日経平均株価が下落前の水準に戻ったら個別銘柄の株価も戻る?
株式投資をしていると株価が下落したり、上昇したりすることは当たり前のようにありますよね。
それによって喜んだりがっかりしたりするわけですが・・・
さて、ほとんどの個別銘柄が大なり小なり、日経平均株価の影響を受けるわけです。
そこでちょっと思ったのが、日経平均株価がある株価から下落し、再び同じ株価まで戻ってきた時に、個別銘柄も同様に下落前の株価まで戻ってくる銘柄がどれぐらいあるのだろうかと疑問に思いました。
検証方法
今回の検証期間はあまり長い期間にはしませんでした。
長期間にしてしまうと、個別銘柄ごとの要因である「材料」などによって、値上がりしたり値下がりしたり変動が大きくなってしまうのではないかと思ったからです。
ということで、期間は短めにすることにしました。
とはいうものの、その間に決算発表を挟んでいる銘柄もあることから、当然ですがそれらの影響も受けるわけです。
まず期間については、2019年7月30日から2019年9月12日までの期間で検証しました。
日経平均株価でいえば、2019年7月30日の終値が21709.31円で、2019年9月12日の終値が21759.61円でした。
この差が50円程度ですので、概ね同じぐらいの株価だと考えて良いのではないでしょうか。
検証した銘柄については、ちょっと中途半端になってしまうのが申し訳ないのですが、実は以前から検証しているデータを一部加工している関係で、今回の検証については、ほぼ10万円未満の銘柄で考えてみました。
ほぼということなので、10万円以上の銘柄も一部ありますし、7月30日時点で10万円未満なのに今回の検証に入っていない銘柄もあります。
中途半端といえば中途半端なのですが・・・
株やETFなどの購入にあたっては、100株単位、10株単位、1株単位などあるわけですが、1単元で7月30日時点においてほぼ10万円未満の銘柄での検証にしました。
なお、7月30日と9月12日の少なくともどちらか一方で取引がない場合は、検証データから外しています。
それらを踏まえると銘柄数が1569銘柄になりました。
つまり、日経平均株価が2019年7月30日時点から値下がりし、2019年9月12日に下落前とほぼ変わらない株価水準まで回復した時に、7月30日時点でほぼ10万円未満の1569銘柄は、9月12日時点でどのような株価になっているのかを見てみようということです。
下落前の株価以上になるのは何%?
さて、1569銘柄のうち、9月12日時点において、どれぐらいの銘柄が7月30日の株価以上になっていると思いますか。
日経平均株価が同じ株価水準に戻ってきたのだから、80%ぐらいの銘柄は戻るんじゃないのと思う人もいるかもしれませんね。
いやいや、 80%は無理でしょう、半分をちょっと超えるぐらいで60%ぐらいじゃない。
半分以下でしょう、40%ぐらいじゃない。
現実はそんなに甘くないよ、20%ぐらいじゃないかな~などいろいろな意見があると思います。
あなたはどれぐらいだと思いますか。
株価が元に戻っていない銘柄が多い
それでは先に結論を紹介したいと思います。
1569銘柄の中で、9月12日が7月30日の株価以上になったのは593銘柄でした。
つまり、日経平均株価が下落前の水準に戻ってきても、残りの976銘柄は7月30日の株価未満になってしまったということです。
7月30日の株価以上になったのが、1596銘柄の中の593銘柄ですので、約38%ということです。
もちろん株価が値上がりした場合も、値下がりした場合のどちらも、その値幅はろいろあります。
1円だけ上昇した銘柄もあれば、数倍になった銘柄もありますし、1円だけ下がった銘柄もあれば、数十パーセント下落した銘柄もあります。
ちなみに株式併合と分割については、一応確認しています。
もしかすると、もれがあるかもしれませんが、検証した銘柄数が多いので、数銘柄違ったからといって、全体的にはほぼ影響はないのではないかと自分を納得させています。
もし違っていたらごめんなさい。
5%ごとに集計
それではもう少し具体的に見ていきたいと思います。
値上がりも値下がりも、5%ごとに区切って集計してみました。
それらをまとめたのが下の表です。
株価が値上がりした銘柄の中で一番多い区分は、7月30日の株価に対して1倍以上1.05倍未満でした。
この区分が、値上がりした全体銘柄数593銘柄の中の372銘柄でした。
約63%です。
その次に多かったのは、7月30日の株価に対して、1.05倍以上1.1倍未満の上昇でした。
この区分が、値上がりした全体銘柄数593銘柄の中の97銘柄でした。
約16%です。
この2区分で、上昇した銘柄数の約80%になります。
残りの約20%が、7月30日の株価に対して1.1倍以上の値上がりになりました。
表を見てもらうと分かる通り、1.5倍以上の株価になった銘柄もあります。
一か月ちょっとの保有期間で、株価が1.5倍以上になるとすごく嬉しいですね。
私もこんな銘柄を保有したいものです・・・
さて、今度は反対に値下がりした方を見ていきたいと思います。
下落した銘柄の中で一番多い区分は、7月30日の株価に対して0.95倍以上1倍未満でした。
この区分が値下がりした全体銘柄数976銘柄の中の465銘柄でした。
約48%です。
その次に多かったのは、7月30日の株価に対して0.9倍以上0.95倍未満の下落でした。
この区分が値下がりした全体銘柄数976銘柄の中の305銘柄でした。
約31%です。
その次に多かったのは、7月30日の株価に対して0.85倍以上0.9倍未満の下落でした。
この区分が値下がりした全体銘柄数976銘柄の中の119銘柄でした。
約12%です。
ここまで見てわかることは、値上がりした銘柄は一番多い区分が5%未満で約63%、その次に多かったのが5%以上10%未満の値上がりの約16%であり、これ以上の値上がりになると各区分とも数パーセント程度になりました。
しかしながら値下がりの方は、一番多い区分が0.95倍以上1倍未満で約48%、その次に多かったのが0.9倍以上0.95倍未満の下落で約31%、その次に多かったのが0.85倍以上0.9倍未満の下落で約12%という結果でした。
値下がりの方も上位2区分で約80%ですので、値上がりの方とあまり変わらないわけですが、 2番目に割合の高い0.9倍以上0.95倍未満が約31%ですので、値上がりの2番目に割合の高い1.05倍以上1.1倍未満の約16%と比べると相当高いのが分かると思います。
毎回このようになるわけではありませんので注意が必要
今回の検証でわかったことの一つとしては、値上がりする銘柄には数パーセント程度の上昇が多いわけですが、値下がりする銘柄には10%以上の値下がりをする銘柄も結構あるということです。
上がるのは簡単ではないが、下がる場合には比較的大きく下がることもあるということと、日経平均株価が下落前の株価に戻ったとしても、個別銘柄の株価は元の水準に戻らない可能性もあると考えていた方がいいのかもしれません。
こちらの記事もどうぞ
あくまでもこの期間についての検証結果ですので、毎回このようになるわけではありませんし、今回はほぼ10万円未満の銘柄で検証しましたので、金額が変わればまた違った結果になる可能性はあるのではないでしょうか。
今回の、日経平均株価の値下がりについて、ほぼ10万円未満の個別銘柄はこういう値動きだったんだ~という程度に見ていただければいいのではないでしょうか。