1円抜きで売り買いした理由
株取引をこれから始める方や、既に取引をしている方の中にも、1円抜き(1ティック抜き)を取引方法として考えている人も多いのではないでしょうか。
これまでこのブログの中でも、1円抜き(1ティック抜き)について書いてきました。
基本的に私としては、他の投資方法と比較して1円抜きが利益を上げやすい投資方法だとは思っていません。
儲かるよりも、むしろ損失の方が増えるんじゃないかと思っているのですが、取引したことがないから失敗するんじゃないかと思ってしまうのではないかということで、実際にやってみようという結論に至りました。
実は食わず嫌いと一緒のようなものなんじゃないのという理論です。
ちなみに、私が1円抜きで儲かるのは難しいのではないかと思っていた理由については1円抜きがもし勝率90%でも10%の失敗で利益を無くす理由とは?をご覧ください。
株取引を始める初心者の方や投資経験の浅い方など、割と多くの人が1円抜きを一度は検討しているのではないでしょうか。
もちろん私もその一人。
この記事を見ているということは、あなたも1円抜きを考えているのかもしれませんね。
なぜ、1円抜きを実際にやってみるということにしたのかというと、もう一つ理由があって、私自身多くのバックデータの検証しているのですが、1円抜きについては、実際に売り買いしないとわからない点が他のバックデータの検証よりも非常に多いからです。
ということで、本日は1円抜き(1ティック抜き)で、実際に売り買いした結果が儲かったのか損したのかを見ていただきたいと思います。
1円抜きのルール
まず、今回のルールです。
低位株(100円未満)の銘柄を購入
売買はデイトレード
最低単元で購入
選定した銘柄の中で、その日に勝てそうな銘柄のみ購入
板の「買いの最高値」で指値注文(9時直前)
取引時間中は買値の1ティック上で売り注文、売却できない場合は引けに成行売り
お試し検証なので期間は10営業日
後で話をするのですが、1円抜きのコツというのは、絶対に高値で買わないということです。
通常の株取引でも高値で買わないのは、ポイントの一つなのですが、一円抜きだと通常の取引よりも買う値段がもっと重要になってきます。
もし安値で買うことができなければ、その1ティック上で売るのは相当難しくなってきますので、買うことにポイントを置くのではなく、買えなくてもいいから「安い価格で注文する」ということです。
安い値段で買うことができれば、1円抜きが成功しなかったとしても、同値撤退で逃げ道を残しやすくなります。
詳しくは後ほどお話しします。
ボラティリティーの小さい銘柄を狙い目にする
とりあえずお試し検証ということで、10営業日で検証してみることにしました。
もちろん自分のお金をかけて取引しますので、最大限のベストを尽くします。
そもそも、なぜ私が1円抜きは利益が得られにくいと考えているのかというと、簡単にいえば儲かる時は1円なのに、損するときはもっと大きな金額になる可能性が高いからです。
例えば、1円儲かるのを10日繰り返して、翌日20円損したら損益としてはマイナスになりますからね。
一般的に言われるコツコツドカンです。
まず今回の検証では、このコツコツドカンにどのように対応するのかということを考えました。
考えた結果出た結論はこれです。
最大で儲かる場合でも1円抜きなので1円にしかならないわけです。
そうであれば、損失もできるだけ最大1円にしかならないような銘柄がいいのではないかと考えました。
これってある意味当たり前ですけど、1円しかプラスにならないのであれば、1円しかマイナスにならない方がいいですよね。
つまり、できるだけボラティリティ(価格の変動)が小さい方が良いのではないかという結論に至りました。
なお、投資方法によって、銘柄選びにボラティリティの大小を意識すると、取引しやすくなることもあります。
ボラティリティの意味も含めて詳しくは株はボラティリティを意識し銘柄選びをすると取引で利益を狙いやすいをご覧ください。
損してもいいから勝率だけ高くしたい(そんな人いないでしょうけど・・・)とかいう変わった考えの人であれば、株価の高い銘柄を買って1円抜きをするとものすごい高確率で1円抜きには成功しますが、ずっと続けていると年間数日しかない失敗でほぼ確実に大損します。
なぜかというと、先ほどから言っているとおり、利益は1円なのに損失は1円では済まないからです。
価格の高い銘柄で1円抜きすると失敗しやすい理由
例えば、年間250営業日あったとして249回で1円抜きに成功したとしても、たった1日株価が買値から250円値下がりしただけで損益はマイナスになります。
価格の高い値嵩株などであれば250円ぐらい値下がりすることもありますよね。
1つ極端な例を示したいと思います。
もしトヨタ自動車で1円抜きをした場合です。
期間は2017年10月17日から2018年10月16日の1年間です。
毎日、始値で購入しすぐに1ティック上で指値売り注文し、約定できなければ引けで成行売りするという条件です。
結果的には、1年間の246営業日中少なくとも236営業日で1円抜きに成功しているという結果になりました。
成功率は95.9%です。
なお、なぜ少なくとも236営業日なのかというと、例えば2018年10月3日の始値は7160円で、高値が7161円であることから、始値で約定した後にすぐ1ティック上で指値売り注文ができたと仮定しても、7161円の板がすべて買われたかどうか(売り注文が約定したか)が確認できないからです。
もし、この日の高値が7162円であれば、始値で購入後すぐに1ティック上で指せたとすると、7161円は1円抜きに成功できたと考えられるのですが、始値と高値が1円差だと確実に売れたかどうかがわからないからです。
このような日がこの1年間に4日あります。
もし、その日は1円抜きに失敗したと仮定すると終値での売却になりますので、成功率95.9%で損益はマイナス60600円になりました。
もちろんこれに手数料がかかってきますので、その額は相当なものになります。
もし、この4日間も1円抜きに成功したとすると、246営業日中240日の成功で成功率97.6%です。
しかしながら損益はマイナス15300円ですし、手数料を含めるとものすごい大損です。
こんなに高い価格の銘柄で1円抜きする人もいないでしょうけど、取引でも損失が出て、手数料負けもするというひどい結果になる可能性が高いです。
参考までにいえば、勝率が高い関係上なのですが、トヨタ自動車はこの期間で96回連続1円抜きに成功できた期間がありました。
今日も明日も明後日も1円抜きに成功するかもしれませんが、ある日大損する時がやってくるということではないでしょうか。
株取引はどんなに勝率が良くても利益が取れなければ何の意味もないということです。
だからこそこのような値段の高い銘柄で1円抜きをしては絶対にいけないと私は考えています。
1円抜きを検討する人の中には、けっこう株取引初心者の方も多いと思います。
株取引初心者が目標にすべき利益率について書いてみましたので、詳しくは株取引を始める初心者が投資で目標にすべき利益率は何%をご覧ください。
1円抜きについては、リスクもしっかりと把握し、総合的な判断をしたうえで売買しなければ、利益は小さく損失は大きいという利小損大になりかねませんので注意が必要です。
低位株でも金額次第では損しやすい
もう1つ例を示したいと思います。
500円未満ぐらいの株価だったとしたら、1円抜きをしやすいのではないかと考える人はけっこういますので、2018年10月16日時点で400円前後ぐらいの株価である双日で1円抜きをしたと仮定します。
期間や条件はトヨタ自動車の場合と同じです。
期間は2017年10月17日から2018年10月16日までの1年間。
始値で買い、すぐに1ティック上で売り注文ができたと仮定し、3時前までに売り約定できなければ、引けで成行売りという条件です。
結果は、246営業日中少なくとも188日で1円抜きに成功し、成功率は76.4%で損益はマイナス7200円でした。
始値と高値が1円差の日が37日ありましたので、この場合は全て失敗し、引け成行売りしたと仮定した結果です。
もしこの37日すべてが1円抜きに成功していたと仮定すると、246営業日中225日で1円抜きに成功し、成功率は91.5%で損益はプラス10600円でした。
さて、これらを踏まえて現実的に考えると、この37日すべてで1円抜きに成功しているとはとても思えませんので、実際の利益はもっと少なくなると思います。
この期間において双日は、最低単元であれば売り買い合わせて10万円未満なので、証券会社によって異なりますが、10万円未満が無料等の条件に合えば、手数料はかからなかったことになります。
手数料がかからなかったとしても、単純に始値で購入すると利益はほとんどでなかったのではないかと思います。
ちなみに、どの銘柄で取引する場合であれ、始値がいくらになるのだろうかと思いながら売買している人も多いと思います。
始値の計算に興味があれば寄り付き前の気配値から株の始値を計算する方法を板寄せ方式で説明をご覧ください。
さて、もし1円抜きができずに株価が値下がりするようであれば、引けで売るのではなく、大損を避けるためにある程度の値下がりで損切りすればいいのではないかと思う投資家もいるかもしれませんが、実はなかなか難しい面があります。
今回例に出した双日でいえば、2018年5月2日は始値380円、高値390円、安値376円、終値390円でした。
この日の値動きの詳細はわかりませんが、始値よりも4円低い安値の376円を記録していることから、損切りしたほうがいいと考える投資家であれば、損切りしたかもしれません。
しかしながら、終値が高値の390円であることから、安値を記録したとしても、損切りせずそのまま持ち続けることで1円抜きは成功できていたということがいえます。
まぁ~安値の376をつける前に、始値からすぐに値上がりし、1円抜きに成功していれば損切りすることもないわけですけど・・・
始値から大きく値下がりして損切りした後に、最終的に株価が上昇し1円抜きに成功することも良くありますので、損切りのタイミングや判断はなかなか頭を使うと思います。
手数料と税金
話を元に戻して、利益も1円、損失も1円だと同じ株数の購入であれば利益が得られるかどうかは単純に勝率の問題になってくるのかと思ってしまいますが、クリアしないといけないポイントがあと2つあります。
1つは手数料です。
せっかく勝率が良くても、証券会社に支払う手数料で相当利益を減らす可能性があるからです。
今回私は、楽天証券で取引をしましたので、いちにち定額コースで10万円(2021年9月10日現在いちにち定額コースは1日の約定代金合計100万円までは手数料0円)まで手数料0円でした。
実際に1円抜きで取引をしていこうと考えている投資家は、手数料についてはしっかりと考えていなければ、そう簡単には利益が得られないと思います。
もう1つは、税金の関係です。
利益がある場合には、20.315%(2018年10月16日現在)の税金を納めなければなりません。
今回の記事では、簡単に説明するために、税金を考慮していませんが、実際には税金がかかってきますので、取引を考えるのであればその点も含めて判断しましょう。
成行ではなく指値で買う
この辺りを総合的に考えて、今回の検証ではできるだけボラティリティ(価格変動)が少なくなるように、一般的に低位株(人によってはボロ株という人もいる)といわれる銘柄の中でも100円未満の株で1円抜きをすることにしました。
また、購入する銘柄は毎日買い続けるわけではなく、その日の状況をみて買うか買わないかの判断をします。
なぜかというと、毎日買ってしまうとトータルで負ける可能性が高くなるからです。
どの銘柄でも、1年間毎日取引していると必ずといっていいほど、始値がその日の高値である場合が複数日出てくるからです。
そうなると確実に損失が出ます。
だからこそ毎日買わずに勝てそうな時にだけ買うということが1円抜きの勝ち方のポイントだと思います。
また成行では買わないで指値で買うのは、後ほど例の中で説明しますが、先に結論だけ言えば、成り行きで買ってしまうと、これらの銘柄の場合は1円抜きが成功しない可能性が高いからです。
なお、1円抜きの取引であっても、他の取引方法であってもですが、寄り付き成り行きのメリットとデメリットは知っておいた方がいいと思います。
詳しくは株で寄り付き成り行きのメリット・デメリットと私の注文方法をご覧ください。
それでは指値の値段はいくらにするのかということですが、朝の板の気配値を見ても実際いくらで寄付くのかというのはわかりませんよね。
ただ今回売り買いしたような銘柄であれば、ボラティリティーが小さいため、基本的には板に並んでいる売りの最安値か買いの最高値のどちらかが始値になる可能性がかなり高いと思ったので、安い方である買いの最高値に指値を入れました。
今回私が買った10営業日でいうと、9時直前の売りの最安値か買いの最高値のどちらかが始値になっていました。
1円抜きの取引結果
それでは具体的な結果について表を見ながら話をしていきたいと思います。
表に示すように11銘柄で取引をしました。
全ての銘柄が100円未満の株です。
まず、表の見方ですが「100」と書いているのは、その日に1円抜きが成功して100円の利益を得たということです。
「-100」というのは、その日に損失が100円でたということです。
「0」というのは購入した値段と売却した値段が一緒だったということです。
つまり、利益も損失もなかったということです。
「ー」というのは、指値を入れたものの約定しなかったということです。
銘柄の下の損益計の欄は、計算を簡単にするため税金を考慮していない金額です。
実際には利益があれば、税金が引かれますのでその点は気をつけてご覧ください。
9月19日は、2つの銘柄で1円抜きに成功して、1銘柄失敗しました。
9月20日は2銘柄で失敗し、1銘柄も1円抜きに成功できませんでした。
この9月20日を見るとよくわかるのですが、かなり「-」が多いですよね。
つまり、注文はしているものの約定しないということです。
約定させようと思えば、成行買いすればいいのですが、それだとかなりの確率で負けてしまいますので、買えなくてもいいので安い値段で買うということを重要視しました。
9月21日のジオネクストが赤文字で「200」、ブロードメディアが赤文字で「100」と書いています。
この赤文字は、引けより前に利益確定売りができたということです。
これぐらいの価格帯だと、1円抜きを狙い目にしている投資家がかなりいます。
そのため買った値段の1ティック上で売却しようと思っている人が多いです。
同じことを考えている投資家が多ければ多いほど、そのやり方はなかなか通用しなくなってきます。
そのため、これぐらいの価格帯になってくると、買いの約定はできても、1ティック上での売りの約定がなかなかできないということがわかります。
最初に説明をしましたが、なぜ私が1円抜きをしようと思ったのかというポイントがこの部分です。
1円抜きを狙っている投資家が多い銘柄で1円抜きをすると、実際に買うことができて売ることができるのかというのがわからなかったからです。
始値・高値・安値・終値のことを四本値といいますが、机上で考えるだけだと、例えば始値50円・高値51円・安値49円・終値50円だったとすると、始値の50円で買って、高値の51円で売れば1円抜きに成功できて儲かると思っている投資家がけっこういます。
しかしながら、実際にやってみるとそう簡単にはいきません。
始値の50円で買えたとしても、51円で売るというのが非常に難しいです。
銘柄によっても異なりますが、イメージとしては、例えば51円に数十万から数百万の売り注文が並んでいるという感じです。
1日の出来高よりも多い売り注文が出ている価格帯もありますので、購入後すぐ売り注文をしても、その後ろに並ぶことになり、1日でさばけるわけもないので、自分の売りの順番はほぼ回ってきません。
私も、こんなに売れないものとは思っておらず、びっくりしました。
売買する前には、半分ぐらいは売り約定(利益確定売り)できると思っていましたし、悪くても三分の一ぐらいはできると思っていました。
現実は全然違いました。
表を見てもらうとわかるとおり、勝ち・負け・引き分け合わせて27回売買したわけですが、27回中3時前に売ることができたのは、赤文字で金額を書いているたったの2回です。
残りの25回は、3時までに売れなかったので、引けで強制的に成行売りをしたということです。
ザラ場で指値の売り注文を出してはいるものの全く約定せずに、1日で手仕舞う(デイトレード)ために最終的には強制的に売らざるを得ません。
これが、机上で儲かると思いながら、実際の取引では損する結果になる可能性があるポイントの1つなのだと私は思います。
買おうと思えば買うことができるが、それを1ティック上で売るのはかなり難しいということです。
もちろん日にちをまたいで、デイトレードではないような形で売買するのであれば、また別な結果になるかもしれませんが・・・
成行ではなく指値で買うのも、1ティック上で売るのがなかなか難しいからです。
例えば、寄付きの時点で売りの最安値が90円で、買いの最高値が89円だったとします。
始値が90円の時に90円で買ってしまうと、1ティック上の91円で売らなければ利益を得られません。
始値が90円の時に、1ティック下の89円で購入したとすると、1ティック上の90円(始値の価格)で売却できれば、利益が得られるということです。
ザラ場で指値90円で売り約定できなかったとしても、引けで成行売りで90円になれば1円抜きに成功ですし、もし90円にならずに89円になったとしても購入価格と同じなのでプラスマイナスゼロで同値撤退ということになります。
もちろんザラ場で88円以下になってしまう可能性もありますが、ボラティリティの小さい銘柄を選んでいましたので、今回の期間でいうと大きく値下がりすることはなく、多くの銘柄が値下がりしても始値から1ティックか2ティックぐらいでした。
表を見てもらうとわかるとおり、このような対策を取っていたとしてもマイナスになることもありますので、寄り付き時点で売りの最安値で買ってしまった場合(成り行き買いなどで購入)にはもっと成績が悪くなっているということです。
また、ジオネクストが9月21日に「200」になっていますが、これは偶然の結果です。
買い約定してから値上がりするまで15分ぐらいでしたので気づかなくて、いつのまにか価格が上昇していて2円抜きになってしまいました。
もう一点、いつもと違ったのが10月4日の東理ホールディングスです。
「0」になっていますが、ちょっとわけありで午前中の売却になってしまったため、購入価格と同じ値段で売ることになってしまいました。
通常通りの売り方であれば、実際にはプラス100円になっていましたので、この2つの銘柄で、まぁ~プラスマイナスゼロという感じでしょうか。
他の日にちについては、表を見ていただいたとおりです。
基本的に買えないことが多いです。
というよりも、損しないようにできるだけ安い値段で買おうとしているため、損する可能性が高まるぐらいなら買えない方がいいという考えなので、購入できないからといって特に悪い結果ではないと思います。
この10営業日の最終的な成績は、勝ちが8回で負けが5回、引き分けが14回、買えなかったのが29回という結果でした。
勝率は61.5%、税金を考慮しない損益は400円でした。
まぁ~最低単元で購入していますので、利益も少ないわけですが、そもそも株価が安いため購入金額も非常に低額です。
購入金額
下の表は実際にいくらで購入したのかというのを株価で表したものです。
9月27日は所用があったので購入していません。
一番高かったのが、9月19日で全て合わせて26700円の費用がかかりました。
10営業日を平均すると12470円です。
損益的に考えると、12470円を10営業日使って400円の利益(税金は考慮しない)だったということです。
さて、この結果を見て皆さんどのように思うでしょうか、一ヶ月は20営業日以上ありますので、このペースで利益を上げられたと仮定すると、1ヶ月で倍の利益になります。
1年間では、さらに12倍になります(あくまで机上の計算ですが・・・)。
10営業日しか取引していない結果をもとにしているから、そんな簡単にはいかないでしょ~と私自身が思っていますが・・・
ほんとうに1年購入したら、もしかしたら大損しているかもしれませんので、どのような結果になるのかはわかりませんけど・・・
なお、10万円まで手数料無料であれば、今回購入した平均額の12470円で考えると、 3~4倍購入することができたということになります。
これもあくまで計算上ですけど・・・
楽天証券の場合でいえば、10万円(2021年9月10日現在100万円)までの手数料0円というのは1日の売り買い合わせた合計ですので、1ティック上で売却するということを考えると、手数料無料でトレードするのであれば、買いは48000円ぐらいまでにしておかないと、うまく1ティック値上がりしたとしても、売り買い合わせると10万円を超えてしまうということになるかもしれません。
ただし、こんなに約定するのが難しいのであれば、仮に全て約定できた場合に48000円になるようにしていたとしても、実際にはすべての約定はできない可能性が高いので、約定できる株数はもっと少なくなる可能性がかなり高いです。
その辺りは慣れながら調整していく必要があるのではないでしょうか。
ちなみに、2021年9月10日現在で言えば、楽天証券の場合は1日の約定代金合計で100万円まで0円(いちにち定額コース)ですので、かなりの株数を買うことができるのですが、気を付けたいポイントもあります。
それは何かというと、仮に買えたとしても、売りの指値注文で売ることはかなり難しいので、最終的には引け成り売りになることが多いわけです。
そう考えると、安いからといって、数千株とか数万株買ってしまうと、銘柄によっては終値に影響を与えてくる可能性があります。
例えば30円の株を1万株買ったとすると、30万円ですね。
手数料が0円だった場合、売値を31円で注文すると、成功すれば1万円の儲け(税金を考慮しない場合)です。
しかしながら、指値売りで31円が約錠しなければ、引け成りで1万株の売りになります。
株価は上がってほしいと思いながらも、自分が注文した1万株が下方向への圧力になってしまうこともありますので、1銘柄あたりの購入株数にも気を付けることが必要ではないでしょうか。
まぁ~分散することが大事なのでしょうね。
取引した感想
この検証を始める前に、私が想像していた結果は銘柄選定の関係上、大損はもちろんないと思っていましたが、間違いなく損失が出るだろうなということを想定していました。
実現損失がでてもやってみる価値はあるんじゃないかな~という気持ちでした。
ありがたいことなのかどうなのかよくわかりませんが、失敗するだろうという私の予想を裏切り、10営業日でプラスの結果になりました。
銘柄選定とやり方によってはプラスに持っていくことも可能なのかなーという気はしましたが、検証期間が10営業日しかありませんので、損益率としては悪い結果ではありませんでしたが、実際にこのやり方で運用できるかどうかは正直なところわかりません。
この10営業日がプラスになったからといって、みなさんに胸を張っておすすめできる投資方法とまではいえません。
投資は自己責任ですので、みなさんがどのように感じたかで結論を出していただければいいのではないでしょうか。
成行買いで1円抜きした場合の結果
下の表は同じ期間で成り行きで購入した場合の結果です。
表の見方は先ほどと同じです。
成り行きですので、始値で購入し1ティック上で売却することにします。
もし、3時前までに売却ができなかった場合は、引けで成行売りです。
表を見てもらうとわかるとおり、勝ちが30回、負けが22回、引き分けが41回です。
成行ですので、実際に私が買った場合とは違って、買えないということはありません。
勝率は57.7%で 損益は500円プラス(税金を考慮しない)になりました。
私が実際に買った場合がプラス400円、始値で成行買いした場合がプラス500円なので成り行き買いしたほうが結果がいいんじゃないのと思う人もいるかもしれませんが、投資金額が違うのでこのような結果になっています。
私が実際に買ったやり方だと、10営業日平均で12470円を使って、400円のプラスです。
成行買いした場合だと、11営業日平均で39690円を使って、500円のプラスです。
投資金額が3倍以上違いますので、金額を合わせると私が実際に買ったやり方だと1200円以上のプラスになったということです。
このことからも、1円抜きですので安く買うことが極めて大切であるということがわかっていただけるのではないでしょうか。
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成行買いの購入金額
成り行き買いの時の購入単価は下の表のとおりです。
11営業日平均すると毎日約4万円使って取引しているということです。
やり方次第で利益を上げることはできるといえばできるのかもしれませんが、もし1円抜きをしようと考えているのであれば、その利益がリスクに合うものかどうかもよく検討してみてください。
証券会社によりますが購入金額が多くなると、そのぶん手数料も高くなってしまいます。
その辺りもよく考えて1円抜きをするのかしないのか判断してみてはいかがでしょうか。
1円抜きがしやすい銘柄(勝率が高い銘柄)と1円抜きで利益が得られやすい銘柄というのは、まったくの別物だと考えておくべきではないかと思います。
価格の高い銘柄は1円抜きしやすく、勝率も高いのですが、利益は得られず損する可能性が高いと思っています。
そのボラティリティの値動きが、株価が値下がりする側に動いたときには、大きな損失を伴いますので、その点はくれぐれも気をつけましょう。
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なお、今回の結果では大した利益を得られていません。
それは、毎日の投資金額が平均してわずか12470円と少額であるからであり、もっと大きな金額で取引していたと仮定すれば、当然もっと利益を得られていました。
ただし、その場合には手数料の関係がありますので、手取りの損益率は低くなります。
今回の記事は、1円抜きをおすすめしたり、否定したりするものではありません。
もちろん私のやり方をおすすめするものでもありません。
何を言いたかったのかというと、やり方を工夫することで結果は違ってくるということです。
何も考えずに取引するよりも、その取引のメリットになる部分(強み)やデメリットになる部分(弱み)をよく考えて検討してみることが大切なのではないでしょうか。
それでは本日のまとめです。
本日のまとめ
- 1円抜きは実際に売り買いしないとわからない点が多い
- 儲かるときは1円だが、損する時は大きな金額になる可能性がある
- ボラティリティーが小さいほうが失敗したときの損失も小さい
- 値段の高い銘柄で1円抜きをすると損しやすい
- 売買金額によっては、証券会社に支払う手数料の影響が大きくなる
- 低位株の銘柄によっては、買うことができても1ティック上で売ることが難しい場合も多い
- 安い値段で買うことを心がける
- 勝率が高くても儲かるとは限らない
- やり方を工夫することで結果は違ってくる