損切り

株式投資を難しいと思わない人が知る損切りに関わる「ある確率」とは

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株式投資は難しい?

株式投資は難しいという言葉をよく聞きますね。

 

これから株式投資を始めることを考えている人が、このような言葉を聞くと、ちょっと尻込みしてしまいそうになりますね。

 

また、既に取引をしている人であれば、この言葉がよくわかるという人も結構いらっしゃるかもしれません。

 

株式投資はなぜ難しいと感じるのでしょうか。

 

それは値上がり値下がりのタイミングがよくわからないからですね。

 

このようなことから元本割れを起こすこともあります。

 

むしろ個人投資家であれば、元本割れを起こす可能性の方が高いと言えるのもまた事実です。

 

しかしながら、株式投資が難しいと思ってしまうのには、大変失礼ながら基本的な株の値動きを把握できていないからというのも一つの理由としていえます。

 

株式投資で儲かるためには大きくわけると、2つの方法しか ないと私は考えています。

 

1つは短期間で小さな利益を得ること、もう1つは長期間で大きな利益を得ることです。

 

基本的に株式投資の利益というのは、この2つで成り立っていると私としては思っています。

 

本日は、チャートを使いながら個人投資家が株式投資を難しいと思う理由と、その対策についてをテーマに話をしたいと思います。

 

 

安値で買えただけでは儲かるとは限らない

みなさん株で儲かるための必勝法はあると思いますか。

 

残念ながらそのようなものはありません。

 

もしそのような必勝法があるのであれば、誰でも勝てることになりますし、またそのやり方が多くの投資家に知られることになれば、それは必勝法ではなくなってしまって、全く通用しない手法になってしまうからです。

 

しかしながら、必勝法とまではいきませんが、株式投資にはコツというものはあります。

 

株の売り買いで利益をあげて、できるだけ大きく儲かるためのコツとしては、みなさんどのようなものを思い浮かべるでしょうか。

 

テクニカル分析などがその1つですね。

 

株は安いところで買うのが鉄則です。

 

買うタイミングは大変重要であり、買い時を間違ってしまい、高値づかみをしてしまうとうと、含み損になりやすく、最悪の場合には損切りしなければならない状況(失敗)になってしまう可能性が高くなります。

 

買い時を 注意することは、株取引で利益を上げるための重要なポイントであることは間違いありません。

 

とはいえ、実はそれだけではなかなか利益をあげにくいというのがチャートを見ると簡単にわかります。

 

みなさんは、月足の安値で株を購入できたことがあるでしょうか。

 

銘柄によって出来高が違いますが、1ヶ月間に何十万株、何百万株、何千万株またそれ以上の取引がある中で最も安い価格で購入できたことがあるでしょうか。

 

私自身調べたことはありませんが多分ないです。

 

その銘柄の1ヶ月間の取引の中で、最も安い価格で購入しろというのは限りなく無理に近いですよね。

 

かなり偶然の要素、つまり運の影響が大きいです。

 

逆に言えば、1ヶ月間の取引の中の安値で購入できれば、すごく儲かる可能性が高いと感じるのではないでしょうか。

 

しかしながら、そうでもないというのが株式投資を個人投資家が難しいと感じてしまう理由にもなります。

 

 

含み損になる理由

下のチャートをご覧ください。

 

これはアサヒグループホールディングスの2013年から2018年11月までの月足チャートです。

 

基本的にはきれいな右肩上がりの上昇トレンドを形成しているのがわかるのではないでしょうか。

 

このチャートは月足ですので、1本が1ヶ月間の株価の値動きを示しています。

 

この期間中全部で71本あります。

 

最後の2018年11月だけは、翌月のデータが現時点ではないため、この最後の1本を除いた70本で考えると非常に面白いデータが見えてきます。

 

2013年以降、各月の安値で購入できた場合に、2018年11月末時点で一度も含み損になることなく、含み益を維持しているのはわずか25回しかありません。

 

例えば、2013年1月の安値(1797円)で購入できた場合、これ以降2018年11月末まで一度もこの安値を下回ったことがありませんので、この期間中一度も含み損になることなくずっと含み益を続けることができたということになります。

 

例えば、2014年1月の安値(2690円)で購入できた場合には、一時的に含み損になってしまった期間があります。

 

翌月の2月と翌々月の3月の安値は1月の安値2690円を下回っています。

 

2月の安値が2537円ですので、5%以上の値下がりをしたことになります。

 

ただし、この2月と3月の値下がり(含み損)に耐えることができていれば、結果論ですが数年後には大きな利益を上げることができました。

 

さて、このような綺麗な右肩上がりの上昇トレンドで、奇跡的にしか買えないような1ヶ月間の最安値で購入できたとしても、含み益がある段階で利益確定売りすることなく保有し続けると、一時的を含めて含み損になってしまう可能性がかなり高いということです。

 

 

先ほどの例でいうと、5%も値下がりした場合には、けっこう損切りしてしまう人も多いのではないでしょうか。

 

このようなきれいな上昇トレンドだとしても、月足の安値で買えた場合に、一度も含み損にならなかったのが25ヶ月分しかないということです。

 

奇跡的に安値で買えたとしても、この期間中で言えば25/70=36%程度の割合です。

 

逆に言えば、2/3ぐらいの確率で1ヶ月間の最安値で買おうが、一時的を含めて含み損になってしまうということです。

 

一時的ですめばいいですが、場合によっては何年間にもわたって含み損になることも、もちろんあります。

 

 

損切りしてしまう理由

それでは、もう少し現実的な売買で考えてみたいと思います。

 

まず普通に考えて、月足の安値で購入できる可能性はほぼゼロですよね。

 

そう考えると、現実的な購入価格としては、大体各月の高値と安値の平均値ぐらいではないでしょうか。

 

つまり、ちょうど真ん中ということです。

 

この平均は単純な平均ですので、出来高加重平均価格のVWAPではありません。

 

平均的な株価であれば、特に難しいということはありませんね。

 

その月の高くも安くもない価格で購入できたということですから。

 

さて、その条件で考えると保有し続けた場合に、翌月以降一度も含み損になることなくプラスを維持できているのは、70ヶ月中わずか9ヶ月しかありません。

 

その9回はチャートに赤丸で示している箇所です。

 

 

最後にプラスを維持できたのは、2017年7月に月足の平均価格で購入できた場合です。

 

これは先ほどの月足の安値で購入した場合とは少し条件が違います。

 

月足の安値の場合は、「一度も含み損になることなくプラスを維持」なのですが、月足の平均価格の場合は、「翌月以降一度も含み損になることなくプラスを維持」ということです。

 

アサヒグループホールディングスでいうと、月足の平均価格で買った場合に翌月以降一度も含み損になることなくプラスを維持したのは、赤丸で示した9箇所ですが、月足の平均価格での購入だったと考えると、当月に含み損になった可能性はありますので、本当に一度も含み損になることなくプラスを維持しているのは当然9回よりも少なくなります。

 

このように含み損になってしまうと何が問題かというと、大きな損失を避けるために、損切りをしてしまうということです。

 

今回は、損切りをテーマにしていませんので、損切りの是非については書きませんが、株式投資を難しいと感じてしまうのは、損切りを検討しなければならない状況になるからであり、 その状況になるのは含み損になるからです。

 

アサヒグループホールディングスでいうと、右肩上がりの上昇トレンドでも、月足の平均価格で購入できた場合に13%程度の確率でしか、翌月以降一度も含み損にならずに持ち続けることができないわけですので、損切りを検討しなければならない、含み損になる確率は極めて高いということが言えます。

 

 

チャートの形状が悪いと・・・

それではもう少しチャートの形状が悪くなると、どのような結果になるのかというのを見ていきたいと思います。

 

下のチャートは、東レの2013年から2018年11月の月足チャートです。

 

綺麗な右肩上がりの上昇トレンドとはちょっと言えない形状ですね。

 

先ほどのアサヒグループホールディングスと同じように考えます。

 

各月の安値で購入できた場合でも、一度も含み損になることなく含み益を維持できているのは、70ヶ月中12ヶ月しかありません。

 

月足の平均価格で購入できた場合には、翌月以降一度も含み損になることなく含み益を維持できているのは、70ヶ月中2ヶ月(赤丸)しかありません。

 

先ほどのアサヒグループホールディングスと比べると、かなり数値が悪くなっているのがわかるのではないでしょうか。

 

月足の安値で購入するのは、極めて難しいですので、月足の平均価格で購入できたと考えると、この期間中で言えば97%の確率で保有し続ければ、翌月以降一時的を含めて含み損になってしまったということです。

 

 

利益がある段階で早く売るのもテクニック

さて、ここからわかることは何でしょうか。

 

それが株式投資を難しいと感じないための一つのやり方になります。

 

あくまでも多数のやり方がある中での一つの方法ですが、それは「利益がある段階で早く売る」ということです。

 

含み損になってしまうと、どうしても損切りを検討しないといけない状況になってしまうこともあります。

 

そうならないために、プラスのうちに早めに売ってしまおうというのは、投資成績を良くするための一つのテクニックです。

 

含み損にならなければ、損切りの必要がないですからね。

 

2つのチャートを見てもらいましたが、持ち続けることで企業の内的な影響だけではなく、国内外の政治・経済などの影響も受けてしまいますので、時に大暴落に巻き込まれてしまうこともあります。

 

そうならないために、利益があるうちに売るというのを徹底するのも一つの手法です。

 

みなさんも経験があるかもしれませんが、ホールドしている銘柄が、たまに急激な値下がりをすることがないでしょうか。

 

そのような場合にはいくつかの原因が考えられるのですが、その中の一つに機関投資家などの大口投資家が利益確定売りを出したということが考えられます。

 

また、成功している個人投資家の中にも当然ですが、定期的に利益確定売りを出している人たちはいます。

 

プラスになっているうちに売れば当然利益ですからね。

 

 

株式投資で含み損になる確率はかなり高い

それでは、もっと悪い形状のチャートになるとどうなるでしょうか。

 

下のチャートは神戸製鋼所の2013年から2018年11月までの月足チャートです。

 

考え方はこれまでと同じです。

 

月足の安値で購入できた場合に、一度も含み損になることなく含み益を維持しているのは、70ヶ月中1ヶ月しかありません。

 

月足の平均価格で購入できた場合に、翌月以降一度も含み損になることなく含み益を維持しているのは、70ヶ月中1ヶ月もありません。

 

つまりこの期間で言えば、月足の平均価格で購入した場合には、100%の確率で翌月以降一時的を含めて含み損になってしまったということです。

 

さて、今回3銘柄を見ていただきました。

 

もっとも良い成績だったのは、アサヒグループホールディングスでしたが、もっと多くの銘柄を検討すればさらに良い成績の銘柄ももちろんあると思います。

 

ただし、同じようなチャートの形状であれば似たような結果になるんじゃないのかなぁ~と思います。

 

参考までに、アサヒグループホールディングスと形状の似ていた大成建設で調べてみたら同じような結果でした。

 

私自身の過去の取引で考えてみても、購入した後に比較的早い段階で含み益になることは多いのですが、そのまま持ち続けていると株価が値下がりしてしまうことも、初心者の頃にはよく経験していました。

 

そのような経験があったからこそ、この記事を書いてみることにしたわけですが、改めて見ても株式投資というのはかなり含み損になる確率が高いんだなぁ~ということを実感しました。

 

 

こちらの記事もどうぞ

あなたの株取引にとって役に立つかもしれない投資方法や取引の知識を書いていますので、気になる方はこちらの投資方法からご覧ください。

 

 

株取引は欲張らないことも重要

株価の流れが、このようなものであり、含み損になることを理解している人であれば、マイナスになったとしても損切りすることはありません。

 

むしろ長期保有を考えている人であれば、バイアンドホールドで 、株価が値下がりすることを喜ぶ人すらいます。

 

そのような人たちは、株価が値下がりしたら、さらに買い増しをするという人が多いのではないでしょうか。

 

さて、最初の方で言いましたが、株で利益を上げる方法は短期間で小さな利益を狙うか、長期間で大きな利益を狙うかだと私は思っています。

 

例えて言うなら、数年後や10年以上後に株価が2倍になるのを目指すのがいいのか、それとも数日から数週間程度で数パーセントの利益を確保するのがいいのかというような感じではないでしょうか。

 

もし長期間を選ぶ場合には一時的であるかもしれませんし、場合によっては相当長期間であるかもしれませんが、含み損になる可能性はかなり高いと言えるかもしれませんね。

 

あなたは短期投資と長期投資のどちらが好みでしょうか。

 

 

初心者の方に特に覚えておいていただきたいのですが、含み損にならなければ損切りする必要はありません。

 

長期保有を考えない投資家であれば、含み損になる前に欲張らずに売ることを意識した取引をすることで、これまでと違った結果になる可能性もあるのではないでしょうか。

 

含み損になる確率が高くなれば、損切りする確率が高くなる。

 

損切りする確率が高くなれば、儲からない確率が高くなる。

 

儲からない確率が高くなれば、株式投資を難しいと思う確率が高くなる。

 

・・・ということではないでしょうか。

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