その日の取引の損失を利益に変える?
株式投資をしていると残念ながら損失が出てしまうこともありますよね。
保有株が下落してしまい、仕方なく損切りし、損失を確定させなければならないこともあるのではないでしょうか。
しかしながら、株価によっては損切り後買い戻すことで、その日の株については損失を利益に変えられる可能性もあります。
ただし、もちろん注意点もありますが・・・
今回の記事は、基本的には短期売買向けの話になってしまいますが、中長期保有をしている人も基礎知識として知っておいて損はないと思います。
平均取得単価が重要
この記事を書いているのは、2019年5月13日です。
先日から「米中貿易摩擦の再燃か?」ということで、日経平均株価も大きく値下がりしています。
基本的に私は買い方側の投資家なのですが、リスクヘッジのために日経ダブルインバースを買うことがあります。
今回の問題においても、株価下落の可能性があったため、日経ダブルインバースを買いました。
1回目は既に利確済みでしたが、さらに株価が下落しそうでしたので、再度購入することにしました。
その日は関税引き上げの発動日でした。
ちょうど関税引き上げの時間がザラ場中でしたので、その時間に合わせて、現在の値段より多少上に逆指値買いを注文しておきました。
予想通り、日経ダブルインバースはどんどん上昇していき発動時間を迎え、さらに値上がりして行きました。
私の逆指値買いに到達したため、ダブルインバースを購入したわけですが、その後はあまり上昇しませんでした。
え?残念!!
もう少し上がるかなと思ったのですが、これについてはちょっと想定外でした。
その後値下がりしたため、今日の値動きとしては弱いと思い、残念ながら損切りしました。
私が損切りした後も、大引けにかけて値下がりは続き、価格がどんどん下がって行きました。
この時点で、私は損切りをしていたわけですが、平均取得単価の関係上、買い戻せば損失ではなく利益に変えることができたため、終値付近で再度、日経ダブルインバースを購入しました。
結局、この時点でマイナスをプラスに変えることができたわけです。
ポイントは同日中の売買
さて、実際に私が購入した日経ダブルインバースの場合だと、数字が細くなってしまいますので、もう少し分かりやすい数字で説明したいと思います。
もしあなたが1000円で保有している株が値下がりし、950円になったとします。
もっと下落するかもしれないと思ったため、ここで損切りした場合、株価で言えば50円の損失ですね。
あなたの予想通り、同日中にさらに下降し、株価が800円になったとします。
この時、株価800円でその銘柄を買い戻したとします。
ポイントは同日中の売買ということです。
平均取得単価が適用される口座であれば、平均取得単価の計算上、売り買いの順番は関係なく、買ってから売ったことになります。
つまり、この場合であれば1000円の株を保有している時に、さらに800円で買い増したため、平均取得単価900円で2単元保有していることになります。
そして950円で1単元売却したため、結果的には900円の株を950円で売却したことになります。
つまり、株価で言えば50円の利益ということになりますね。
今回の記事が、なぜ短期売買向けなのかと言うと、中長期投資の場合、損切りする時に自分が保有している株の株価と、現在の株価に大きな開きがある可能性があるからです。
例えば、1000円で購入後、長期間保有していた株が値下がりし、700円になったため損切りしたとします。
その日のうちにさらに値下がりし、600円になったため買戻したと仮定すると、平均取得単価は1000円と600円の平均で800円になります。
買戻したとしても、700円で損切りしているため、結局損失になるということです。
このようなことから、中長期投資になると、損切りした時点で株価に開きがある場合が多いため、その日に買戻しても、損失を利益に変えることが難しい場合があります。
注意点は保有株が残ること
しかしながら、平均取得単価を利用したこの取引方法は、注意しなければならないこともあります。
先ほどの例で言うと、900円で2単元保有しているうち、950円で1単元売却したという計算になるわけですが、2単元のうち1単元しか売却していないため、株価900円で1単元を保有しているということになります。
例えば、購入した株価800円のまま取引が終了すれば、現在値と保有株で、株価100円の違いがあるということです。
翌営業日以降に株価が値上がりするという考えがあるのであれば、このような取引も可能だとは思いますが、もし翌営業日以降も値下がりするだろうと考えられるのであれば、リスクが大きくなる場合があります。
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ちなみに、私が買った日経ダブルインバースでいうと、買い戻した翌営業日も、日経ダブルインバースは値上がりしたため、結果的に両営業日とも上手くいきました。
大した利益じゃありませんが・・・
まぁ~このやり方がすごくいいやり方なのかと言うと、そうとは思えませんが、知っていて損はない基礎知識だと思います。
なお、このやり方はリスクも伴いますので、メリット・デメリットをしっかりと理解した上で、取引するかどうかの判断が必要になります。