部分)同士に開きがあるので、窓が開いているということになります。

 

なお、実体とは上の図に示すように箱の部分のことをいいます。

 

上の図でいうと終値1000円から窓を開けて上昇した株価が値下がりし、開けていた窓を実体部分で埋めることができれば窓埋め完了になります。

 

窓が開いているのかどうかの判断として上髭と下髭を考慮するのか、それともあくまでもローソク足の実体で判断するのかというのは投資家によって考え方に違いがあるようです。

 

みなさんはどちらで判断しているでしょうか、またどちらの考えがしっくりくるでしょうか。

 

今回の記事で両方とも考え方を書いたのは、投資家によって判断の仕方が違うからですが、先ほども言ったとおり私はひげを含めて判断しています。

 

なぜかと言うと、こちらの考え方で判断するのが一般的だったような気がします・・・あくまで気がしますということですけど・・・たぶんそうだったような・・・。

 

まぁ~もう少しまともな理由を書くとすると、上ひげと下ひげであれ重なって(接して)いれば隙間なく取引があったことは間違いないわけですので、窓を埋めたと考えることができるのではないでしょうか。

 

また、実体のみで窓の開け閉めを考えると、実際のチャートを見るとわかるのですが、実体が重ならない(接しない)部分というのは相当あるため、かなり窓が開いてしまうことになるからです。

 

あまりにもたくさん開いてしまった窓であれば、投資家がそれほどその窓を意識するのかというのが問題になってきます。

 

実体で考えるのであれば、一週間毎日窓が開く場合もありますからね。

 

基本的になかなか開かないからこそ、窓が開いた場合にはその価格帯が意識されるのではないでしょうか。

 

まぁ~私の勝手な考えですので、そんなふうに考えてる人もいるんだな~という程度で読んでいただければいいのではないでしょうか。

 

ということで、今回の記事では上ひげと下ひげを考慮した形で窓が開いているのかどうかを判断したいと思います。

 

ちなみに、ローソク足は株取引の基本ともいわれています。

 

ローソク足について勉強の意味を込めて問題を解いてみるのもいいのではないでしょうか。

 

詳しくは株のローソク足の見方の基本を説明!この問題が解ければ基礎知識ありをご覧ください。

 

ローソク足の見方がわからないと取引も難しいでしょうからね。

 

特に初心者の方は見方をしっかりと覚えておきたいですね。

 

 

チャートで窓埋めの確認

それでは本題です。

 

まずはチャートを見ていただきたいと思います。

 

下のチャートは、2018年8月から9月のテリロジーの株価の推移です。

 

9月10日の高値は1240円であり、9月11日の安値は1256円です。

 

つまり、取引がなかった空白地帯があり窓が開いたということが言えます。

 

少し話はずれますが、私はこのテリロジーのホルダーではないのですが、実はけっこう前からこの銘柄はよく見ています。

 

今後買うかどうかは未来のことなのでわからないのですが、今のところ買う予定はありません。

 

じゃあ何で見てんの?と言われそうですけど・・・

 

とりあえず勉強として見ています。

 

ちなみに、個人投資家は損しやすいといわれていますよね。

 

その点をふまえて勉強について考えてみました。

 

詳しくは個人投資家は「株の勉強量が少ないから損しやすい」が本当なら・・・をご覧ください。

 

さて話を戻して、9月10日からの上がり方が急であり、9月12日もかなり株価が上昇しボリンジャーバンドが+3σ付近まで来たので、近いうちにある程度大きな調整が来るんじゃないかなぁ~と思いながら見ていました。

 

なお、ボリンジャーバンドについて詳しくはボリンジャーバンドの見方や使い方を知り順張り・逆張りに活かしてはをご覧ください。

 

ホルダーのみなさん勘違いしないでくださいね、株価が値下がりするのを期待しているとかそういう意味ではないので・・・

 

繰り返しになりますが、今のところ買う予定はないので・・・

 

とりあえず調整自体はあったわけですけど、まぁ~今書くと結果論的な感じに聞こえますけどね・・・

 

9月13日も株価が上昇し、1500円台に突入しました。

 

ボリンジャーバンドで見ても高い状態ですし、単純に株価チャートを見ても急激に上がりすぎている状態でしたので、かなりやばいんじゃないのかなと思いながら、一旦テリロジーから離れて他の銘柄を見ていました。

 

テリロジーがどうなったかなーと思って株価を見てみたら、1500円台だった株価が1200円台になっていたので調整があるだろうなとは予想していたのですが、さすがに急激に値下がりしすぎていてびっくりしました。

 

この日の高値が1539円で安値が1240円ですので、高値からいうと約20%下落したことになります。

 

しかも分足を見るとわかるのですが、ほんの数分でチャートが垂直下げで急落しています。

 

これはかなり下がりすぎでしょうと思っていたら、さらにびっくりしたのが今度は株価が垂直上げで一気に1400円台になっていました。

 

さて話を窓に戻すと、ここでもびっくりだったのですが、この数分の大暴落で株価が安値1240円で反発し上昇したのですが 、この1240円が9月10日に高値で記録した値段であり、9月13日の大暴落で一気に窓を埋めたということになります。

 

株価の上がり方が急だったので、私としては調整があるとは考えていましたが、もう少し日にちをかけた調整になると思っていたので、私の予想は当たったような外れたような中途半端な結果になりました。

 

まだまだ勉強が必要ですね。

 

結果論ですけど、9月13日のナイアガラ的な下落が1240円で止まったというのは、窓を埋めたかったのかなと考えることもできます。

 

このような急落になると、狼狽売り(パニック売り)になることがあり、本来売らなくてもいいような投資家まで、売却してしまうことがあります。

 

狼狽売り(パニック売り)をしないために基礎知識として知っておいた方がよいことをまとめましたので、詳しくは株価のナイアガラ的値下がりで狼狽売りしない簡単な5つのテクニックをご覧ください。

 

この後、テリロジーの株価がどうなるのか分かりませんが、窓は早めに埋めておきたかったと考えている投資家がいたのかもしれませんね。

 

このように株価に窓が開いた場合には、将来的にその窓は埋めるだろうと考えている投資家も多いです。

 

特に、ストップ高になった銘柄などは大きく窓が開いている場合もあり、上昇トレンドの勢いがなくなり短期的な高値のピークを付け、下落し始めた時に、再び上昇できるレベルの株価で下げ止まらないと、窓埋めが意識されることもあります。

 

ストップ高銘柄が短期的に下落しやすい理由についてはストップ高銘柄の売買で注意すべき点と株価が短期的に下落する理由をご覧ください。

 

右肩上がりの上昇トレンドで株価が値下がりすると、値下がりの目途として1/3押しや半値押し、2/3押し、フィボナッチの38.2%押し、61.8%押しや、5日移動平均線、25日移動平均線、75日移動平均線までの押しが有名ですが、これら以外にも窓を埋める(閉める)まで値下がりする可能性があることも考えるべきです。

 

なぜ窓を埋めることが多いのかというと、過去の経験上窓を埋めることが多々あるということが大きく、その結果窓が開いている場合にある程度大きな下落をすると閉めに来るだろうと考え、買いが入りづらくなるということが大きな理由です。

 

つまり窓が開いていれば、「閉めに来るから閉めてから買えばいいや」という投資家が増えてくるということだと思います。

 

 

窓開けがあっても必ず窓埋めするとは限らない

窓が開いた後に株価が大きく値下がりすると窓を埋めるように動くかもと多くの投資家は考えるのですが、必ずしも本当に窓を埋めるとは限りません。

 

下のチャートは、2017年1月から8月の東海カーボンの株価の推移を表したものです。

 

チャートを見るとわかるとおり、2月と5月(赤丸)に窓が開いています。

 

4月の下落では、2月の窓を埋めきっていませんし、5月の下落で5月の窓を埋めきっていません。

 

細かく見ると他にもあるかもしれませんが、ぱっと見た目でこの2箇所はすぐ目につきます。

 

ちなみに6月(緑丸)にも開いているところがありますが、6月後半にかけての下落で窓は埋まっています。

 

ここからわかるとおり、窓が開いたからといって必ず埋めるとは限らないということです。

 

それでは東海カーボンのこの期間を含む、2016年9月から2018年9月の週足チャートをご覧ください。

 

基本的にはきれいな右肩上がりの上昇トレンドを形成しているのがわかると思います。

 

先ほど見ていただいた、2017年2月と5月の窓をこの週足チャートで確認(赤丸の箇所)すると窓が開いている所は、この右肩上がりの上昇トレンドの初動であるというのがわかるのではないでしょうか。

 

なお、日足では窓が開いていますが、上の図を見るとわかるとおり赤丸の部分は週足で見ると窓は開いていませんね。

 

これは私の感覚的な話なのですが、上昇トレンドの初動はまだ出来高もそれほど多くなく、株価がある程度値上がりして多くの投資家から注目されるようになり、人気が出てイナゴと呼ばれる投資家も集まり急激に株価が上がる傾向があります。

 

なお、初心者の方は上昇トレンドの順張りで取引する人も多いと思いますが、窓開けだけではなく、移動平均線の乖離についても注意しておかないと、急落に巻き込まれることもあります。

 

詳しくは上昇トレンドの順張りは初心者におすすめだが移動平均線の乖離に注意をご覧ください。

 

つまり、初動の段階で窓が開いてしまい、窓を埋めるより前にさらなる注目を集めたため、株価が値下がりする力よりも値上がりする力の方が大きいと窓が開いたままになってしまう価格帯が出てくるのではないでしょうか。

 

それではこの窓も埋める(閉める)のかというのが気になりますね。

 

2018年9月14日現在、東海カーボンの株価は2000円を超えています。

 

2017年2月と5月にできた400円台と500円台の窓は多くのホルダーから忘れられている可能性もあるかもしれませんね。

 

 

一体何年前の窓まで埋めると考えられるのかは誰にもわかりませんが、可能性でいえば全ての窓を埋める可能性はあります。

 

しかしながら、それがいつなのかと言われると1ヶ月以内かもしれませんし、5年後かもしれませんし、20年後かもしれませんし、50年後かもしれませんので誰にも予想はできません。

 

 

こちらの記事もどうぞ

あなたの株取引にとって役に立つかもしれない投資方法や取引の知識を書いていますので、気になる方はこちらの投資方法からご覧ください。

 

埋めやすい窓とは?

私としては窓は心理的な影響や戦略的な影響が大きく働くと思っていますので、最初に見ていただいたテリロジーのチャートのように最近できた窓については、すぐ気づくので埋めやすいのかなと思っています。

 

時間が経てば経つほど窓も忘れられていきます。

 

だからこそ、数年前の窓はほとんどの人が意識しないので埋めずに上昇することもよくあるわけです。

 

トレンドの勢いによっては、数ヶ月前の窓でも忘れられたかのように上がっていくこともあります。

 

また、多くの投資家から注目され株価が急激に大きく上昇した場合に、数日にわたって連続的にできた窓というのは埋めやすいとも思っています。

 

なお、埋めやすいといっても完全に埋めるかどうかは、そのときのホルダーや大口投資家の影響を大きく受けますので結果論でしかわかりませんが、東海カーボンの2017年の日足のように時間をかけてでも、ある程度は値下がりさせる方向に動くことはそれなりにあると感じます。

 

今後上昇する見込みのある銘柄であれば、将来的に窓を意識させることがないように大口投資家が意図的に窓を埋めにくることもあるようです。

 

右肩上がりの上昇トレンドで推移している今現在の株価が数千円もするような、日本の各分野を代表する企業の値嵩株(ねがさかぶ)であっても、実は何年も前の初動の段階で何箇所かの窓が今現在でも開いている可能性は十分あります。

 

というよりも、上昇し続けている株が1箇所も窓を開けることなく値上がりし続けることの方が難しいのではないかと私は思っています。

 

 

それではその銘柄を売り買いしている投資家が何年も前の窓を意識して売買しているのかというと、多分そんなことは意識していない人がほとんどなのだと思います。

 

私自身特に気にしていません。

 

ただし、最近できた窓がある場合には気にします。

 

みなさんはどうでしょうか?

 

じゃあ~この最近って一体いつなんだというツッコミが来そうですけど・・・

 

新規で購入する銘柄なのか、すでに保有している銘柄なのかや、窓の大きさはどれぐらいか、その時の日経平均株価、東証株価指数(TOPIX)など地合い(相場状況)によっても違いますので、条件によって異なる判断になることもあるので一概にはいえないんですよね。

 

その人の性格や投資方針、リスクの許容度によっても違ったりします。

 

例えば、あまりリスクを冒したくない人だと、数日以内の窓であれば買わない人が多いのではないでしょうか。

 

買い方側で考えると、数日以内に窓を開けて(空けて)上昇しているということは、株価が急上昇している可能性があり、デイトレードやスイングトレードなど短期的な投資家の利益確定売りが出る可能性がありますので、一旦値が崩れるとそれを吸収できるだけの買い圧力がない限り株価は下がることになります。

 

そうなると、投資家の中で開けたままの窓が意識されることになりますので、結果的に買いが入りづらくなり、さらに値段を下げ、窓を埋める可能性があるからです。

 

もちろんうまくいけば、窓を開けて上昇してボリンジャーバンドを拡大させながら、バンドウォークで株価を急上昇させることがありますので、リスクを許容できる人であれば、窓を開けた場合はトレンドの勢いが強くなると考えて積極的に買い向かう人も多いと思います。

 

短期間で急上昇した銘柄は、その間何か所もの窓を開けている可能性が高くなります。

 

逆にいうと窓を開けているからこそ短期間で価格が急上昇しているといえるわけです。

 

私の感覚としては、このような銘柄は長期間をかけて上昇してきた銘柄よりも窓を埋めやすいと思います。

 

また、その埋め方も強烈な値下がりになりやすいと考えています。

 

 

窓を埋めるかどうかは、いつできた窓なのか、その銘柄のトレンド力や投資家の注目度、人気など総合的に関係してきますので、少なくとも新規購入する時には数日から数週間以内、可能であれば数か月以内にできた窓がないか確認するようにしてみてはいかがでしょうか。

 

もし、窓が開いている状況で買うのであれば、その窓を埋めることも最悪の展開として考えて、そのうえで購入するかどうか判断すれば株価の推移も冷静に見ることができるのではないでしょうか。

 

それでは本日のまとめです。

本日のまとめ

  • チャートに窓が開いている場合には窓埋めが意識される
  • 窓は株価を値下がりさせる要因にも弾みを付け上昇させる要因にもなる
  • 窓は取引のなかった空白地帯のこと
  • 窓を埋めてから買えばいいと考える投資家も多いので買いが入りづらくなることがある
  • 必ず窓を埋めるとは限らない
  • 値下がりする力よりも値上がりする力が強ければ窓が開いたままになることもある
  • 新規購入する場合少なくとも数日から数週間以内、可能であれば数か月以内にできた窓がないか確認する
  • 窓が開いている状況で買うのであれば窓埋めも最悪の展開として考えておく

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