損切り

損切りを下落率でなくチャートで判断すると無用な失敗を減らしやすい

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損切りをチャートのトレンドで判断する

株取引においては損切りのタイミングを間違えると大損することがあります。

 

みなさんは必要に応じてしっかりと損切りをできているでしょうか。

 

私自身は、投資方法によっても損切りするかどうかは違いますのでなかなか一概に言えないところがあるのですが・・・

 

しかしながら、保有期間が短ければ当然損切りは徹底しています。

 

長期保有であれば、含み損が出てもそのまま持ち続ける投資家もいますので、まぁ~損切りは人それぞれで違うということなのでしょう。

 

とはいえ、株取引で儲かるためには損切りは非常に大切であることは間違いありません。

 

特にホールドしている期間が短い場合には、なおさら重要になってきます。

 

みなさんは損切りをするときに、どのような条件(ルール)で損切りしているでしょうか。

 

初心者の方や多くの投資家が購入価格から何%下落したら損切りを実行するというやり方をしているのではないでしょうか。

 

確かに購入した値段から何%値下がりしたら売るという方法は、機械的な損切りができるためわかりやすい面はあるのですが、単純に株価が何%下がったら損切りというやり方だと、全体的な状況を見て損切りする必要がないにもかかわらず、値下がり率に達したからという理由だけで損切りしてしまう場合もあります。

 

また、逆指値を設定していると逆指値狩りに合う可能性もあります。

 

私としては、値下がり率で損切りを決めるのも一つのテクニックではあると思いますが、もっと全体的なトレンドを捉えて損切りをするかどうかを判断するというのが大事なのではないかと思っています。

 

本日は、損切りするかどうかをチャートで確認するやり方とコツについてをテーマに話をしたいと思います。

 

 

損切りできずに塩漬けになる理由

そもそも多くの投資家がなかなか損切りができずに塩漬けになってしまうのはなぜでしょうか。

 

当たり前の理由なんですけど、私としては損切りしてしまうと損失が確定してしまうからというのが最大の理由だと思っています。

 

「今売ってしまうとマイナスが確定してしまうため売りたくない」

 

「もう少し待っていればだんだん株価も上がるだろう」

 

「今が一番の底だから後は値上がりするだけだ」というような考えから損切りができないのだと思います。

 

そうしている間にどんどん株価は値下がりして、最終的には安くなりすぎて売るに売れない株価になってしまって、塩漬けになるというパターンが多いのではないでしょうか。

 

例えば、30万円で買った株が10%値下がりして27万円になった場合に、あなただったら損切りができるでしょうか。

 

もし損切りができるのであれば、27万円を確保することができます。

 

もし損切りができないということであれば、そのような判断をする投資家の多くは、さらに値下がりして25万円になっても、20万円になっても、15万円になっても損切りすることができない可能性が高いです。

 

その銘柄がうまく右肩上がりの上昇トレンドにトレンド転換できれば、利益を得ることも可能かもしれませんが、そうでなければ塩漬けになる可能性が高いです。

 

普通に考えて、3万円の損失を確定させることができない人が、15万円の損失を確定させることは難しいですよね。

 

言葉で言うのは簡単なのですが、損切りを実際に行動に移すというのはかなりの勇気が必要ですし、損した金額にもよりますが取引が終わった後にかなり、がっかりすることになります。

 

しかしながら、その銘柄の取引の成功・失敗だけではなく、長期的な株式投資という面から考えると、取引が失敗しているのであれば早い段階で現金化した方がいいです。

 

なぜかというと、損切りができずに塩漬けにしてしまいやすい投資家であれば、保有銘柄がすべて含み損になってしまった段階で、売却益を得ることが極めて難しくなるからです。

 

株主優待や配当金などのインカムゲインを得ることはできても、塩漬けになっている銘柄が含み益になるのを待っている状況だと、プラスで売却することがないため売却益であるキャピタルゲインを得ることがないからです。

 

 

将来のために投資資金を残す

みなさんも私も株取引の基礎知識は、勉強や経験をしていく限り日に日に増えていくはずです。

 

初心者の頃にはわからなかったことも、今では理解できるようになっているものもありますよね。

 

また、現時点でよくわからないことでも、1ヶ月後や半年後には理解できているかもしれませんし、何か良い必勝法が見つかるかもしれません。

 

今よりも成長した将来の自分に、取引するための資金を残しておくためにも必要な場面ではしっかりと損切りすることが大切になります。

 

知識も経験も身につけたが、購入資金が一切ないということでは儲かることはできませんからね。

 

全ての銘柄が含み損になってしまって、損切りしないのであればどうしようもなくなってしまうかもしれません。

 

 

 

下落率で判断すると上昇トレンドで損切りすることもある

さて、最初にトレンドを捉えて損切りをするかどうかを判断するというのが大事だという話をしました。

 

言葉で説明してもなかなかわかりにくいので、チャートで説明したいと思います。

 

下のチャートは、2017年1月から2018年2月のカゴメの株価推移です。

 

2017年は、ほぼ右肩上がりの上昇トレンドで推移しています。

 

チャートで見るとこんな感じです。

なぜ私が損切りをトレンド転換で判断するのが大事だと言うのかというと、良い例がこのチャートの赤丸の中にありましたので、まずはその説明をしたいと思います。

 

2017年11月1日(赤丸)と11月16日(青丸)をご覧ください。

 

11月1日の高値は4085円であり、11月16日の安値は3855円でした。

 

もし11月1日の高値4085円で購入した人であれば、11月16日の安値3855円の時点で値下がり率は5.6%です。

 

もし損切りラインを5%に設定していれば、損切りしたでしょうから実現損が確定したことになります。

 

高値4085円よりもう少し安い価格で買っていたとしても、損切りラインを5%にマイルールとして決めていれば、結果的に損切になってしまった人も当然いたと思います。

 

損切りラインの5%というのは驚くほど早いラインということでもありませんので、この5%で設定している人も多いと思います。

 

 

チャートで損切りを判断するやり方

しかしながら、チャートで損切りする必要があるかどうかを判断すると考え方は変わってきます。

 

11月16日の前から徐々に株価が下がってきていますが、10月20日の直近安値3685円(緑丸)を11月16日の安値が下回ったわけではありませんので、上昇トレンドは継続中であるということがわかります。

 

もし10月20日の安値3685円を下回ってくるのであれば、右肩上がりの上昇トレンドから右肩下がりの下降トレンドに転換した可能性があるのですが、この11月16日時点(3855円時点)ではそのように判断することはまだできないのではないでしょうか。

 

そして、翌日の11月17日以降株価は順調に右肩上がりの上昇トレンドを継続していくことになりました。

 

単純に値下がり率だけで損切りするかどうかを判断すると、このように上昇トレンドが継続中であるにも関わらず、一時的な含み損というだけで損失を確定させ、実現損にしてしまう可能性があります。

 

もちろん大損を防ぐために、早めに損切りをするというのもわかります。

 

この例でいえば、トレンド転換した可能性のある10月20日の安値3685円を下回る価格である、3684円までもし値下がりしたとすると、11月1日の高値4085円から3684円までの値下がりであれば、9.8%のマイナスになりますので、大きな損失ということになります。

 

これを避けるために、5%の含み損が出た段階で損切りするという人もいるかもしれませんね。

 

私としては、右肩上がりの上昇トレンドが継続中であれば、一時的に含み損になったとしても、そのまま持ち続ける可能性が高いです。

 

しかしながら、これは投資家それぞれの判断になりますので、きっちりとマイルールで定めた損切りラインで損失を確定させた方が良いという人は、そのやり方を継続すればいいと思います。

 

できるだけ損切りをしないために、大切なことは株の高値掴みをしないということです。

 

購入する場合は、押し目買いで安く買ったり、直近高値をブレイクした勢いのあるところなどで購入して、できるだけ損切りしないようにすることが最も大切です。

 

その後、順調に株価は上昇し、12月19日に高値4330円をつけます。

 

4330円をつけた後にチャートは右肩下がりの下降トレンドに突入しますが、12月26日(紫丸)まではチャートだけでトレンドが転換したと判断することは難しいと思います。

 

しかしながら12月27日以降の年内の株価が右肩下がりのチャートになってしまいました。

 

その後、年が明けて1月10日に高値4260円 (オレンジ丸)をつけ、翌日以降さらに値下がりすることになりました。

 

この1月10日の高値4260円は、12月26日につけた4315円にすら届いていませんので、12月19日の高値4330円から12月26日の高値4315円、そして1月10日の高値4260円と高値が2回切り下がったことになります。

 

チャートを見てもらうとわかるとおり、1月11日と12日が長い陰線になっています。

 

1月11日の始値が1月10日の終値よりも低く、どんどん値下がりして行ったことで、これ以上高値を切り上げることはないと多くの投資家が思い、売り注文が増えたため、さらに株価が値下がりすることになりました。

 

結果的に12月19日につけた4330円を高値に、右肩下がりの下降トレンドに突入していくことになります。

 

 

トレンドで判断すると損失を小さく抑えられる場合もある

もし12月26日の高値4315円で購入していた時に損切りするかどうかの判断をチャートのトレンドで考えた場合についてです。

 

1月11日の終値4145円(茶丸)の時点で値下がり率は3.9%です。

 

もしマイルールで損切りラインの設定を値下がり率5%としていれば、まだ損切りする価格まで値下がりはしていません。

 

しかしながら、チャートのトレンドで考えると、1月10日には2回目の高値の切り下げがあり、1月11日には長い陰線をつけた(ザラ場中には当然わかる)ことから、トレンド的には右肩下がりの下降トレンドに突入しているとこの時点で判断ができたと思います。

 

チャートのトレンドで損切りを判断すると、1月11日の終値では損切りをすることができたと言えるのではないでしょうか。

 

マイルールで決めた5%よりも、損失を抑えた3.9%での損切りができたということです。

 

もっと早い人であれば、2017年末には損切りしていたと思います。

 

もし損切りした後に株価が上昇して、また右肩上がりの上昇トレンドになってしまった場合には、大きな損失を防ぐために損切りしたと思って諦めるしかないのではないでしょうか。

 

このカゴメは、それまで長期間にわたって上昇トレンドを継続していましたので、下降トレンドに転換した場合には、その値下がり幅は非常に大きなものになることが考えられます。

 

少しの損失で大損を避けることができたと考えれば、良い判断と言えるのではないでしょうか。

 

 

下降トレンドは高値も安値も切り下げる

その後、株価は大きく値下がりをしていきます。

 

下のチャートは、2017年12月から2018年10月のカゴメの株価推移です。

 

基本的には上値(高値:赤丸)も下値(安値:青丸)も切り下げて行っていますよね。

 

 

1/3戻し・半値戻し・2/3戻し

もう一つ注目してもらいたいことは、高値から安値まで値下がりした後、反発し株価が上昇しますが上昇する値幅は安値から前回高値までの2/3(2/3戻し)、1/2(半値戻し)、1/3(1/3戻し)程度であり、前回高値を上回るほどの株価の上昇はなかなかないということです。

 

この点について、もう少し具体的にチャートを見てみたいと思います。

 

下のチャートは2018年6月から10月の株価推移です。

 

赤丸1から4が高値であり、青丸1から3が安値を表しています。

 

赤丸1から値下がりし、青丸1を底値にして赤丸2まで反発しました。

 

この赤丸2というのが、大体赤丸1から青丸1の半分ぐらいの値段、つまり半値戻ししたのがわかるのではないでしょうか。

 

また、赤丸2から値下がりし、青丸2を底値にして赤丸3まで反発しました。

 

この赤丸3というのが、大体赤丸2から青丸2の半分ぐらいの値段であるのがわかるのではないでしょうか。

 

同様に赤丸4も赤丸3から青丸3の半分ぐらいの値段になっているのがわかりますね。

 

この期間のチャートは半値押しでしたが、他にも1/3戻しや2/3戻しなどがあります。

 

具体的な数値で言うと、例えば高値1000円から安値700円まで値下がり後に反発し、800円まで株価が上昇したとします。

 

そうすると、1000円から700円まで300円値下がりして、安値の700円から800円まで100円上昇しましたので、300円下がったうちの100円を戻したことから、1/3戻ししたことになります。

 

下降トレンドを狙い目にして、逆張りで利益を得ようという投資家も多いと思います。

 

一時的な戻しを狙って利益を得る場合におすすめの方法をこちらに書いていますので、詳しくは下降トレンドを逆張りで利益を得るには半値戻しで売るのがおすすめをご覧ください。

 

 

チャートでトレンドの方向性を確認してから買う

もう一度2017年10月から2018年2月のチャートを見ていただきたいと思います。

 

4085円で買ったとしても3855円まで値下がりしたときの下落率は5.6%であり、押し目買いなどのやり方で、できるだけ安い値段で買えば一時的に値下がりしたとしても損切りしなければならないほどの価格にはなりにくいです。

 

高値づかみをしないことを考えておけば大きな失敗も防ぎやすいと思います。

 

どの価格帯で買うにしても、まずはトレンドの方向性をよく確認してから購入することが必要です。

 

上がるトレンドであればいいですが、下がるトレンドになってしまった場合には、大損し失敗するトレードにならないためにも、とりあえずポジションを外すことも検討しなければなりません。

 

買値からの値下がり率で考えるのも一つの手ではありますが、損切りする必要がないようなトレンドであるのに損切りしてしまうことにもなりかねません。

 

 

こちらの記事もどうぞ

あなたの株取引にとって役に立つかもしれない投資方法や取引の知識を書いていますので、気になる方はこちらの投資方法からご覧ください。

 

 

トレンドで損切りするメリット・デメリット

上昇トレンドであるのか、下降トレンドであるのかを確認して損切りをするメリットとしては、不必要な損切りを避けることができることと、マイルールで決めた値下がり率に到達していなかったとしても、下降トレンドになっているのであれば早めに損切りすることで、損失を最小限にすることができます。

 

もちろん、このやり方も万能ではなく当然ですがデメリットもあります。

 

具体例で簡単に説明すると、前回安値(500円)から、押し目らしい押し目をつけることなく、大きく上昇している時に購入(1000円)したとして、そこから値下がりし始めると、チャート上でトレンド転換したと確認するためには、株価が前回安値500円を下回らなければなりません。

 

例えば、800円まで値下がりしたものの、その後上昇し価格が1000円を超えていけば、上昇トレンドは継続中ということになりますが、もし本当に500円を割り込み下降トレンドに突入したのを確認してから損切りしたとすると、50%の損失になってしまいます。

 

そうであれば一律に何%下落したら損切りするというやり方の方が良いということになります。

 

このようなデメリットはもちろんあるのですが、これを回避することはそう難しいことではありません。

 

先ほども言いましたが、高値掴みをしないということです。

 

そもそも安値500円から、押し目をつけることなく株価が上昇して1000円まで値上がりするということはかなりの急騰だと思います。

 

そのような銘柄は一旦大きく売られると、売りが売りを呼ぶことになり大きなリスクを伴いますので、あまりおすすめできません。

 

チャート上でトレンド転換を確認しやすくするためにも、しっかりと押し目をつけて上昇している銘柄の方が特に初心者の方は取引しやすいのではないでしょうか。

 

 

どのような損切りのルールにするかは投資家それぞれの判断ですので、あなたが最もやりやすい方法で損切りするのが一番です。

 

損切りをするというルールを設けているにも関わらず、損切りのタイミングが遅れて売るに売れなくなり、塩漬けが多くなりすぎてどうしようもなくなるということだけは避けるようにしましょう。

 

それでは本日のまとめです。

本日のまとめ

  • 損切りのタイミングを間違えると大損することがある
  • 購入価格からの下落率で損切りをするやり方は機械的な損切りができる
  • 下落率でのやり方は、損切りする必要がないトレンドであるにも関わらず損切りすることにもなりかねない
  • 安くなりすぎて売るに売れない株価になると塩漬けになりやすい
  • 今よりも成長した、将来の自分が取引できる資金を残しておくために損切りは大切である
  • 株の高値づかみはしない
  • トレンドの方向性をよく確認してから購入する
  • 損切りする場合は早めにすることで損失を最小限にすることができる

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