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コンセンサスとは?決算発表の業績が良いのに株価が値下がりする理由

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決算発表に影響を与えるコンセンサスとは

今日は基本的に3ヶ月に1回やってくる決算発表についてがテーマです。

 

みなさんは保有している株の決算時期が近づいてきたら、そのまま持ち続けるでしょうか、それとも売却するでしょうか。

 

これは投資期間によって異なるのですが、例えば長期投資の人であれば決算発表は、そこまで神経質になる必要はないと思いますし、 2~3ヶ月程度の短期投資で運用している投資家は決算発表前に売るべきだと思います。

 

このように投資方法によって決算発表の捉え方は異なってきます。

 

そもそも決算発表後に株価は「値上がりする」・「変わらない」・「値下がりする」この3パターンのどれかになります。

 

私はいろいろな銘柄の掲示板をみるのですが決算が発表されると「前年同期比でこの数値は良いから明日は株価が大きく上がる」というような投稿をよく見かけます。

 

しかしながら翌日になってみると株価が値下がりして始まるということも多いです。

 

これについては、これから述べることの影響ともう一つ、掲示板独特の影響もあります。

 

詳しくは株式投資で掲示板のおすすめ予想の銘柄を購入したら大失敗した話をご覧ください。

 

売上高、営業利益、経常利益などが増加しているのになんでそうなるの?といっている人も多いですので、今回は決算発表の業績内容が良いのに、なぜ株価が値下がりするのかについて考えてみたいと思います。

 

このような投稿をみると決算に大きな影響を与えるコンセンサスについてあまり知られていないんだなと思うこともあります。

 

コンセンサスとは証券会社などのアナリストが予想したその企業の業績予想のことです。

 

このコンセンサスは全ての銘柄で調査し算出されているわけではありません。

 

 

コンセンサスがない銘柄の場合

コンセンサスがない銘柄であれば、前年の業績との比較で株価の上昇下降は影響を受けます。

 

前年同期比で業績が良くなっていなければ株価の上昇の期待度が低くなりますし、好業績であれば上昇も期待できるということです。

 

例えば前年の第1四半期の経常利益が100億円だったとすると、今回の結果が100億円未満であれば下落のリスクがあります。

 

もちろん、その他の諸要因も絡むため絶対的なものというわけではありませんので、その点は注意が必要です。

 

ただし、少しでも上がればいいというものでもなく、101億円や102億円ぐらいでも落ちることもありますので、多少いいぐらいでは売り込まれる可能性があるということです。

 

とりあえず、コンセンサスがない銘柄であれば基本的には業績の影響を大きく受けるという非常にわかりやすい値動きをするのが一般的です。

 

 

 

コンセンサスが算出されている銘柄の場合

次にコンセンサスが算出されている銘柄についてです。

 

なお、コンセンサスがあるかないかに関わらず、決算発表を利用した売り買いのコツについて知りたい方は株の短期投資で利益を得やすい決算発表を利用した売り買いのコツとはをご覧ください。

 

コンセンサスが算出されていれば、証券会社などのアナリストが予想したその企業の業績予想が、実際の会社の発表の数値と比べてどうなのかというのが、決算発表後の株価の推移を決めるといってもいいぐらいです

 

例えば、その企業の今期の売上から考えると前期と比べて相当利益が大きいとアナリストが思い、コンセンサスの数値を例えば100億円とした時に実際に会社の発表する業績が99億円しかなければコンセンサスに未達ということで投資家の失望売りもあり株価は値下がりしやすくなります。

 

仮に、この会社の前年の業績が95億円だったとして、今回は99億円なので4億円値上がりしているのですが、コンセンサスに達していなければ売られる可能性もあるということです。

 

前年と比べて相当上がってるんだよ~なんで株価は上がらないの~と初心者の頃はよく思っていたのですが、現在はコンセンサスに達しない場合は下がるものだと割り切って 取引しています。

 

ちなみに、これとは逆に決算発表によって急激に株価が上がる場合もありますが、特に短期的な取引をする場合には注意も必要になります。

 

なぜかというと、急上昇した株は急落する可能性もあるからです。

 

業績が良いわけですので、それが今後も続くようであれば、長期的な値上がりも期待できるかもしれませんが、短期的にみると高値掴みになる場合もあり、話はちょっと違ってくることもあります。

 

急上昇につて詳しくは株価チャートが急上昇中の銘柄を購入する投資のやり方は失敗しやすいをご覧ください。

 

また、高値づかみした場合には、損切りして買い直した方が利益が得られやすいこともあります。

 

詳しくは株の高値づかみは損切りし買い直した方がいい理由をチャートで説明をご覧ください。

 

あなたが保有している銘柄の決算が増収増益で好調なのに株価が下落するのは、もしかするとコンセンサスの業績予想があり、その数値に未達(到達していない)であったことから失望売りがでていたのかもしれません。

 

私も未達で株価が落ちることがよくあったので、なんだか納得いかないなぁ~と思ってしまいます。

 

いくら証券会社がその企業の調査をして業績の予想をだしているとはいえ、その数値より上に行ったか下に行ったかというのがそれほど大事なのかなあと思ってしまいます。

 

とはいえ、弱小個人投資家である私は、その流れに乗っていくしかないのですが・・・

 

グチはこれぐらいにして、もう少し数字を使って説明したいと思います。

 

コンセンサスが100億円の時に、もし会社の実際の発表が100億円だったとしたらどうなるかというと、一概にはいえませんがこれも下がる可能性はあります。

 

え!何で?という声が聞こえそうですが・・・

 

コンセンサスに到達してるよ!といいたいのですが、結局コンセンサスが算出されている銘柄については、その数値よりも決算発表での会社の数値がそれなりに上回らないとダメだということです。

 

重要なのはサプライズです。

 

このそれなりに上回らないといけないという「それなり」ってどれぐらいかというと残念ながらはっきりとはわかりません。

 

それを決めるのはあなた自身でもあるからです。

 

コンセンサスを上回ったけどわずかだから、売られるかもしれないので、みんなより先に売却しようと考えれば、同じような考えを持っている投資家は多いので値段は下がるでしょうし、逆にこんなに上回っているんだから大丈夫だろうと思えれば株価も下がらずに上昇することになりやすいです。

 

まぁ~もちろん例外はありますが、基本的にはコンセンサスの数値と決算発表の数値が同じぐらいだったら下がる可能性がある、到達していなければ問題外ということです。

 

何度も決算発表を経験していると会社の業績よりもコンセンサスの方が決算発表日の価格については極めて大きく影響するということがわかります。

 

その具体例が、コンセンサスが前年同期と比べてマイナス200億円という内容だったのに対して、実際の決算が前年同期比でマイナス100億円だったとするとコンセンサスは相当悪いというアナリストの予想だったのに対して、実際の決算予想は マイナス100億円なのでもちろん悪かったもののコンセンサスで算出されているほどのレベルではなかったということで、このような場合だと株価は上昇する可能性もあります。

 

え!

 

前年同期比でマイナス100億円ですよ!

 

つまり前年の同じ時期と比べて業績が悪くなってるんですよ! 

 

それでも株価は上がるんですかーといいたくなってしまいます。

 

コンセンサスがマイナス200億円なのに会社の発表がマイナス300億円だったら、これは当然株価は値下がりしますし、相当下がるのは避けられないと思います。

 

大事なことなので繰り返しになりますが、全体的に考えてみると会社の業績がいいか悪いかというのも当然大切なことなんですけど、それよりも決算日で考えるとコンセンサスの方が影響が大きいのです。

 

長期保有ではなく、短期間で考えるとこの影響はすごく大きいです。

 

決算発表は結局どうなるかわからない面が大きいため、買い時が重要になってくるということです。

 

割安で買えていれば、決算で多少値下がりしても耐えやすくなりますからね。

 

買うタイミングについては株の大幅値下がり時の買うタイミングとトレンド転換の簡単な確認方法をご覧ください。

 

板が薄い銘柄は特に買い時が重要ですからね。

 

板が薄い銘柄については板が薄い株はおすすめしないが購入するなら年に1度のチャンスを利用をご覧ください。

 

また、各月の2週目は、株を安く買える可能性のある週というのを知っておくと、取引に有利になるかもしれません。

 

詳しくは毎月第2週はSQ週なので安値で株を買える可能性のある買い時の一つをご覧ください。

 

 

こちらの記事もどうぞ

あなたの株取引にとって役に立つかもしれない投資方法や取引の知識を書いていますので、気になる方はこちらの投資方法からご覧ください。

 

 

コンセンサスと決算数値との関係

簡単にまとめてみたいと思います。

 

会社の決算がコンセンサスを大きく上回ると、株価は値上がりする可能性が高い。

 

会社の決算がコンセンサスを微妙に上回ると、株価は値上がりするか・値下がりするかは微妙になる。

 

会社の決算がコンセンサスと同じだと、株価は値下がりする可能性もある。

 

会社の決算がコンセンサスを微妙に下回ると、株価は値下がりする。

 

会社の決算がコンセンサスを大きく下回ると、株価は非常に大きく値下がりする(場合によってはストップ安もある)。

 

先ほども言った通り、絶対的なものではないため、必ずこのようになるわけではありませんが、コンセンサスの影響は大きいです。

 

会社の決算が前年同期比でマイナスであったとしても、それよりももっとひどい決算になるだろうというコンセンサスの予想であれば結果的にそこまで悪くなかったね!ということで、むしろ良い評価になって価格が上がるという何だか不思議な状態になります。

 

もう少し身近なところで例えてみます。

 

A:「これすごくおいしいから食べてみて!といわれ食べたらまあまあのおいしさだった」

 

B:「これすごくまずいから食べてみて!といわれ食べたらまあまあのおいしさだった」

 

このAとBのパターンで考えると、Aは高評価のものがそうでもなかったので、ややがっかりしますよね。

 

Bは低評価のものが実はそうでもなかったので、やや評価は良くなりますよね。

 

コンセンサスと決算発表もこれと同じような仕組みだと思っておけばいいのではないでしょうか。

 

それでは、これらのことを踏まえて、決算の持ち越しは「すべきなのか」・「すべきではないのか」と考えると、私の個人的な意見としては長期投資でない前提で、わずかな含み益しかなければ持ち越しすべきではないと思いますし、もし決算後に下降しても含み益が残る状態であれば持ち越してもいいと思います。

 

銘柄によっては決算前に購入せず、決算発表の時間を利用して取引することも可能です、詳しくは株を決算前に購入せず決算発表の時間を利用して取引し利益を狙う方法をご覧ください。

 

 

そもそも決算の数値自体が個人投資家が予想できるようなものではありませんので、発表された数値を見るまでどうなるかわかりません。

 

つまり中身の見えない福袋と同じような状態です。

 

ハイリスク・ハイリターンになる可能性が高いので良い結果になるかもしれませんし、悪い結果になるかもしれないということであれば、あえて持ち越してリスクを負うのは、長期投資をしているとか短期の結果に左右されない投資方法を取っている人を除いてあまり良い選択だとは思いません。

 

そして、その会社の業績予想の調査がどのレベルまでできているのかというのもわかりませんので、アナリストが過小評価していたら決算で大きく上昇しますし、過大評価していたら決算で大きく下落することになりますので持ち越すということは不明確な要素がありすぎると感じてしまいます。

 

アナリストが会社の業績を完璧に予想できたとすると、会社発表の数字と同じになります。

 

同じであればサプライズがないということで売られる可能性もあると考えると、株価が上がるためにはアナリストのその会社に対しての過小評価を期待することになりますが、調査がしっかりとできていればいるほど過小評価になりにくくなるのではないでしょうか。

 

サプライズがない想定の範囲内かどうかが決算後の価格の進む道をわけることになります。

 

参考までに、それほど頻繁ではないのですが、決算が発表予定日から延期されることがあります。

 

決算発表予定日から遅れると株価がどうなるのか、実際に経験してみました。

 

詳しくは保有株の決算発表日が延期・遅れたら株価に影響があるか経験してみたをご覧ください。

 

それでは本日のまとめです。

本日のまとめ

  • コンセンサスとは証券会社などのアナリストが予想した企業の業績予想のこと
  • コンセンサスは全ての銘柄で算出されているわけではない
  • コンセンサスがない銘柄は企業業績の影響が大きく株価に影響する
  • アナリストの予想数値と会社発表数値を比べてどうなのかが重要
  • 未達であれば投資家の失望売りもでる
  • サプライズがあるかどうかが重要
  • 決算発表はハイリスク・ハイリターンになる可能性がある
  • アナリストが企業業績を過大評価しているのか、過小評価しているのかがポイント

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