株式投資は移動平均線が重要
株式投資を始めたばかりの初心者の方や、これから始めようとしている人たちが、株取引に関する本を見た時に、最初の方に出てくる項目に移動平均線があると思います。
私も株取引においては、移動平均線は非常に重要だと考えています。
かなりざっくり言うと、現在の株価が移動平均線より上にあるのか下にあるのかで、その銘柄のなんとなくの強さが分かるのではないでしょうか。
移動平均線が上向きなのか下向きなのかというのは気にしている人が多いと思います。
日足であれば一般的に、5日移動平均線や25日移動平均線、75日移動平均線などを使うことが多いと思います。
移動平均は、これらの期間の終値の平均を取るというのが一般的ではないでしょうか。
平均の取り方にはいろいろとあるわけですが、単純平均がよく使われると思います。
単純移動平均線とは名称の通り、一定期間の終値を合計して日数で割ってつなげた線ということになります。
25日移動平均線であれば、25日間の終値の合計を25で割るということです。
移動平均線を予想してみては?
さて、移動平均線の傾きが上向きなのか下向きなのかということと、現在の株価が移動平均線より上にあるのか下にあるのかというのは意識している投資家が多いわけです。
未来の移動平均線がどのような変動を示すのかを完璧に当てることはできないわけですが、移動平均線の計算方法から考えるとなんとなくでも想定した上で、動きを予想してみるのは大切なのかもしれません。
例えば、25日移動平均線であれば、本日時点で最も古い終値(本日を含めて25日前)が翌営業日には計算から外れ、新しい終値が計算に含まれるようになるわけです。
つまり、最も古い終値よりも最も新しい終値の値段が高い場合、翌営業日の終値が現在最も新しい終値と変わらなかったとしても、最も古い終値(安い終値)が計算から外れることで、移動平均線は上昇することになります。
文章で書いてもなんだかよく分からないと思いますので、実際に日足チャートで確認したいと思います。
例えば株価が下のような値動きで推移していたとします。
下のチャートで青線は25日移動平均線を示しています。
移動平均線についてもう一度簡単に説明すると、チャートの右端にある25日移動平均線の緑丸の値を計算する方法は、赤丸1を含めて25日間の株価の終値を合計して25で割ると求めることができます。
つまり、赤丸1から赤丸25までの終値を合計して、25で割るということです。
翌営業日にはどのような計算をするのかと言うと、その日の終値が新たに追加されることになりますので、上のチャートで言うと、最も古い終値である赤丸25が計算から外れて、赤丸24の株価が新たな赤丸25になるということです。
毎日これを繰り返していくことになります。
移動平均線が上昇するためには?
なんとなくでも移動平均線の動きを予想することは大切だという話をしました。
このチャートで緑丸から先の、未来の移動平均線がどのような動きになるのかを考えてみたいと思います。
ちなみに、移動平均線と株価が非常に乖離している銘柄を購入する場合には注意も必要です。
詳しくは上昇トレンドの順張りは初心者におすすめだが移動平均線の乖離に注意をご覧ください。
さて、本題に戻ります。
繰り返しになりますが、未来の株価がどうなるかはわからないわけですので、移動平均線もどのような動きになるのかを完璧に当てることはできません。
しかしながら、このチャートを見た時に、緑丸以降のある程度の日数は移動平均線が上がるんじゃないかなという予想を立てることができます。
なぜかと言うと、最初に言いましたが移動平均線の計算方法が、古い株価から順番に計算から外れていくというのがポイントになるからです。
このチャートでいうと、翌営業日には赤丸25がはずれ、その次の営業日には赤丸24が計算から外れていくことになります。
その後はチャートに丸はつけていませんが、順次最も古い株価が外れていき、新たな株価が追加されていくことになります。
今現在のチャートで考えると、赤丸1の翌営業日がどのような株価になるかは分かりませんが、赤丸1より赤丸25の株価が低いことはチャートを見ればすぐにわかると思います。
つまり移動平均線の計算方法の関係上、赤丸1の翌営業日の終値が、赤丸1と変わらなかったとしても、25日移動平均線の計算から外れるのは、赤丸1よりも株価の安い赤丸25なので、移動平均線は上昇することになります。
もっと言えば、赤丸1の翌営業日の終値が、赤丸25の終値よりも高ければ移動平均線は上昇することになります。
そう考えると、このチャートの場合、赤丸1の翌営業日はそこそこ値下がりしたとしても、移動平均線は上昇することになります。
もちろん、終値によっては移動平均線を下回る場合はあり得ますが・・・
もし赤丸1の翌営業日の終値が、赤丸1の終値より高ければ、当然移動平均線は上昇しますね。
赤丸1を基準に考えると、赤丸25を含めた9日間の終値は、赤丸1の終値よりも低いことがわかります。
つまり、今後赤丸1と同じような株価が続いたとしても、9日間は移動平均線が上昇するんじゃないのかなと予想することができます。
もう少し場合分けをして考えてみると、今後終値が赤丸1より高くなる傾向があれば、移動平均線は上昇する。
今後終値が赤丸1とほぼ変わらなければ、9日間は移動平均線が上昇する。
今後終値が赤丸1より低くなれば、移動平均線は上昇する可能性もあるし、下降する可能性もあると言えるのではないでしょうか。
この上昇する可能性もあるし、下降する可能性もあるというのはどういうことかというと、先ほども言いましたが、新たに入ってくる終値が、計算から外れる最も古い終値よりも高ければ、仮に赤丸1より終値が低い株価になったとしても、移動平均線は上昇するということです。
反対に新たに入ってくる終値が、計算から外れる最も古い終値よりも低ければ、移動平均線は下降するということです。
移動平均線の変動を意識する
下のチャートをご覧ください。
このチャートは先ほどのチャートの続きを書いたものです。
赤丸Aが先ほどのチャートの赤丸1です。
赤丸 A からこのチャートの赤丸1まで数日経過していますので、当然ですが25日移動平均線の終値の最も古い赤丸25も数日進んでいます。
先ほども説明しましたが、大きな赤丸で9日間と示している部分は、赤丸 A より株価が低いことと、赤丸Aの翌営業日以降の株価が値上がりしていることの両方の効果から移動平均線は上昇しています。
その後移動平均線は、どちらかと言うと横ばいに近い動きになっているのが分かるのではないでしょうか。
これは赤丸25の前の数日間の株価と、赤丸1の前の数日間の株価に、それほど大きな違いがなかったからと言えるのではないでしょうか。
要するに、移動平均線の計算に入ってくる終値と、計算から外れる終値にそれほど違いがなければ、移動平均線は概ね横移動になってしまうということです。
さて、このチャートの赤丸1から先(未来)がどうなるかと言うと、もちろんその後の値段次第ということにはなるわけですが、移動平均線から外れていく古い価格を考慮すると何となく想定できる部分もあるかもしれませんね。
移動平均線を考慮しながら取引している人はたくさんいるわけですので、今後の株価がどのような推移をたどれば、移動平均線はどのような変動を示すのかというのを意識しながら取引することは大切なのではないでしょうか。
このようなことを基礎知識として知っていると取引成績にも良い効果をもたらすかもしれません。
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下落した場合でも、移動平均線が反発ラインになっているような銘柄であれば、特に意識したほうがいいのではないでしょうか。
値下がりした場合に、5日移動平均線での反発は無理でも、25日移動平均線や75日移動平均線での反発は期待できる場合もあります。
また、一定期間移動平均線に沿って値動きがある銘柄もあります。
そのようなことから、利益を増やし儲かることを考えるのであれば、なんとなくでもいいので、移動平均線の動きを予想する練習をしてみるのも良いのかもしれません。
自分の保有銘柄や今後買うことを検討している注目銘柄などをまず見てみてはいかがでしょうか。
あくまでも「なんとな~く」でしか予想できませんが・・・。